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撮影記

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気分で撮影の感想を記します。
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晩夏の小樽【写真25枚】

今年の夏も終わりに差し掛かり、久しぶりに故郷の札幌へと帰省した。 帰札したついでに、10年ぶりとなる小樽を訪れることに。上京してからというもの、小樽に行く機会はほとんどなく、記憶に残る街並みとはどのように変わっているのか、カメラを片手に観光客のように堪能してきた。 10年という時間は長いもので、街の雰囲気が記憶の中にあるものと少し異なっていた。街全体が観光地としての顔をさらに強めていた。 小樽運河周辺は、かつての落ち着いた港町という印象とは異なり、観光客で賑わい、インバ

深緑に包まれる東福寺【写真20枚】

ふと気が付けば季節は深緑の時期に。 なんとなくここしばらくは写真と距離を置いていたのだが、2か月振りにカメラを手に取り、野暮用で出かけた京都のついでに東福寺に立ち寄った。 半分致し方なし、半分意図的に写真から少し距離を置いていましたが、久しぶりにカメラを手にして、心地よい重みと冷たさから写真を撮る快感的なものを思い出しました。 期間が空いたことでどのように目付をしてどのように組み立てるのか不安気になっていましたが、杞憂に過ぎませんでした。 東福寺の静寂と美しさから完全

赤羽と光の調和【写真15枚】

3月上旬、東京の北部に位置する赤羽を訪れました。 赤羽を避けていたわけではありませんが、訪れる機会がこれまでにほとんどありませんでした。赤羽は都心からのアクセスが良いにも関わらず、どこか懐かしさを感じさせる街です。 商店街は渋く、昔ながらの店が並びますが、そこには新旧の文化が融合している独特の雰囲気があります。 街を歩いていると、いたるところで梅の花が咲いており、その彩りが冬の終わりを告げ、新しい季節の到来を予感させていました。 商店街には昔ながらの店が連なり、それぞ

今年見た東京の桜【写真15枚】

2024年の春、東京には例年通り多くの桜が咲き誇り、都市の景色に鮮やかなピンク色を添えました。 これまで日本橋や渋谷などの有名な桜スポットに出向いた話は撮影記として残していますが、今回はそのような名所ではなく、他に見かけた桜について書いてこうと思います。 今年は桜を追いかけるために特別な計画は立てなかったため、日常生活の中で桜の美しさを感じることができました。 桜は忙しない日常の中でふと目に入ることで、心を和ませ、季節の移ろいを感じさせてくれるんだとも。 毎年のことで

日本橋の桜とのひととき【写真20枚】

ソメイヨシノや枝垂れ桜が満開になるのはいつもあっという間。 2024年4月上旬のある朝、今年もなんとかその美しさを拝んでおこうと、仕事前のわずかな時間を使って日本橋の桜とのひとときを堪能しました。 日本橋の桜は、都市の喧騒を忘れさせるほどの美しさを放っていました。 特にソメイヨシノは見事に満開で、枝垂れ桜もその優美な姿を見せつけるかのように花を下げていました。 私にとって仕事前の散歩は、日常からの小さな逃避行でもあります。 桜の下を歩くだけで、心を静め、一日の始まりに穏や

明治通りと陽光桜【写真15枚】

天城吉野と寒緋桜を交雑させて作られた陽光桜並木が渋谷・明治通りを彩っています。天城吉野と寒緋桜、それぞれ寒さと暑さに強いだけに環境適応能力の強い桜として知られています。 そんな明治通りの陽光桜もあっという間に満開を迎えました。 実は明治通りの陽光桜は今中国人の方々の中で流行っているのだとか。 中国版Instagramである「RED」では「#桜難民(樱花难民)」を付け、ここの桜並木の写真が大量に投稿されているみたいです。 3月下旬の某日、東京は異例の暖かさに包まれました

【写真15枚】春を先駆ける日本橋のオカメ桜

2024年の3月上旬、東京ではまだ完全に冬を脱していません。 しかし、都内でも早咲きで知られる日本橋のオカメ桜は、すでに春の訪れを告げていました。 晴れ間と曇り空が交互に訪れる光の読みにくい日、さすがに今年はもういいだろうと思っていたが、またこの場所を訪れてしまった。 日本橋にあるオカメ桜は都内でも1位2位を争うほど早咲きで毎年多くの人々を魅了しています。 早春にもかかわらず、美しさを見せる桜はまるで春の到来を祝福しているような温かみがあります。 晴れたかと思えばすぐに

寒雨に映える赤坂【写真25枚】

異様な寒さに包まれていた2月下旬某日。 普段よりも肌を刺すような冷たさの中、私は久しぶりに赤坂の街を歩きました。 今回は寒雨が降り注ぐ赤坂を撮り歩いた撮影記をお届けします。 赤坂は歴史的な建築物とモダンなビルが共存する東京でも特に独特な地域。 古くからの料亭、小さな神社やお寺が点在し、新しいオフィスビルや商業施設と調和を保っています。 この歴史的な背景と現代の融合が、赤坂の魅力を形作っているのではないでしょうか。 寒波とともに訪れた雨は、赤坂の街をより一層神秘的に見せ

【写真25枚】雪に包まれた渋谷

用事のあった新宿から帰路に就くため渋谷を経由。 特に写真を撮るをつもりはなかったのだが、舞っている雪を見ると抑えられなくなり、改札を降りて街に飛び出してしまった。 今回はそんなゲリラ的に撮影した雪舞う渋谷の様子を写真25枚とともにお届けします。 雪に覆われたことで、いつもの賑やかな渋谷の風景から一変。 歩行者は慎重に足を踏み出し、カメラを持った人々がその珍しい光景を撮影していました(私もその一人)。 渋谷ヒカリエや渋谷109のようなランドマークも、雪化粧を施していて幻想

【写真30枚】白銀の新宿

2024年2月5日、東京は異例の大雪警報に包まれました。 幸か不幸か新宿近辺に用事があったため、私は短い時間でしたが、雪によって変貌する新宿の街並みを見ていました。 今回は記録がてらに撮影した降雪する新宿の様子を写真30枚でお届けします。 雪によって新宿の喧騒は一時的に静けさに変え、一瞬にして過去へとタイムスリップするかのような趣を見せてくれました。 雪が降りしきる中、新宿の街並みは一変していました。 普段は忙しない足取りになりがちな街ですが、ゆっくりと歩きながら、

雨音と共に歩く代々木上原【写真30枚】

新しい年が始まり、冬の冷たい雨が静かに街を包む1月の朝。 東京で最も心惹かれる場所である代々木上原を訪れました。 下北沢での撮影の後、引き続きカメラを手に雨の中の代々木上原を歩き始めた。 代々木上原は東京都渋谷区の西部にある一地区。 現在の地名では上原一丁目~三丁目の他に、元代々木町・西原一丁目~三丁目・大山町の一部を含めた一帯を指します。 代々木上原は高級住宅街とされていますが、その歴史は西原から大山町あたりに「徳川山」という東京都内有数の高級住宅街が昭和初期に分譲さ

曇天と人形町の相性【写真30枚】

曇りがちなとある日、ここは東京の人形町 普段は一人での撮影が多い私ですが、この日は珍しく写真仲間のSeijiさんとTakutoさんと一緒。この三人で人形町から箱崎ジャンクションまでの撮影散歩に出かけました。 朝9時、人形町。 人形町は古い建物や狭い路地がその時代の面影を色濃く残しています。 木造の建物、昔ながらの商店、小さな飲食店など歴史ある街並みを背景に、各々の視点で日常の風景を切り取っていきます。 散策を続けながら撮影技術やカメラについて雑談を交えながら話す。これ

寒雨降り注ぐ下北沢【写真35枚】

1月のある朝、雨が降る中、下北沢を散策した。 下北沢への足取りは非常に軽やか。なんたってこの日のカメラはどハマり中のdp2 quattro、このカメラを導入して初の雨天撮影。どんな切り取り方をしてくれるか楽しみで仕方がなかった。 今回はそんな寒雨が降る下北沢を撮り歩いた撮影記を綴っていきます。 下北沢はかつて小さな商店街から始まり、今ではその独特の文化で知られています。戦後の発展を経て、古着屋、カフェ、小劇場が立ち並ぶ文化のメッカへと変貌を遂げました。 朝の散策では、

新春の青山【写真20枚】

新年の幕開けと共に、私は導入したばかりのdp2 quattroを手に青山を巡ることにした。 青山といえば、その洗練された街並みや文化的な雰囲気で知られ、東京の中でも特に魅力的な地域の一つとなっています。 写りに優れたdp2 quattroはそんな青山の魅力を捉えるにふさわしいと考え、この日の撮影に採用。このカメラ、またそのセンサーの特徴について以下の記事に書いているので、気になった方は先にこちらをご覧ください。 青山は江戸時代からの歴史を持ち、かつては武家屋敷が立ち並ぶ地