第2期キウイ戦の自戦記~VS奄美くろさん戦~

キウイ戦の自戦記、いよいよ最後の4局目についてまとめていきます。
本棋戦はR氏の達磨さん(https://twitter.com/UM3_DARUMA)主催による、級位者の棋戦となっております。(キウイ戦のXはこちらhttps://twitter.com/kiui20221119
本譜の対局の様子は
公式配信(https://www.youtube.com/watch?v=hSb78cGDBJ8&t=0s
雲雀視点(https://www.youtube.com/watch?v=oVuPoQzk82I
上記からご覧ください。

・対局

さて、3月31日に行われた奄美くろさん戦について振り返りをしていこうと思います。
本局がキウイ戦の最終局となっておりました。
今回対局させていただいた奄美くろさんについては昨年12月に電子れいずさんの企画で対局をしており、その際は敗けていた為、そのリベンジを兼ねた対局となっておりました。
しかしながら、この前後において将棋の感覚が完全に壊されており、まずはしっかり"将棋"になるか、という段階からで準備自体はしたものの、ほぼ自信が0どころかマイナスから始まる最悪のコンディションでした。それを踏まえた上で本記事については読んでいただければ幸いです。

本譜については後手番の為、添付する盤画像については先後逆となりますのでご了承ください。
初手より、▲7六歩、△3四歩、▲6六歩、△3二飛、▲7八銀、△7二銀、▲9六歩、△5二金と進みます。(図1)

図1 8手目△5二金まで

相振り飛車において9筋の端歩を受けるか問題について、一応個人的には方針が決められており、美濃に組む場合は受けない、金無双、右矢倉に組む場合は受ける、この方針で指しています。
思ったより美濃囲いが端から来ると弱いので…。
また、本譜については個人としては珍しく相振り飛車で三間飛車側を持つことにしました。
諸々事前準備の段階で決めていた作戦の一つではありますが。
あとはここから奄美くろさんがどういう駒組をしてくるかを見ながら対応していくような将棋になっておりました。
ということで図1以降、▲6七銀、△6四歩、▲7五歩、△6三金、▲7六銀、△6二玉、▲6五歩と進みます。(図2)

図2 15手目 ▲6五歩まで

はい、いきなり突っかけられました。
正直これの正しい対応がわからず、手抜いて金が上ずるのを嫌い、本譜は同歩と取りました。以下の進行も正直わからないまま進めていたので、自信自体は一切ありませんでした。
図2以降、△6五同歩、▲2二角成、△同銀、▲6八飛、△7一玉と進みます。(図3)

図3 20手目 △7一玉まで

8二角の筋のケアで玉を引きましたが、正直感触は微妙でした。
ただ変える手も思いつかなかったので、仕方なしを割り切って選んだ感じでした。ただこの進行は先手の銀が捌ける形になっているので、受けるのも正直大変かなと思っていました。
図3以降、▲6五銀、△6四歩、▲同銀、△同金、▲同飛、△6三銀打、▲6八飛、△4五角と進みます。(図4)

図4 28手目 △4五角まで

△4五角は勢い指してみたくなる手で、先手の陣形を崩しながら桂取にできるので、良し悪しはともかくとして、選んでみた手でした。
角を合わせてくれれば後々5五角ができるかな~~~みたいな理由もあったとかなかったとか…。
なんなら、この後すぐに△5五角もあったようです。
図4以降、▲3六角、△同角、▲同歩、△3五歩、▲6四歩、△5四銀、▲3五歩、△同飛と進みます。(図5)

図5 36手目 △3五同飛まで

図5の局面で、私もくろさんも気づいておらず感想戦で指摘されましたが、ここで▲2六角という手があり、これが思ったより受けづらく、これが実戦で現れていたらこの将棋はかなり大変だったかもしれません。
△4四角とするくらいなんでしょうか?
ただこの陣形で飛車を取られるのも相当辛くなりそうです。
図5以降、▲3七歩、△7五飛、▲6三金、△6五角と進みます。(図6)

図6 40手目 △6五角まで

今思えばここは△6五歩でよかったかなと思っています。一応角成で馬を作れそうな場所ではありますが、この後結局取られた角になってしまったので…。
ただ△6五歩の後、本譜の進行となった時に、6七に歩が叩けなくなっているのでそれの局面がどうなっているのか、という感じかと思います。
その場合、▲6六銀が発生しないのでそう考えると何とか受け切った感が出てくるでしょうか。(参考図)

参考図 △7二同金まで

本譜の進行に戻り、図6以降、▲7二金、△同金、▲6六銀、△6七歩、▲8八飛、△6八金(図7)と進みます。

図7 46手目 △6八金まで

この金打が相当攻めを重くしてしまった感じがあり、単に▲4八玉と上がられてしまった場合の後続手がおおよそ難しくなってしまっている感じでした。
後手陣も決して褒められた形はしていないので、飛車を渡すのは如何なものか、みたいなところも今思えばあります。
本譜の進行に戻り図7以降、▲6八同飛、△同歩成、▲同金、△7九飛成、▲6九金打、△7六龍、▲7七金、△7四龍、▲5二角、△6四龍、▲6五銀、△同龍、▲6六歩、△5五龍、▲5八金、△3八歩、▲同銀、△3九飛となりました。(図8)

図8 64手目 △3九飛まで

本譜はこの△3九飛が指せてから優勢を意識出来たかなと思います。
▲4九角と受ける手がいっしゅん気になるところではありますが、その場合は2八銀~2九銀不が味が良さそうに思っていました。
先手は角と歩しかないので早い攻めもなさそうでしたし。
ただここからどう着地するか、というのが非常に難しい局面かなとも思っていました。
図8以降、▲4九銀、△2九飛成、▲4八金、△1九龍、▲4一角成、△6五歩、▲3二馬、△3一銀打、▲2一馬、△3二香、▲6八玉、△6六歩、▲5八金上、△4五桂、▲6四歩、△3七桂成、▲同金、△4九龍、▲5九桂と進みます。(図9)

図9 83手目 ▲5九桂まで

本譜は"玉は包むように寄せよ"の格言があるように、△8八銀と打って挟撃の方針を目指して行ったのですが、変えてここで3七香成としたほうが中段龍がいい位置で利いていてよかったのではないかと思ったりもしました。
どちらの手を選んでも指しやすいからこそ悩んだ局面ではありましたが、この対局においてそれがわかっていた、というのが個人的には直近の状態のことも踏まえてよかった点かなと思ったところです。
図9より、△8八銀、▲4六金、△7七銀成、▲同桂、△7五龍、▲5二角、△5一金、▲8五角成、△6四龍、▲6五歩、△6二龍、▲7六馬、△3八香成、▲6六馬、△4八成香、▲同金、△同龍、▲5八香、△4九金、▲6七玉、△5九金、▲7六玉、△5八龍と進み(図10)以下勝ちとなりました。

図10 106手目 △5八龍まで

・一局を振り返って

対局中もずっと苦しいと思いながら将棋を指していたのを昨日のように思い出すわけですが(言うても2か月くらい前ですか)、この一局が自分自身のターニングポイントになった一局かな、と思っています。
優勢になってから崩れないように丁寧に丁寧にと意識しすぎなくらい受けに意識を割いていた将棋でもあり、私らしさがしっかりと出せた一局だったとも思います。(お恥ずかしながら配信閉じた後久しぶりにしっかりとした将棋が指せたこともあって泣いてしまったわけですが…
冒頭に記載した通り奄美くろさんとは別の企画で対局した際に無理攻めをして敗けていたので、やはり本譜のようにしっかりと受けて、というような将棋のほうが棋風としては合っているのかな、と感じたところでもありました。
個人的に印象に残る一局だったこともあり長々と書いてしまいましたが、キウイ戦の最終局、奄美くろさん戦の自戦記でした。

今後のnoteの予定ですが、とりあえず”舞台アサルトリリィ生演奏バンドライブ「Lily Scramble!!!!」”の感想、先日の三鋭戦予選の自戦記、12日に対局が予定されている三鋭戦決勝の自戦記を書く予定です。
後は今月から始まる舞台「アサルトリリィ・新章」第2弾を観に行く予定なのでそちらの感想も書こうかなと思っています。(とりあえず現地2回行きますが、千秋楽は配信で観ようと思ってます。)

最後まで本記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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また、チャンネル登録者100名達成しました為、配信では都度都度言っていました個人グッズについて準備中となります。
5月下旬~6月頃に受注生産という形でご案内できるかと思いますので、もうしばらくお待ちください。

それではまた次の記事、あるいは配信でお目にかかれたらと思います。
ありがとうございました。

2024/05/11 雲雀 信龍


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