第2期キウイ戦の自戦記~VSあえんごうきんさん戦~

前回、前々回に続き自身の3局目の自戦記をまとめていきます。
本棋戦はR氏の達磨さん(https://twitter.com/UM3_DARUMA)主催による、級位者の棋戦となっております。(キウイ戦のXはこちらhttps://twitter.com/kiui20221119
本譜の対局の様子は
公式配信(https://www.youtube.com/watch?v=LcS_nMSmxGc&t=0s
雲雀視点(https://www.youtube.com/watch?v=aCB4mHZvNSQ
上記からご覧ください。

・対局

さて、2月25日に行われたあえんごうきんさん戦について振り返りをしていくわけですが、まず事前情報としてあえんごうきんさんは中飛車党である、というのは把握していた為、手持ちの対中飛車対策のカードを使って準備をして対局していく格好になった将棋でした。
唯一の懸念材料としてはあえんごうきんの師匠が同じ菜々河門下の音無ちえるさんなので、こちらの傾向とか把握してるだろうし、どこまで準備してきているかというのが正直わからなかった、というところでしょうか。
ということで序盤から改めて振り返っていこうと思います。

本譜については後手番でした。
本記事に添付する盤画像については先後逆となりますのでご了承ください。
初手から▲5六歩、△3四歩、▲5八飛、△3二飛、▲5五歩(図1)と進みます。

図1 5手目▲5五歩まで

ということで立ち上がりは想定通り先手中飛車 - 後手三間飛車の相振り飛車になったわけですね。対中飛車以外は正直本局準備してなかったので、ほかの戦法持ってこられていたらてんてこ舞いだっただだろうなぁ、というのはこの段階での感想でした。
ここからしばらく駒組に入ります。
図1より、△4二銀、▲7六歩、△6二玉、▲7七角、△3五歩、▲5六飛、△5二金、▲6八玉(図2)と進みます。

図2 13手目▲6八玉まで

相振り飛車だと思った?残念対抗系だよ
いや、ここで▲6八玉とされて思わず一瞬手が止まりました。
マジか、左穴熊かぁ…と。
中飛車左穴熊は正直対局経験がほぼなかったので、対抗策自分の中で確立出来てなかったんですよね。
相振り飛車で想定局面から外れました、ならともかくそもそも左穴熊になると全然別の将棋になってしまうので、ここからのなんとかしていかないといけない将棋になったわけです。
穴熊を自身も指しなれているなら相穴熊でバッチバチに組みあって殴り合う、というのも一局だとは思うんですが正直穴熊を持っての将棋はまだ感覚が染みついてないので、いきなりここで使うにはハードルが高かった為、本譜の駒組を選びました。
ということで図2より△7二玉、▲7八玉、△9四歩、▲8八玉、△9五歩、▲9八香、△8二玉、▲9九玉、△3四飛、▲8八銀、△7二銀、▲7九金、△6四歩、▲4八銀、△6三金、▲5九金、△4四歩、▲6九金、△4三銀、▲7八金、△7四歩、▲6八角、△3三角(図3)と進みます。

図3 36手目△3三角まで

ここに至るまで、変化として3四の飛車を2四に振れ、とAIは言ってるんですが正直穴熊VS高美濃なので、△2四飛、▲2六飛、△同飛、▲同歩の飛車交換は正直分が悪いと思って踏み込めませんでした。
飛車交換した後に5二銀と引いて連結よくしてから桂香を取りに行くようなイメージということなんでしょうか?
図3より▲2六飛、△2四歩、▲5六飛、△7三桂、▲5七銀、△4五歩、▲4六歩(図4)と進みます。

図4 43手目▲4六歩まで

さてここから開戦になるわけですが、当然現局面の形勢は互角です。
今思えば、ここは△4四銀と立って、4筋の歩の取り込みを許さない方針のほうがよかったかもしれません。
先手の飛車が狭いので、以下△5五銀と出て飛車を捕まえに行くような筋ですね。
ただそれには▲5四歩~▲5三歩成が間に合ってくるのかどうか、というような話になるんでしょうか。さすがに▲5四歩に△5五銀としたら▲7七角と戻すんでしょうか。(図4-1)

図4-1 ▲7七角まで

図4-1の通り進むならさすがに△5六銀と飛車を取るか、△5四歩と先手の歩を払うか、という感じですかね。
歩を払っておく方が手堅い気がします。
それから飛車も取れそうですし、その変化は先手が穴熊といえ、後手も指せそうな気がします。
この記事書いてるときに一瞬△6五桂の変化も改めて読んだんですが、普通に角に逃げられ、飛車にも逃げられになるのでその変化は後手敗けっぽいです。
例えば、△6五桂に▲5五角、△同角、▲同飛に△5四歩と突くぐらいですが、飛車を引かれて、さすがに銀損は許せないと△5七桂成としますが▲同飛で今度は桂損になりますね。
それはさすがに勝てない。穴熊ただでさえ硬いのに穴熊相手に駒損はちょっと…。(図4-2)

図4-2 ▲5七同飛まで

さて、だいぶ脱線してしまったので本譜に戻ります。
図4を再掲します。

図4 43手目▲4六歩まで

本譜はここで△5四歩と突きました。
狙いは上記に書いたのと同じように飛車を捕まえに行こうとした手です。ただやっぱり同じく飛車を捕まえに行くなら上に記載の変化のほうがよかったです。
本譜は以下、▲5四同歩、△同銀、▲4五歩、△5五銀に▲2六飛と逃げられました。(図5)

図5 49手目▲2六飛まで

ただ本譜のこの後の進行考えた時に、△5五銀ではなく、どうせ飛車は成れないのですから△4五銀としたほうがよく、結果的にこの4五に残した歩が後々まで響いてしまいました。
図5より、△6五桂、▲4六銀、△同銀、▲同飛と進みます。(図6)

図6 53手目▲4六同飛まで

対局中は気づかなかったのですが、図6からは後手は△5四飛と回るほうが手堅かった説がありそうです。
例えば、以下▲5四歩、△同飛、▲5五歩とかなら△5一飛とかになるんでしょうか。
でもそこで▲4四歩とかされたら今度は後手が4筋受からなさそうです。
将棋って難しいですね。
感想戦では5七銀とかありそう、という話は振ったのですが、5七銀はだいぶ悪手の匂いがしますね。
飛車逃げられてそのあと本譜と同じように5二に銀を打たれて崩壊してそうです。
本譜も崩壊してたのかって?だいぶしてましたね。途中必敗までありそうでした。
さて、本譜に戻して図6の▲4六同飛に△7五歩と突きました。
ここで先手は▲5六飛としたのですが、これ変えて▲6六歩が痛すぎて泣きそうになりそうです。やっぱり桂損確定の匂いしますもんね。
本譜と同じような進行をこの後試みたとして、△7六歩とするんでしょうが、そのまま▲6五歩と取られると今度は7七に打ち込むのに利きが足りなくなってるんですよね。以下、銀を打って、角を切ってとした際の参考図を掲載します。(図6-1)

図6-1 参考図

角と桂馬渡して金駒2枚もらう計算になるんですが、(途中桂馬跳ねにくいと思って桂馬跳ねてませんが、飛車渡してないので案外桂馬跳ねのほうが先手指せる説がありますが一旦省略です)これはさすがにどう指していいのかわかりませんね。
参考図の駒で計算するなら6七金とかって打つんでしょうが角成ったりじっと穴熊再生されたりして勝ちにくそうです。
いかんせんこっちの飛車が働かない。この格好なら先手も6筋取り込まないほうがいいでしょうし、こっちから取れば▲5五角が涙が出るほど痛そうです。
さて、本譜の進行に戻しますが、△7五歩、▲5六飛、△7六歩、▲5二銀、△6二金引、▲6一銀成、△同金、▲5三飛成と進みます。(図7)

図7 61手目▲5三飛成まで

いや、形怖すぎですね。普通にきつく見えます。
ここでなんとか粘りに行ったわけですが、本譜の△6三銀打よりは△6二銀と打って先手取ったほうがよかった感じはあります。ただ4三龍とされて結局負けそうな気はしますが…
ここで先手から▲4三金とされたので、これ以上受けていられないとここで一気にアクセル踏み込んで穴熊を解体しにいきました。
評価値はともかくとして60秒将棋であればその方針は割と正しかったのかもしれません。
図7より▲4三金、△8八角成、▲同金上、△7七銀、▲同金、△同歩成、▲同金、△7六歩、▲7八金、△7七銀、▲同金、△同歩成、▲同桂、△同桂成、同角、△7八金と進みます。(図8)

図8 78手目△7八金まで

この7八金が打ててようやく勝ちになったかなと思いました。
正直中盤の対応があまりにも間違えすぎて頭を抱える展開が続きましたが、なんとか穴熊を解体しきって本棋戦の初勝利となりました。

・一局を振り返って

中々指し慣れない戦型を指す形になり、模索しながらの将棋でしたが最後の最後に思いきりの良さがいい方向に転んでくれた将棋だったと思います。
しかしながら、対中飛車左穴熊に関しては深く研究しておく必要を改めて感じた一局でもありました。
ということでキウイ戦の対あえんごうきん戦の自戦記でした。

明日もしくは明後日にはキウイ戦の残り1局、奄美くろさん戦の自戦記を書いて、その後”舞台アサルトリリィ生演奏バンドライブ「Lily Scramble!!!!」”、先日の三鋭戦予選の自戦記、12日に対局が予定されている三鋭戦決勝の自戦記を書く予定ですのでこの後もぜひよろしくお願いします。

最後まで本記事を読んでいただき、ありがとうございました。
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5月下旬~6月頃に受注生産という形でご案内できるかと思いますので、もうしばらくお待ちください。

それではまた次の記事、あるいは配信でお目にかかれたらと思います。
ありがとうございました。

2024/05/10 雲雀 信龍

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