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小さな会社の挑戦 資金繰り編

私個人の29年の小さな会社の経営者として経験してきた
会社の血液ともいえる資金繰りに関して、以前から講じていること
いまこの状況の中での対応など、少しでも中小企業の経営者や個人事業主の方々に参考になることがあれば幸いです。

弊社の中心事業であるイベント業界は2月中旬から影響が出始め
3月はほぼイベント制作の売り上げが立たなくなった企業が
ほとんどかと思います。
弊社のイベント企画・運営の部門もまさにこの状況です。
中小企業や個人事業主が多いこの業界にとって、
このダメージは倒産に繋がってしまうことは、想像にたやすいこと。
仕事がなくなり、売上が立たないことで
中小企業の経営者が、真っ先に対応すべきことの一つとして
財務管理と資金調達だと言えます。

私個人のいま現在の財務に関する対応をまとめてみました。
3月から在宅勤務の始まり、イベント制作の部門の売上が
壊滅的になった状況で
先週末に、先月(3月)、以下月分の試算表がほぼまとまり
これで見えてくることがあります。
まずは「月間の固定費」です。
オフィスの家賃やOA機器のリース代のように変わらないものもあれば
打合せもリモート会議になり営業活動もほぼ止まっているので、
交通費やコピー代や福利厚生費・接待費などは
通常の月よりも下がる傾向にあるかと思います。
全業も減っていると思うので人件費も通常よりも
減っている場合も多いかと。
そして「月間の純利益」が、如実になったのも今月。
これ以外にも融資の返済や納税などの要素はあると思うのですが
簡単にするため
「月間の純利益」ー「月間の固定費」=「月間に必要なキャッシュ」
がはっきり見えてきました。
つまりこの状況が、どれだけ続くのかを恐れる前に
現在の「手元の資金残高」で、何か月続けられるのか?がわかります。
中小企業にとって(大企業も一緒ですが)この資金繰りの目安を
掌握することがもっとも重要なことです。

私はリーマンショックや東日本大震災の経験もあり
有事に備えて、まったく売上がなくなっても
約3か月分は、資金が底をつかないだけの資金余力を常に考えていました。
今回の場合は、少なくても弊社は
震災と違って売上が全くなくなったわけでなく、
イベント制作以外の分門の売上は、
多少のマイナスはあれども売上が維持できている部門もあり、
売上がゼロになったわけではありません。
事業の柱をいくつか作っておきことも、こうしたリスクに備える観点からも
重要なことだと改めて認識できました。
これにより窓口の込み合っている融資を急いで受けなくても
経営が維持できるという状況です。これは精神的も大きく救われています。
またこの資金状況は社員の給与にも大きく影響してきます。

社員の給与は「固定費」に他ならないので
固定費を抑えようとすると、給与の削減や
休業手当(法的には日割での60%以上)として策を講じることになりますが
これも手元資金の有無により、対応が変わってくることは明らかです。
弊社では今月4月に入ってからは、業務量を見定めて
この休業手当対応を徐々に始めました。
日割りの60%以上の給付ではなく、100%の保証し
社員の給与を減らすことなく、この一部を助成金で賄うこととしています。

政府や地方自治体も、助成金や有利な条件での融資に動き始めています。
だたこれに関しても慎重な判断や決心が必要です。
助成金は簡単に言うと返さなくていいお金ですが、
融資はいくら条件が良くても、いずれ返さなくてはならないお金です。
金利や返済の据え置きなどは無視しして簡単にして考えると
いま手元資金を調達するために5000万円借りたとします。
5年で返済するとして、毎年度の経常利益から1000万円ずつ返済に回すことになります。
事業の成長期には、もちろん運転資金の調達は重要なのですが
こうしたネガティブな局面のなかでの融資を受ける場合は
この毎年1000万円の成長見込みを作り出す必要があることを計画
覚悟をするべきです。

その計画のためにも、成長できる事業を見据え
いま売上が上がらないこの時期に、「何をすべきなのか?」は
「未来への投資時期」と考えるのが必要でではないかと強く思います。

現在の私個人や弊社の取り組みはまたの機会にご紹介したいと思います。

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