少年の国 第十話 運動会と李龍大
父が去った後、僕は毎日遅くまで朝鮮語の勉強をした。時々日本へ戻りたいと、ひっそり涙を流すこともあったが、そんなときはいつも母の「強くなれ」という言葉と、僕やハンメのために毎日真っ黒になって働いてくれている萬守叔父の姿を見て、「僕も負けずに頑張ろう」そう心を奮い立たせていた。
そして三年生になった頃、僕は周囲の人々の言葉がだいぶ理解できるようになっていた。 その日は、運動会だった。昼休みになると、みんなは家族と一緒に楽しそうにご飯を食べている。僕の家はみんな忙しくて来てはく