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冷やし中華問題

冷やし中華始まりました。

春が過ぎ、梅雨も間近になって、街なかでこの文字を見ることが増えてきた。
麺の上にたっぷりのきゅうりと、錦糸卵と、ハムと、トマトと後は好みの具材が色とりどりにドサッと乗って、冷たいタレがドバっとかかって、お皿の縁に辛子が洗い損ねた絵の具みたいに添えてある日本独自のあの料理。

無類の麺類好きの僕としては、これを食べて始めて夏が始まるというぐらい毎年必ず食べているメニューなのだけれど、食べるたびに毎回直面する問題がある。

それは、醤油ダレか胡麻ダレかの俗に言う冷やし中華問題である。

何故だろうか、世の中の冷やし中華はどこに行っても醤油ダレか胡麻ダレかの二択。
やや酸味を感じて、夏に欲しい爽やかさを口に広げ続けてくれる醤油ダレ。
麺に良く絡み、風味をググっと引き立ててくれる胡麻ダレ。
正直どちらも捨てがたい。

しかもだ、これだけ冷やし中華好きを公言しておきながら言うのも何だけれども、大体冷やし中華はどこで食べても量が多くて、正直途中で味に飽きる。
途中とちゅうに辛子で刺激を与えながら食べるけれど、いかんせん飽きる。
その”飽き”がきたタイミングでいつも頭をよぎるのが、やっぱり今日はあっちのタレにするべきだったかな。というタレの選択の後悔。

冷やし中華を食べるときにはどうしったって悩む。

しかし、そこに先日、近所の中華料理屋さんで革命的な冷やし中華に出会ってしまった。

何を隠そうそのメニューとは、棒々鶏のせ冷やし中華。

読んで字の如く、冷やし中華の上にバンバンジーをドサッと乗せたメニューなのだけれど、そう、勘のいい人は気がついてしまった通り、バンバンジーは蒸し鶏をたっぷりの胡麻ダレで和えた食べ物。

つまり、冷やし中華は醤油ダレ。上に乗ったバンバンジーで胡麻ダレの分をカバー。最初に一気に混ぜてしまわずに、胡麻ダレが欲しくなったときにバンバンジーを一緒に口に放り込むようにすれば、途端に醤油ダレ味の冷やし中華が胡麻ダレ味に大変身というスグレモノ。何なら追加で、欲しかったタンパク質までついてきちゃう。

これにて冷やし中華問題は一件落着。

この長年の悩みを解決する革命的な食べ物への出会いのあまりの嬉しさに、ちょっと勢い余って。

軽い文章始めました。

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