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カフェストーリー・マレーシア編〜ごちゃ混ぜだけどなんか心地良い、Kopitiamを楽しむ

7月の東南アジア旅行は、主に目的地がマレーシア・ペナン島のジョージタウンだった。

トランジットのシンガポールでも、ホーカーの朝ご飯を体験したのだが、マレーシアでは計5泊(ジョージタウンには3泊)するので、何度も朝ご飯やカフェを楽しむことができる。

ジョージタウンに到着した翌朝、ホテルの近くで朝食が食べられる店を物色。すると、なんともレトロな趣の飲食店(?)が見つかった。

"Seng Thor Coffee Shop"は、ジョージタウンの観光地区からすぐの場所にある、比較的見つけやすい飲食店だ。「&HOTEL」と書かれているが、今は旅館は営業していないようだ。漢字の名前は「成都旅社」。うーん、やっぱり昔はここや街中の安宿だったのかもしれない。

店の看板には「檳城白咖啡」の文字が。マレーシア北部の華人街で生まれた「白咖啡(=ホワイトコーヒー)」は、日本や台湾で見るようなブラックコーヒーやブレンドコーヒーではなく、コーヒーを焙煎するときにマーガリンを加えるというちょっと変わったコーヒーなのだ。クアラルンプールやシンガポールの空港などで、めちゃくちゃ甘いコーヒーを飲んだこともある人もいるかもしれない。

檳城白咖啡の文字が見える

朝8時くらいにお店に行ったのだが、すでに店内の席もオープンテラス席もかなり埋まっていた。見た感じ、地元の人ばかりでなく、明らかに観光客とわかるグループも多い。

オープンテラス席もある

いよいよ、注文した品が出てきた。

カヤトースト(トーストにココナッツミルクなどが原料のカヤジャムを塗った甘いトースト)、ホワイトコーヒー、そして半熟のゆで卵だ。ちょっとジャンキーな風情もただようが、朝の目覚めには悪くないメニューだと思う。

ちなみに、カヤトーストはマレーシアやシンガポールでは朝食の定番のようで、この後も、あちこちの朝ご飯店でカヤトーストを見かけることになる。

トースト、コーヒー、半熟卵の黄金トリオ

ところがだ。観光客と思しき華人のお客さんたちは、カヤトーストよりも何やら麵を頼んでいる人が多い。朝から麵料理を食べるなんてヘビーだなあ、と思っていると、実は華人系の茶室(朝ご飯を中心とした気軽な飲食店)では、多様な麵料理が提供されているようなのだ。

朝から麺をがっつく華人系の観光客

店内のメニュー写真を見ても、どれもおいしそう。値段も手ごろで懐の淋しい観光客にはうれしいプライスだ。最近では、世界各地で物価高が叫ばれ、円安も影響して海外旅行へ行く人が減っているそうだが、ことペナン島に関しては、日本から来ても、台湾から来ても割安感を楽しむことができる。

特に、旧市街の古い店は、おしゃれなメニューがない代わりに、安いローカル料理がたくさん用意されており、リーズナブルなB級グルメツアーを楽しむことができるだろう。観光客が多く来ると思われる店でも、いわゆる「観光地価格」のようにぼったくる印象も少ない。

こだわりカフェが好きな方には物足りない気もするが、こんな気さくな「茶室」もたまには良いかも。

【店舗情報】
「Seng Thor Coffee Shop(成都茶室)」
住所:160, Lebuh Carnarvon, George Town, Pulau Pinang, Malaysia
営業時間:7:00~16:00(水曜定休)

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