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教育虐待のTVインタビューに準備した回答

広島ホームテレビのピタニューというニュース番組のオンラインインタビューの収録がありました。11/1(水)17:00〜25分枠で広島で放映され、
その後もしばらく、youtube で公開されるそうです。広島以外の方には、そのときにまた情報をアップしますので、見ていただけると嬉しいです。

テーマは「教育虐待」ですが、エデュケーショナル・マルトリートメントの概念にまで触れてくださいました。

教育虐待 は、話題になりやすいとっかかりのテーマ。

最近は、あちこちの取材で、「エデュケーショナルマルトリートメント」や、さらに「社会的マルトリートメント」まで話を広げていいですか~と聞いて、そこまで話しています。「キーワード」や「概念」があることの大切さを痛感します。

さて、こういう文章を次々と書いていますが、すでに教育虐待のことを知っているよ~という方には、私の説明も少しずつわかりやすくなってきていると思うので、その説明を、みなさんが今度は誰かに説明するときに使ってほしいんです(と、武田信子が言っていた、とか、引用、とか付け加えてくださいね)。

私一人だけでは、この概念を広げていくのに限界があるから、
みんなで同時多発的にあちこちで、
価値観を変えていくアクションを展開してほしいのです。

そして、もっと分かりやすい説明の仕方を思いついた!という方は、
ぜひ私にもみんなにも教えてください。

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インタビューに備えて用意した原稿の中で、これまであまり言語化してこなかったこと、こういう表現はしてこなかったなということを取り上げて、こちらにアップしておきます。実際には、この原稿の通りには話していないので、ここに残しておく次第です。

Q 教育虐待が起こってしまう背景は?
 他の人よりも、経済的に裕福でステータスの高い位置にいくことに価値があるという価値観。
 そこそこに食べていけてみんなと仲良く暮らせればいいというような価値観もあるけれど、それでは甘い。上に行かなければと思ってしまう心の動き 
 が、日本人の中にあることでしょう。
 幼少期から、学校内外で、競争、比較、評価をすることがあたりまえになっているので、育ちの責任が育てた者(親や教師といった大人)に行ってしまい。育てる人にプレッシャーがかかっている状態です。 

Q 中学受験と教育虐待の関係性は?
 中学受験は、子どもがまだ小さいので、経済的にも生活能力の上でも親に依存していて、価値基準についても親から離れられない時期に、NOが言えない状態で、競争が強いられるできごとです。反抗できたり、別の価値観に触れて逃げられる環境があったりすればまだいいのですが、核家族で逃げ場がない中でNOが言えない、NOを言うことで親の愛情を否定することになってしまうという罠のような状態で、子どもにとって辛い状況です。

Q教育虐待をしてしまわないために、どのようなことを気を付ければ良いですか?
 日頃から、子どもが自分の顔色をうかがって忖度しなくていいように、お互いに対話できるデモクラティックな関係を作っておくことが必要です。こ
れについては、こちらの本がいいですね。

Q 親は子に「あれもこれも出来るようになって欲しい」と期待しがちですが、どこまで期待して良いのでしょうか?
 心の中で期待するのはいいとしても、それを子どもに押し付けて実現を迫ったら、子どもは理不尽に追い詰められます。
 それはつまりこういうことです。
 パートナーに「福山雅治」になってほしい「木村拓哉」が理想だと期待するのはいいけれど、「福山雅治」になるための努力を強いて、それができないからと言って怒ったり、叩いたり蹴ったりするのも、夫が行きたくないというのに、費用を出すからと勝手に高額の会費を払って、毎日ジムに付き添って通わせたり筋トレさせたりするのもおかしいですよね(夫にそこまで期待する人はほぼいないのだけれど、子どもには同様のことを当たり前のように期待するのですよね)。愛する妻(母)の期待であり、愛情であっても、夫(子ども)はそれに応えられないわけで、自分を否定されているようで、悲しいし悔しいし、自己肯定感が爆下がりしてしまうでしょう。

Q教育虐待を受けた子はどうなりますか? 
 結果的に成功すると、強制したことに感謝されることはありますが、精神的に病んでしまうほどまでに追いつめることで、相手はずっと心の奥底に不安を抱えてしまい、辛い人生になる可能性があります。物事がうまく行かないときにうつ状態になりやすかったり、成功しない、完璧でないと自分を責めて、いつも上を目指して苦しんでいる人になりやすいでしょう。
 一方で結果的に成功できないと、ずっとそのために自己肯定感が低くなったり、いじけるというかおどおどするというか、そもそも何事にも自信をもってチャレンジすることが難しくなります。また、自分が大人になったときにリベンジしようとして、次の虐待を生む可能性もあります。



※ カバー写真は、室伏淳史さんに提供していただきました。

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