人物図書館〜ひとがつながる学校 【週刊新陽 #58】
GW明けの今週、新陽高校にいつも以上にたくさんの人が来校してくださいました。
というわけで今回の『週刊新陽』は、(いつもは水曜日〆で木曜に公開しているのですが)対象期間をちょっと延ばし、金曜までの出来事をまとめてレポートいたします!
5/11 校舎キャンパス整備オープンセッション
現在の校舎は老朽化が進み、旧来型の教育に合わせた教室やスペースが多く、新陽が目指すビジョン『人物多様性』を実践していくのに充分とは言えない環境であることは否めません。
昨年度のオープンスクールでも、在校生プレゼンで「新陽の良いところは人。一方、悪いところは校舎がボロいところです!」と言われ、校長としても申し訳ない気持ちです・・・。
そこで、新陽ビジョン2030のアクションプランの中にもあるとおり、多様性を重んじる教育にふさわしい校舎・キャンパスを整備していく予定です。
多様な外部と協働しながら、安全で創造的な学習の場や地域ともっとつながる校舎や体育館を作っていくためにはどうしたらいいか、まちづくりコーディネーターで絵師としても活動する林匡宏さんに相談したところ、「オープンセッションをやってみませんか」と提案いただきました。
オープンセッションとは、様々なステークホルダーが対話しながら、みんなの想いを形にする場のこと。
5月11日(水)の夕方、林さんがファシリテーターとしてみんなの想いを聴きながらライブドローイングしていくという独特のスタイルで、オープンセッションが開催されました。
参加者は、新陽の生徒7名と教職員5名、澄川や真駒内を中心に札幌市にゆかりのある様々な立場や職業の皆さま、そして校舎整備計画にボランティアで関わってくださっている東北大学建築空間学研究室の大学院生やPwC(私が以前勤めていた会社)のメンバーなど、総勢29名!!!
専門分野や業種・職種も多様の方々が集まってくださったおかげで、体育館の使い方・学校図書館のあり方・フレキシブルな教室・学校マルシェやカフェ・シェア工房・展望台・アウトドア活動などなど、アイデアがどんどん出てきました。
ちなみにここに参加した生徒たちは、今年度から始まった生徒ワーキンググループ(WG)の中の校舎キャンパスWGに自ら立候補してくれた子たちです。「建築家になりたい」「地域社会とつながる芸術系に進学したい」という夢や進路に結びつけようとする生徒や、「様々な人と出会いたい」「学校に貢献したい」「グループワークが苦手な自分を克服したい」など、参加動機は様々。
セッションは校舎や教室の話にとどまらず、学校を地域社会に開く話に展開していき、隣の駅前開発の計画や近隣の施設や公立高校の今後の予定を聞きながら、いろいろとコラボできそうな予感も。とにかくワクワクする2時間でした!
最後のほうには、札幌市図書・情報館の初代館長の淺野隆夫さんが「建物や場所の話をしてきたけど、結局は『人と人がつながる。動く。』ってことですね。」とおっしゃったり、WESSの村田雅宏さん(NoMapsの企画も担当)が「たとえば僕が、授業や生徒さんの活動に貸し出される『人の図書館』みたいなのはどう?」と提案くださって、『人物多様性』というビジョンを体現する『人物図書館』というコンセプトが生まれました。
新陽はこれからの高校教育を牽引するファーストペンギンのつもりで新しい学校モデルにおける空間の在り方を模索していきますので、ぜひ多くの方に関わっていただき、応援していただけると嬉しいです。
〜寄付によるご支援も宜しくお願いします〜
https://sapporoshinyo-h.ed.jp/support/
5/12 PTA総会
新陽にもPTA組織があり、「保護者と教師が協力して物心両面から学校教育の充実をはかる」ことを目的に、様々な活動が行われています。
5月12日(木)は年に一度のPTA総会が開かれました。昨年度、一昨年度は完全オンラインで行ったのですが、今年は来校とご自宅等からのオンラインと参加方法を選んでいただけるように、ハイブリッド型にしました。
保護者の皆さんもお忙しい中、平日夜に集まっていただくので、リモートでも参加できるのは良いなと思っています。一方、対面で参加してくださった保護者で「学校に来ると、学校の様子や生徒の雰囲気がわかるので安心します。」とおっしゃっていた方もいて、来校していただけて良かったな、と。
生徒にとって一番身近な社会人である保護者の多様性を活かしたPTA活動ができるように、保護者の皆さんがそれぞれ関わりやすい形が取れたらと思っています。
5/13 澄川&新陽のための対話の場『S・サミット』
今年、創立65周年を迎える新陽は、札幌市南区澄川地区にある唯一の高校です。
新陽ビジョン2030の具現化について考えたとき、「地域とともにあり、地域の方々に支えられてきた新陽が、地域のためにできることはなんだろう?」という問いが先生たちから生まれました。
特に、昨年度まで探究コースを担当し今年度は単位制のメンターを務める理科の川崎淳一先生は、自身で研究を進めるほど澄川という地域に関心を持っています。
学びの場を地域の方々と共有し一緒に未来を考えるために、川崎先生が考えたのが『新陽まなびの連携バンク』という制度。一言でいうと「つながりの見える化」だそうです。
3月から説明会等を行い、地域の方々から「自分はこんなことで繋がりたい」というお声を聞き、この度、郷土学習のサポーター・教科学習のフォロワー・部活動等の課外活動のサポーターなど、31名がバンクに登録くださることになりました!
5月13日(金)は『新陽まなびの連携バンク登録証授与式』。認定証の授与とともに、あらためて協働をお願いしました。
授与式の後は『S・サミット』を開催。連携バンクの立ち上げに合わせて始まった企画で、新陽や澄川地区に係る人たちが集まり対話する場です。
第1回となった今回は、連携バンクに登録くださった方に、在校生や卒業生、教員も加わり、
「身だしなみ規定を無くした新陽高校、生徒・保護者・教員・地域が感じるリアル」
というテーマで対話し、大いに盛り上がりました。(もちろん私も参加させてもらいました!)
ネガティブな意見は意外と少なく、ポジティブな意見や「社会の当たり前」という話が地域の方々や保護者から出たことで、生徒や教員があらためて「学校の当たり前」を考える機会になりました。
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