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出会いと原体験を積み重ねる3年間 【週刊新陽 #37】

今年は初雪も遅く、なかなか雪の季節が到来しませんでしたが、いよいよ・・・という感じの新陽高校です。

日曜日の深夜から降り始めた雪は街を真っ白に染め、月曜朝には校庭の景色も一変!キタキツネが元気に駆け回ってました。(トップ画像の中にもキツネがいます。見つけられましたか?)

さて、先週の週刊新陽で生徒たちの多様な進路について書きましたが、今週は、そのきっかけにもなっている多様な『出会いと原体験』にまつわる出来事を2つ紹介させていただきたいと思います。

探究基礎ゼミ成果報告会

新陽高校の総合コースには、『探究基礎』という学校オリジナルの授業があります。

「課題設定」「情報収集」「整理分析」「プレゼンテーション」という探究のサイクルを回すなかで、自分で選んだテーマを究めるゼミ形式の授業です。

受け持つ先生の得意ジャンルや興味関心によって毎年少しずつ変わるのですが、今年は、
・アイヌ文化研探究
・地域創造未来探究ゼミ
・簿記ゼミ
・ちぼもびゼミ
・e-sports研究ゼミ
・アウトドアゼミ

の6つのゼミが開講されました。
(※ちぼもびとは、イタリア語で「食事」を意味するcibo(チボ)と「動き」を意味するmobiment(モビメント)を合わせたものだそうです。)

そして12月14日(火)には、新陽の総合コース3年生が8ヶ月取り組んだ学びの集大成として成果発表会を実施。

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場所は札幌大学のプレアホール。つい先日完成したばかりの新棟にある立派な会場をお借りして、まるでどこかの学会か国際会議のような雰囲気の中、140名の3年生が集まり代表者がプレゼンしました。

それぞれのテーマに基づいて教科の枠を超え、体験や実践など特色ある活動を通して学んだ成果を発表する姿はイキイキとしていて、そしてとても頼もしく見えました。

画像やアニメーションを上手に使ったり、クイズを取り入れて会場を巻き込んだプレゼンだったり、魅せる表現力もなかなかのものです。

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さて、1つのゼミの発表が終わると、生徒は一斉に自分のパソコンからアンケートフォームへの書き込みを始めます。
「スライドデザイン」「トーク内容」「発表態度」「よかったところ」「改善できるところ」など、5段階評価と自由記述でフィードバックを送るのです。そしてこの回答はリアルタイムで集計され、発表会の最中に公開されました。

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今回の発表会のもう一つの特徴は、有志生徒が企画運営を行ったこと。

事前打ち合わせやプログラムの作成、当日の司会進行や案内、評価方法作成および集計など、この集大成の場を生徒も一緒になって作りあげました。

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ちなみに各ゼミでの活動の中にも、生徒が企画したり、生徒からの提案で実施に至るものがあるようです。複数あるゼミから自分で選んで参加しているので、他の授業に比べて当事者意識が高まるのかもしれません。

また、先生と生徒の距離が近くなるのもゼミ形式ならでは。この日も、休憩時間に先生のところに集まってきておしゃべりする生徒たちがいました。

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発表会には、札幌大学の大森学長も聴きに来てくださいました。

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講評をいただき、新陽生のICTスキルの高さやユーモアも交える表現力、協働的に学ぶコミュニケーション力を褒めてくださいました。「社会人基礎力が育まれる活動をしていますね」とのお墨付きをいただけたのは、生徒たちの自信にもなったと思います。

大森学長、お忙しいなか本当にありがとうございました!

素敵な大人に会えるキャリアガイダンス

総合コース3年生の成果発表と同じ日、校内では探究コース3学年全員を対象にしたキャリアガイダンスが行われました。

これは今年3年目となる企画で、「生きたいように生きる」という探究コースの教育目標に基づき、生きたいように生きて各界で活躍されている方々から「生き方」や「働き方」を直接学ぶ機会となっています。

今回来てくださった素敵な大人たちがこちら。

Smirule/スマイルール代表 山口友里 様
有限会社エアーダイブ代表取締役 田中宏明 様
AIR-G' エフエム北海道 パーソナリティー 森本優 様
紅櫻珈琲焙煎士 佐藤満敬 様
日本工学院専門学校 声優・演劇科長 吉村智樹 様
PwCコンサルティング 有澤卓 様、上田陵介 様、菊池瑛梨世 様、林真依 様
札幌新陽高校教頭 曹洞宗禅林寺徒弟 宮原祐輔

講師それぞれのライフストーリーや信念、アドバイスなど深イイお話をいただき、生徒たちの聴く姿は真剣そのもの。

ある部屋では「次、なにか別の仕事に就くとしたら何をしたいですか」や「体験と経験の違いはなんですか」という問いが生徒から投げられていました。皆さんならどう答えますか?

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このガイダンスの特徴は、生徒が話を聞くだけでなく能動的に参加するところにもあります。今回も、校内ラジオに挑戦する生徒や、座禅など、実際に体験できる場がいろいろあったようです。(ちなみにこのお坊さんは新陽の教頭先生です!)

放課後の交流会ではどの講師も生徒に囲まれ、和やかに談笑したり、熱心にキャリア相談に乗ってくださって、いつまでも話が尽きない様子でした。

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『出会いと原体験』の先にあるもの

つい先日、「人生100年時代をどう歩むか」について、ある経営者の方と対話する機会がありました。

今、かつてないほど変化が早く激しく先が不確定な時代と言われ、人生を不安に思う人もいるようです。私自身は、人生100年時代に対してポジティブでもネガティブでもないのですが、この対話の中で、「新陽の生徒たちにとって人生100年という予測はどういう意味を持つのだろうか」と、人生100年における高校3年間の意義を考えるようになりました。

3/100(3%)と数字だけ見ればそれは僅かなのかもしれませんが、その3年間をどう過ごすかでその先の何十年の人生が変わる可能性がある、それが15歳〜18歳という3年なのではないか、と。

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そして、人生が変わる時には大抵『人との出会い』があると思いませんか?

私はこれまで、誰かとの出会いによって人生が大きく変わってきました。だからこの3年で誰と出会うかは、生徒たちの人生に大きく影響するだろうと思っています。

一緒に挑戦する仲間たち。
一歩踏み出す勇気を後押ししてくれる先生たち。
新しい世界を見せてくれる先生以外の大人たち。

新陽には、多様な人たちとの『出会いと原体験』が溢れています。特に、先生以外の大人たちと触れ合う機会が、一般の高校に比べて多いような気がします。

それは、生徒の挑戦を本気で応援しようとする先生たちのアイデアとコーディネートの賜物であり、同時に教員自身が『出会いと原体験』を楽しんでいるからではないかと思います。

【編集後記】
東京では大雪が降ってもその翌日、少なくとも数日内に雪は解けてなくなってしまいます。一方、北海道では、本格的な雪のシーズンになると雪が消えることはありません。この、雪が春先まで消えずに積もったままの状態を「根雪」と言います。ちなみに気象用語では「長期積雪」だそうですが、「根雪」のほうが何となく風情があるしイメージが湧きますよね。
いよいよ根雪のはじまり。初の冬超え対策は完璧です(たぶん・・・)。

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