がんをやっつけろ!第8話「出所後の生活」
全5回のおつとめを終えて娑婆へ
今から約2ヶ月前の8月6日(日)にすべてのおつとめを終え、娑婆に戻ってきた。
それではまず約4ヶ月の(特に顔の)変化を確認してみよう!
まるで堅気の人間がその道に踏み込んだかのような変化であるw
さて、そして翌日7日(月)から生活の拠点を実家の千葉県に移す。なんやかんや食事が大変なので、この際、母親に頼ろうと思ったことが主な理由だ。なのでお誘いいただいた芝居に行けなかったりしたのはこのことが大きい。ごめんなさい。
それでは改めて退院後の容態についていくつか記しておこうと思う。
食事について
前回の日記で「ドクターストップな食べ物はないが食べづらいものはある」と書いた。食べづらいもの、それはズバリ「麺、パン、芋、肉」だ。とにかく例のリングに詰まる。そう言うと「呼吸は大丈夫なんですか?」と聞かれるが、気道じゃないのでそういうことはない。つまり「餅を喉に詰まらせる」こととは根本的に意味が違う。あくまで喉と胃を繋ぐリングに詰まるだけなので、症状としては「吐きたい」一択だ。
じゃあ「麺、パン、芋、肉」以外は問題ないかというと、まあ問題ないのだが、すぐ詰まるのでとにかく油断できない。どんな食べ物も小さく噛みちぎってひたすら咀嚼して飲み込まなければならない。細かく細かく食べるので、時々、自分がリスになった気分になる。あ、いやカピバラか。大きさ186cmの。(カピバラ可愛い❤️)
そして量が食べられない。以前の1/3が限界。おにぎり1個とおかず1品でお腹一杯、あ、いや胸一杯になる。胸一杯というのは文字通りそうで、食道を切除して胃を喉まで持ち上げているので、胃が胸のところ、つまり肋骨の下にあるため膨らまない、っていうか膨らめない。肋骨に当たって。だから少しの量で胸が一杯になるという。物理的に。センチメンタルな気分とはまったく無関係に。
医者からは「痩せるよ」と言われていたが、なるほど、4月の入院前からすると15Kg痩せた。久しぶりに会った人に「小顔になった」と言われる。やったー!www
俺の居場所がすぐわかるらしい
これはスーパー銭湯に行った時の父親の言葉。というのも咳が止まらないのだ。ひたすら空咳をしている。
最初、気管支炎か何かだと思って、内科を受診、薬をもらうも一向に良くならない。そしたらある日、手術を担当した食道外科の先生から直電あり、「内科を受診しても意味ないよ」と言われる。実は咳の原因が手術の影響かもしれないと思って、近くの(千葉の)病院ではなく、入院した(東京の)病院まで行って受診していたので、そのカルテを見た食道外科の先生がわざわざ電話してきてくれたのだ。
曰く「食道を取った時に神経も切れてるからそれが正常に繋がるまで咳は続く」らしいのだ。おそらく自律神経が正常に働かない影響で、気温の変化に身体が対応できず、咳が止まらなくなっているのではないかと思われる。あくまで素人考えだが。
そう考えると、人間の身体に自然に備わっている体温調整機能に感心する。気温が変わろうと体温は一定に保つよう、自動調整機能が働いているのだ。人間は。つまりはその機能が働かないから呼吸器官が違和感を感じ、咳が出るという。あくまで素人考えだが。
その不調は急激な温度変化が原因かも?
そして神経は切れたとしても3ヶ月くらいで修復するものらしい。
ということで退院後に1番辛いことと言えばこの「咳が止まらない」ことだ。とにかく落ち着かない。
酒は問題なし
とはいえ、量が飲めない。っていうか、そもそも水をごくごく勢いよく飲むことができない。これを説明するのは難しいのだが、食道がない(胃に通す働きがない)ので自然に落ちるまで待つしかないっていうか、洗面所で水を流した時、排水溝に一時的に水が溜まる感じと同じじゃないかと想像する。
なのでいわゆるビールをプファーッて感じで喉越しを味わうことができなくなった。つまりビールもチビチビ飲んでいるってことだw
結果、ビールコップ1杯で酔ってしまうというとても効率的な身体になった。
クスリ漬け
抗がん剤投与時から比べると量はかなり減ったが、それでも食事前後のクスリは欠かせない。
毎食前に2種類、毎食後に1種類、毎朝2種類なので、1日11錠もクスリを飲んでいる計算。とにかく面倒くさい。
改めて手術痕を
毎度毎度、汚い身体ですいません。入院中貼ってあったガーゼやらテープやらで肌が荒れて荒れて・・・苦笑
入浴時、手術痕をタオルでゴシゴシするなと言われてるので、その部分は泡を付けた手で優しくなでている。それもまた面倒くさい。
まあ元気ですよ
ということでまとめると手術は大成功ではないかと。食事の時間が若干憂鬱であることと咳が止まらないこと以外はいたって元気だから。決して寝たきりにはなってないのでどうぞご心配なく。
とはいえ、実は切除した食道からリンパに転移していたことが判明したので、引き続き、これからもあと1年間、治療を続けなきゃいけなくなったのだが・・・涙
まあそれは次の話で。あ、でも、どちらかというとそれは予防医療になるので、今までのような身体に負担が掛かるような治療ではないのでご心配なく。ってまた誰に言ってるかわからんが。もちろん、これを読んでるあなたに、のつもり。
残り2話でこのシリーズはいったん終わりにする予定。とにもかくにもここまで読んでいただき、超超感謝!ありがとう~~!!!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?