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ガラス作家 時澤真美さん ロングインタビュー。

こんにちは、のぶちかです!

さて今回は6月27日22時(実は今日…汗)から時澤真美作品をオンラインにて販売しますので、その前に予習も含めて時澤さんとのロングインタビューを文字起こししました。

時澤さんのこれまでの背景を知ると作品の見え方にも深みが出てきて楽しいので、ぜひ御一読下さいませ~👀

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インタビューダイジェスト

「(文章)長いのイヤ~泣!」という方はこちらをお楽しみください(笑)。

●虹の街「滋賀県」で見かける虹や琵琶湖の水辺などの自然風景が、創作意欲の源泉。

●白やクリアは落ち着くから好き。一方で、それらばかりを作っていると色の付いたものも作りたくなる。

●幼少期より何も無いところから想像力を形にする事が好きだった。「無いものは創る」主義。小説や絵をよく書(描)いていた。

●美術系の高校に進学し油絵に触れる。その時に創作に関しては2次元よりも3次元の世界に興味が芽生え、「重ねる」的な表現をしてみたいと思った時にガラスを意識し始め、ガラスが学べる大学へ進学。

●プロトタイプ的な役割としてのデッサンなど、絵が描ける事が強みである一方で、それは立体(造形)の事を昔から学んでこなかった事だと認識。それにより何も考えずにガラスをやるとちょっとやぼったくなる気がし、それを防ぎ且つブラッシュアップする為にも制作前にデッサンを行っている。

●透明なものは写り込みがある為、自分の意図を超えた先までガラスが起こしてくれたりするのは(ガラスの)面白さ。絵の様に紙上で終わらない点がガラスの良さ。紙上で終わるものは紙上で完結しているので、その先があるガラスにいつも驚かされている。

●表現上で大事にしている事
①ガラスの「はかなさ」。「割れる」事は逆に「愛しさ」でもある。時間と手間を掛けて作る分、普段使いと特別な時との中間ぐらいの立ち位置として使って頂きたい。「はかなさ」。「割れる」事は逆に「愛しさ」でもある。時間と手間を掛けて作る分、普段使いと特別な時との中間ぐらいの立ち位置として使って頂きたい。

②ガラスは「記憶」する物質。熱い状態のガラスは触れば触っただけ跡が付き、それをガラスが覚えてしまう。その性質の面白さを活かした制作をしたい。



インタビュー本編

のぶちか
えー時澤さんの作品は最初ネットで拝見していたんですけど、それからお話しさせていただいてお取引になってお会いすることがないまま作品のやりとりが始まったんですけど、例えばこういう「光の痕跡」シリーズなんですけど

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意外とガラスって派手にバーンと「これでもか」と他色を使って技巧を凝らしてやっている人が多い中で、こーゆー静かなアプローチって言うのかなぁ、しかもこれ今(「光の痕跡」を持って)、光がちょっと横から入ってますけど、光が入ってない時だと分からない、だけど光が入る事によってそういう表現が隠れてたって言うかそこら辺の静けさというか、

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でも主張というのがもうビンビンきて、もうすごい方だなぁと僕は思ったんですよ。

時澤
いやとんでもないです。そうですね、やってる事は全面削ってとかすごいゴリゴリした事をやっているので、最終的な印象が「静か」って嬉しいですねぇ、すごい。

のぶちか
(話が変わって)
滋賀県は「虹の街」なんでしたっけ?

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時澤
そうですね、そう言われてて、日常的にまぁ萩も凄い海が近くて水がすごい近いんですけど、私が住んでいる所も滋賀県全体でいつも琵琶湖っていうものを見る機会があるので、その水辺であったりとか、やっぱり虹も凄い見る機会が多いので、そういうものに触れて創作意欲が湧くじゃないですけど、ちょっと影響されてる部分が多いかなぁと言う感じですね。

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のぶちか
身近にある自然風景とかそういうものが創作のきっかけになっているという事ですねぇ。虹はまぁそういうアプローチで、虹を除くとアクセサリーもありますけど、割と白とか透明とかっていう表現が凄く強いというかお好きなのかなぁと思って。

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時澤
そうですね、白色がやっぱりすごく好きでなんか落ち着くというか。あんまり自分の家でも持ち物でもあんまり色のついたものとか黄色とかを周りに置いていなくて、それは落ち着かないからなんですけど、なんかそういうとこが影響するしている気がしますけどでも白とかクリアなものを作っていると、なんか逆にそういう虹色じゃないですけど色が入っているものを作ってみたくなっちゃったりして、まぁなんかバランスだなぁという感じはするんですけど。

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のぶちか
なるほど、あーでもなんか分かる気がするなぁ。なんか両方あるといいですよね。相乗効果じゃないけど。JIBITAも(内装が)全面白いんですけどたまに暗い色に全部変えたいなぁと思う時もあったりするんですけど(笑)。なんかあと(自分が)作家じゃないんで同じ作家にそこを求めなくても白とかモノトーンとかそういう感じのものをばーっと展示した時に違う色も展示してみたいなぁという時は、別の作家さんの作品を展示するっていう表現もできるけど、そこら辺を(時澤さんが)御自身の中で上手にコントロールされてるって言うか。

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時澤
うーん、コントロールしてるつもりはないですけど、(例えば)この光の痕跡だったらそれだけを作っていく作家さんももちろんいらっしゃるし、それがいいなと思う時もあるんですけど、私の性格でいろんなことがやりたくなっちゃったりとかするので自然とそういう風になりますねぇ。

のぶちか
創作に関しては何かちっちゃい時からそういうクリエイトするというのは好きだったんですか?

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時澤
そうですねぇ、別に親がそういう(アーティスト的な)人っていうわけじゃないですけど、そんなにあの裕福な家庭(というよりは)普通のおうちだったので、まぁなんか無いならないで自分で作ろうかとかそういう発想はあったかなぁと思ってて。まぁでもちょっと割とそうですね小説書いたりとか絵描いたりとかの方が最初はやっぱり興味があって。

のぶちか
文章と平面(絵画)?

時澤
う〜ん、文章はまぁなんか下手なレベルで好きだったんですけど、絵もそうですけど、何か何もないところからワーっと想像力を形にできるみたいな感じはすごい好きだったというか、何も無いなりに想像力だけで補える遊びじゃないけど、で多分楽しかったんだと思うんですけど。

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のぶちか
「無いから作ろう」みたいな。
へーそうか あー、関係ないけど血液型がB型で僕と一緒なんですよね。 何か無いから作るって言う感覚なんかすごいわかるんだよなぁ。

時澤
なんかすごい画材とかを買い与えられてるわけじゃないから、なんか余計にそういう発想というか、それが自然というかそれが別に不満でやってたわけじゃなくて。

のぶちか
うんうん、1番理想的な状態ですよねぇ(両者 笑)!

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時澤
今思えばですけどねぇ(笑)。

のぶちか
で高校は普通の?

時澤
いや高校が美術の学校で中学までは普通でしたけど。

のぶちか
そして高校で油絵を?

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時澤
はい。

のぶちか
もう1年生からいきなり油絵に入るんですか?

時澤
そうですね。

のぶちか
へー!

時澤
変わった学校ですよね(笑)。

のぶちか
すごいなぁ! 高校っていう縛りだとあんまり…

時澤
だから昼までは普通の高校の授業をして、昼からはそれぞれのタイプのことをして絵を描いたりとか陶芸したり、そんな学校だったので。うーん、変わってますよねぇ。

のぶちか
へーそっかぁ。油絵(の授業)は何か模写というか色々やるんですか?

時澤
模写はしなかったなぁ。普通に絵描いてましたねぇ。

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のぶちか
へー、で大学はどちらでどちらでしたっけ?

時澤
愛知教育大学ってとこですね。

のぶちか
専攻がどちらでしたっけ?

時澤
はい、あの教育大学なので基本は教免を取る大学なんですけどそれとは別に造形文化コースっていうちょっと「はみ出し者」って言ったらアレなんですけど(笑)、ちょっと別の枠でコースがあって、そこも高校と同じようにガラスだったり陶芸だったり金属だったり織りだったりと言うのを選べるんですけど、まぁ本格的にそれを選んでや専攻に入るのは3年からなんですけど、まぁ1 、2年のうちからちょっとずつ触れてみたいな感じで。

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のぶちか
なるほど、じゃぁまぁそこでガラスを選んで。 なんか文章にしても油(絵)にしても平面じゃないですか?そこで立体に入っていきたいな、っていう気持ちが切り替わったきっかけとかって何かあるんですか?

時澤
それはもう本当に大学はもうガラスがやりたくて選んだので、大学に入る前なんですけど…。きっかけはなんだろうなぁ。きっかけはやっぱり高校で油絵を描きながらやっぱり二次元だったので私が選んだのはどうしても、そこで何かこう表現というか自分の創作と向き合う時に、何かをもうちょっと3Dみたいな事がしたいなぁとか、ちょっとこう「重ねる」みたいな表現がしたいなぁと思った時にガラスってどうなのかな?っていうのを頭の片隅に思ってきたことが最初です。

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のぶちか
へー!今お聞きしながら思ったんですけど、油(絵)って何て言うのかな、日本画だとか水彩と比べて塗料自体に立体感出せるじゃないですか。モリモリ~!って厚くする事もできるし、まぁそうしないタッチの絵もあるけど結構なんていうのかなぁ、技法的に油絵の具を厚塗りする事で表現に奥行きを出すっていうのは意図的にある作業なのかなぁと、勝手に今想像してお話ししているんですけど。なんかそういうアプローチもありました?(これまでの)作品に?

時澤
最後の高校の時に描いた作品は結構盛ってましたね(笑)。

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のぶちか
あーなるほど!なんかもしかしたらその「盛り描き」(笑)!「盛り描き」なんて多分言わないですけど(笑)、そういうアプローチってなんかここに高さ出すと、なんかちょっとこう絵なのに立体感出るやん、みたいな、そこら辺からじゃあこれ完全な立体に入っていったらもっと表現てあれ(時澤さん自身が本来したい表現に)なるのかなあ、とかって思われたりしたのかなあって勝手に(想像して)。

時澤
うーん、なんか描いててすごい歯がゆいというか、歯がゆさをすごい感じてて、なんかその時は分かんなかったんですけど、その立体を触る事でそれがすごい気持ちのモヤモヤがすごくスッと晴れたんですよね、その後に。だからそこが何かうまく言えないですけど、、、 。

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のぶちか
あー、まぁはっきりとした動機は分かんないけど、あるきっかけで立体に触れた時に「こっちかも」みたいなのを思われたって事ですかねぇ。
なんとなくその、1回平面(油絵)をやられた事っていうのは今の作品に対してすごく影響があるんじゃないかなと思っていて、要はあのいきなり立体に入った人よりも表現に引き出しが増えるというか、その辺っていうのは御自身ではどのように思われてますか?

時澤
そうですねぇ、あの単純に例えば誰かから注文の何かを作って欲しいって言われてサラっと描いて提案できるっていうのはかなりの強みだと思うので、そういうその自分で描いた図面でそれを立体に起こせると言うのはかなり自分にとっても他人にとっても手段として分かりやすいかなぁと。

時澤真美 a bottle レシピ

☝時澤さん直筆の「a bottle」制作フロー

のぶちか
そっかぁ、なるほど。

時澤
まぁ、(富山) ガラス工房のスタッフとして働いてたりもしたので、例えば「何か提案してよ」って「ここにオブジェで何万円で」とかって言われた時に、やっぱりその画力があるっていうのは結構強みですよねぇ。っていうのは単純にあるんですけど。
でもまぁ何か自分で作りたいと思った時に紙の上でいろいろ試せるというか、考えられると言うのはやっぱり、あるかなぁ。

のぶちか
じゃぁ直接的にその絵を描いた事が制作に対してという事よりはプロトタイプを平面上で先に作れちゃう、先にイメージできちゃう、より具体的に。っていう事ですかねぇ?

時澤
分かんないですけどねぇ…、なんかあんまり絵描かない人は逆にじゃあどうやって作ってるんだろうって私は分かんないんで、皆さんどうしてるのかなあ?っていうのはありますけど…。

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のぶちか
デッサン描かない作家って陶芸家とかは結構多いんですよねぇ。作りながら、土と対話しながら勝手にできたとか、あるいはおおまかなイメージを持っていてってところもあるんですけど、だけどやっぱり画力っていうレベルになっていくと相当な武器っていうか、絵に関しては(僕は)素人だからちょっとした知識の寄せ集めでしかしゃべれないですけど、やっぱり「よく観る」とか「よく観察する」、で、それをいかに忠実に平面に起こせるかっていう風に僕は思っていて。
だから「模写」って聞いたのはその事だったんですけど。その時に例えばこのクリアのものをイメージじゃなくて見たまんまで考えた時って、イメージで見たら透明なんだからそもそもアウトラインだけで終わりになっちゃんだけど、入り込んでる光だとかこういうものをイメージじゃなくて純粋に100%視覚に入ってくる情報だけで起こすっていう、この観察ができちゃうと、イメージでゼロイチで物を平面へ起こす時に、そういう事もやっぱり可能になるんだろうなぁ、みたいな。

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時澤
でも今のお話を聞いて思うのは、それこそ透明なものって写り込みとかがあるので、自分が意図してない先までガラスが起こしてくれたりするのは(ガラスの)面白さかなぁって言うか。 紙上で終わらないっていうか、それがガラスの良さでもあると思うんですけど。

のぶちか
そうかぁ(←大きく納得 笑)。

時澤
紙上で終わるんだったらたぶん紙上で終わってる話だからそこの先があるっていうのでいつも驚かされたりとか。

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のぶちか
いやぁ面白いなぁ、確かにそうだよなぁ。イメージはイメージですもんねぇ。
うーん、「まぁこうなるんだろうなぁ」っていうイメージ図は描けても。だってこれだって(「a bottle」を見ながら)どんな厚みにするかでここから見てる同じ角度でも、取り込む光の量が変わるでしょうし、そこまでの克明なイメージっていうのはやっぱり、あるいはこうやって入ってきてる光の加減だとかっていう事でも表情は刻々と変わっていくでしょうし。

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時澤
話は変わりますが、例えば吹きガラスでよく言われるかどうか分からないですけど、私が思ってるのは人によって気持ちいいサイズがあって作ってて、私結構大きめなんですよそれが。で、まぁすごい昔絵を描いていた事を(のぶちかから)褒めて頂くんですけど、逆にそれはあんまり立体のことを昔から学んでこなかったという事なんで、ちょっとコンプレックスもあるんですよ逆に。そんなに立体の部分では洗練されてないんじゃないかぁっていうとこもあって。だからそれとその自分の気持ちいい形を、って何も考えずにガラスをするとちょっとやぼったくなる気がしてて。それを防ぐ為っていうか、もう少しブラッシュアップする為にも最初に絵だったりとか大きさだったりをしっかり考えて作る方がいいかな?っていつも思ってます。

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のぶちか
なるほど。いやなんか作品拝見して受ける印象の中にちょっと…、パキッと感というか、そういうのは何か感じるところがあったんですよね。それは決してその遊びが少ないからいけないとかそういう話ではなくて。真面目さというか…。
それはだから事前のデッサンというか、イメージがカチッとしてたからかもしれないですねぇ。


時澤
うーん…、カチッとした方が好き、というかデッサンとかでも結構エッジの利いたLINEを引いちゃうので…。そういうのが好きな分もあり、ホワッとしたようなデッサンを描く人に憧れもあります。ガラスも然りですけど。なんかフワッとしたラインで終わるような作品の人にも逆に憧れますけど。

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のぶちか
まぁなんかいろんなパターンがそれぞれあって。全部取り込むのもなんかねぇ(笑)。段階経て各フェーズで変わっていくならいいけど、1つのフェーズに全部盛り込むと誰の作品か分からなくなることもあるだろうし、ワンフェーズを極めていくのも割とやっぱり時間のかかる事だろうから。自分でそこをねぇ全部達成しなくても自分がやってて1番気持ちがいいゾーンっていうんですかねぇ。あれをやっぱりされてらっしゃるからいいんじゃないかなぁと思いますね。うーんなるほど…。事前のイメージを越えていくガラスが面白いという事…。

時澤
そうですねぇ。

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のぶちか
表現する上で大事にしている事とか、楽しいなぁと感じる事はありますか?

時澤
ずうっと思っているのは、ガラスって割れる素材なので、その「はかなさ」だったりとかそういうものを。ちょっとウィークポイントではあると思うんですけど「割れる」って、ただそこが逆に「愛しい」というか、そこは大事にしていきたいなって。ちょっと私の器って、まぁすごい時間を掛けて作っている部分もあるんで、普段使いというよりは意識しているわけではないんですけど、普段使いと特別な時との中間ぐらいの(立ち位置)ももしかしたらあるのかなぁと思ってて、どっちかに行けないかなぁと模索していた時期もあるんですけど、まぁでも最近はそこの中間で良いんじゃないかなぁって思う様になってきたんで、その辺のラインをさっき言った「はかなさ」だったりを大事にしていければなぁ、というのがひとつあるのと、ガラスってすごい「記憶」する物質で実は…。あったかい状態のガラスを触れば触っただけ跡が付くしガラスが覚えてしまうというのを聞いた事があって、その面白さっていうのを活かせばいいかなぁと思っています。

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のぶちか
焼物でもロクロをグルグルまわして(土が)戻ろうとするとか、ロクロでアウトライン作って、でも焼き上げてしまうとフォルムが変わってるとかってよくありますけど。ちょっとマニアックになっちゃうけど、抹茶茶碗とか井戸茶碗を作る人って、まぁ本歌みたいな茶碗があって、例えば「喜左衛門」とかっていう井戸(茶碗)があったとしてそのアウトライン狙った時に、ロクロで引いた時にそのアウトライン作っちゃうと焼き上がりでそのラインにならないとか。だから経験則の中でこのラインで引けば収縮してこういうふう(なライン)になるとかってところをイメージして作る、だから難しいっていう事を聞いた事があって。で、ガラスもロクロじゃないけど、こうグルグルっと回転して(作り)ますよねぇ?

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時澤
はいはい。

のぶちか
なんか記憶するっていうのは、今言った話みたいな事はガラスにも起こっているって事なんですかねぇ?

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時澤
そうですねぇ、あの冷ます時に厳密にはちょっと縮んでるっていうふうになってるので、たぶんでも見た目そんな分かんないですけど。あとは今のお話聞きながら思ってたんですけど、まあガチガチに加工しますけど最後(私の作品)は火であぶってファイヤーポリッシュって言うんですけど、火であぶって表面をツルっとさせて終わるので、その時のどうしても「揺らぎ」が出たりしてしまうので、でもそこをコントロールしたいわけじゃないし、逆に面白いと思っているので、その辺はなんかガラスが自己主張すればいいじゃん、っていうか…。なんかそこまでガシっとしたものを作りたい訳じゃないので、その辺の「揺らぎ」と一緒に遊べればというかコラボレーションじゃないですど、(火による「揺らぎ」と)一緒に作品ができればいいんじゃないかな、って思います。

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のぶちか
うんうんうんうん(←強く納得している)…。
どっか、マシンメイドみたいなガチガチの冷たさは感じない不思議な所はあるなぁとは思っていて、それが言語化できずに「なんだろう?」と思ってたんですけど、今最後のファイヤーポリッシュとか、あのあたりでほんのり出るかも知れない「揺らぎ」、あのあたりにわずかな良い意味での「遊び」というか「揺らぎ」が出て、冷た過ぎないというかどこか優しさがあるというか、といものになっているのかもしれないですねぇ。

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時澤
まぁ、そんなカッチリとした人間じゃないというのもあると思うんですけど…。

のぶちか
うーん、どうですかねぇ?さっきのB型の話じゃないですけど、あのぅB型は割と~(完璧主義的なところがあるから)笑。

時澤
そういうところはあまりこだわらないっていうか、(そういうところは)あるかもしれないですねぇ(笑)。

のぶちか
我々B型自身もB型がよく分かんないですもんねぇ(笑)。

時澤
そうですねぇ(笑)。

のぶちか
バッキバキにやりたい時もあれば、「そこはラフなん?」みたいな(笑)。

時澤
そうですねぇ(笑)。

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終わり


◆時澤真美 略歴

1978 京都府生まれ
1997 京都市立銅駝美術工芸高校 卒業
2004 愛知教育大学造形文化コースガラス専攻 卒業
2006 富山ガラス造形研究所造形科 卒業
2006 富山ガラス造形研究所 助手勤務(~2009)
2009 富山ガラス工房 所属(~2013)

2005 現代ガラス大賞展(富山)入選
2006 美の祭典越中アートフェスタ2006 佳作(富山)
2007 Young Glass 2007(デンマーク)入選
2008 日本クラフト展(東京)奨励賞
2009 日本クラフト展(東京)入選
   KOGANEZAKI・器のかたち・現代ガラス展 入選
   工芸都市高岡クラフトコンペティション 入選

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Gallery JIBITAの のぶちか と こーすけ(妻のあだ名)です。 山口県萩市で陶芸作品や器、アートを販売しています。 趣味は「家族」です。
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