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DemonKiller?『Bloodstained:Ritual of the Night』で友との約束を果たすのだ

チミドロフィーバー!!!

 ジェノサイドしている場合ではない。そう、私は友との約束を果たさなければならないのだ。さて、「悪魔滅の刃」となろう。

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『Bloodstaind』の血は何色だ?

 多分赤い。閑話休題。
 『Bloodstained:Ritual of the Night』(ブラッドステインド:リチュアル オブ ザ ナイト)は2019年6月18日にリリースされた探索型2Dアクションゲーム。いわゆる「メトロイドヴァニア」というものに分類される作品だ。発売当時は物流の問題があった関係で、日本での発売は約4ヶ月遅れの2019年10月24日となっていた。2020年12月4日にはスマホ版もリリースされ、現在では多くの機種でプレイが可能となっている。実は、WiiUPSVitaでも発売予定があったが、それぞれ生産終了となったため、販売予定は無くなった。後述するスピンオフ作品と区別するため、作品名を書く際には『Bloodstained:RotN』という略称で書かれることが多い。PS4版については、2021年2月のフリープレイ対象となっている。

 本作はキックスターターにて資金を集めて製作された作品。その中で前日譚となるスピンオフ作品の開発も決定しており、8bit風のアクションゲーム『Bloodstained: Curse of the Moon』(ブラッドステインド:カース オブ ザ ムーン)が2018年5月24日に発売されている。2020年7月10日には続編となるナンバリングタイトルもリリースされた。これは、本作にも登場する斬月を主人公としたもので、ストーリー的には「RotN」の10年前の話となる。これ以上の詳細は割愛させていただく。なぜならプレイしていないから

こっちも面白そう

 さて、本作の話をしよう。舞台は18世紀末のイギリス。産業革命により錬金術師の地位が失われつつあった時代に、錬金術で悪魔の召喚を行った。悪魔によって発生した動乱は、悪魔退治の専門家集団である「教会」によって鎮められたが、生贄となった多くの人が命を落とした。その中で奇跡的に生き残ったミリアムジーベルが物語のメインとなる。動乱から10年後、再び悪魔たちが復活。ミリアムはその謎を解き明かすために悪魔の拠点である城の探索に向かう。プレイヤーはミリアムを操作し、悪魔退治をしながら謎を解明することになる。斬月を操作するモードも別で用意されてるヨ。
 舞台設定の年代は実際にあった歴史的な出来事をベースに設定されている。1783年、アイスランドのラキ火山の噴火でヨーロッパ全土が火山灰に覆われた際にイギリス・ハンプシャー州で2000人が亡くなったということ悪魔の召喚を結びつけて年代設定を行っている。ゲームの舞台設定に現実味を帯びさせるとは、凄まじいこだわりを感じる。
 以下のインタビューでは開発者の五十嵐孝司さん自ら色々と語っているので、興味がある方は読むことをおすすめする。

『悪魔城ドラキュラ』シリーズに似すぎてるけど、大丈夫?

 何やら雰囲気やシステム、音楽、スピンオフ作品などの全てから感じる『悪魔城ドラキュラ』の匂い。「これって、もしかしてパクリでは……?」と思った人もいるかも知れないが、問題ない。なぜなら『悪魔城ドラキュラ』シリーズの開発に携わっていた人物が開発をしているからだ

IGAAAAAAAAA

 彼の名は五十嵐孝司(いがらし こうじ)。クリエイター名として「IGA」を用いている。1997年の『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』ではアシスタントディレクター、2001年の移植作『悪魔城年代記 悪魔城ドラキュラ』からはプロデューサーとして活躍し、2014年にKONAMIを退社した経歴を持つ。ニコニコ動画やYoutubeにある五十嵐さんが関わっている作品の動画には、「IGAAAAAA」というコメントが必ずあると言っても過言ではないほどお馴染みのコメントとなっている。みんなもクリアして叫ぼう。

アルカードかっけぇ~~~~~

本家本元が作る、間違いない「ザ・メトロイドヴァニア」

 安心安全安定の作り。探索する舞台となるフィールドの規模感、雰囲気、難易度、収集するアイテム、RPG要素。どれをとっても素晴らしい。ただ、本作独自の特別な要素、という部分は薄い。その理由としては、『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』やその辺りの作品を最後にしばらくゲームを遊んでいなかった層に対して、「今でも当時と同様のゲームがまだ遊べる」ということをアピールしたいと考えていたそう。そのため、意図的に他のメトロイドヴァニア系の作品との差別化は図っておらず、現代の技術で作られた最新版の『月下の夜想曲』と考えても良いのかもしれない。
 余談だが、「メトロイドヴァニア」の「メトロイド」はあの任天堂の作品を指しているため、本作を宣伝する際には「IGAvania(イガヴァニア)」と呼称している。気をつけないと、ファンに刺されるかもしれない。

一休み一休み

支援者のペットを倒す!? 驚愕の支援特典!

 キックスターターでは、支援金による特別な特典が用意されている。$1550ゲーム中に自身の肖像画を登場させる権利を、$3000自分のペットを敵キャラクターとして登場させる権利を得ることができる。

きゃわわ

 更に$8500マップ上に自由な隠し部屋を作ることができる権利なんかもある。ゲーム中、特殊な鍵を使うことで入れるこの「不思議な隠し部屋」には、強敵が待っていたり、穏やかな隠し部屋となっていたりする。ぜひとも探し出してもらいたい。

遊び要素満載の特殊なモード

 本編とは別に、5つの特殊モードで遊ぶことができる。本編のボスと連戦する「ボスラッシュモード」、時間計測しながら本編をプレイする「スピードランモード」、様々な要素をランダム化させるカオスな「ランダマイザーモード」、ボスを操作してプレイヤーに復讐を果たす「ボスリベンジモード」、『悪魔城ドラキュラ』風のレトロな操作感にした「クラシックモード」だ。どれも他のゲームではあまり見かけないものが多く、「ボスリベンジモード」はボスを操作するという異色なもので、本編では味わえない操作感が面白い。勝てる気がしないけど

約35年を遡る「クラシックモード」

 前述した特殊なモードから「クラシックモード」をピックアップさせてもらう。このモードは2021年1月14日に『Kingdom Two Crowns』とのコラボコンテンツと共に追加された新モード。ファミコンの『悪魔城ドラキュラ』を彷彿とさせるような画面表示やレトロゲーム風のチップチューンが特徴的。グラフィックやステージは本編から流用したものだが、中身が非常にクラシック。

 操作感もクラシックなものとなっており、昨今のアクションゲームでは味わえない「重み」を感じることができる。"あの"隠しコマンドを入力することで、「1986モード」と呼ばれる、さらにファミコン時代の操作に寄せた高難易度モードでプレイが可能となる。全5ステージ構成で、1時間~2時間ほどでクリアが可能となるので、気が向いたらプレイしてみると良い。

2回目のクリアなので、割とサクサクとできた

20年前の作品と比較してしまう、もう一つパンチが欲しいBGM

 本作の作曲陣は強者で揃えられている。

『ポケモン不思議なダンジョン』の石綱淳泰(いしづなあつひろ)氏
『ロックマンゼロ』シリーズの山田一法(やまだいっぽう)氏
僅か3年で30作品以上に携わっている藤岡竜輔(ふじおかりゅうすけ)氏
『忍道』『龍が如く 見参!』のいとうけいすけ氏
そして、『悪魔城ドラキュラ』『がんばれゴエモン』などの山根ミチル氏

 この5人によって彩られた『Bloodstained』の世界は、とても素晴らしいものだった。だが、私は『月下の夜想曲』の幻影に悩まされている一人。いろいろな楽曲の端々に過去の作品を重ねてしまうことが多かった。

 もはや神格化されている『月下の夜想曲』を超えることは難しく、アイテム収集の作業中はSpotifyで『月下の夜想曲』のサントラを流してしまう始末。もうね、過去作の楽曲が良すぎるのよ。そんなこんなで、印象に残る楽曲はそう多くなかったのが残念だ。
 そんな中でも個人的に気に入っていたのは、「双竜の塔」の『Gears of Fortune』。扉を潜ってすぐにグッと魂を掴まれるような疾走感のあるメロディとメロディアスなバイオリンの旋律がカッコよすぎる。クラシックモードのBGMも非常にクオリティが高く、専用に作られたBGMがとても良い。他にも色々と挙げたいが、ステージ名でネタバレになりそうなので控えておく。全体的に荘厳で重厚感を味わえる楽曲が多い。あれ、思ったよりも気に入ってるの多いな?

サブスク解禁してくれ(懇願)

装備によって変わる見た目と髪型、目の色、血の色もカスタマイズ可能!? 細かいグラフィックの気配り!

 装備によって、攻撃時のエフェクトやミリアムの見た目が変わる。「眼鏡」を装備すればメガネ女子に、「ベレー帽」を装備すれば大人女子になれる。特定の場所では髪型や目の色、服の配色などもカスタマイズができる。遊び心が素晴らしい

自分色に染めろ

 個人的に気になったオプションが「」だ。ここでは敵キャラクターから吹き出る血の色を設定することができる。この「血」は地面や壁などにも飛び散り、人によっては嫌悪感が出るだろう。その配慮がこの設定だ。ここでは赤、黒、青、緑、紫、白、ピンク、マゼンタ、ラベンダー、スカイブルー、黄、オレンジの12色を設定することができる。Oh,Colorful!!!

地面に飛び散るカラフルブラッド

お気に入りを探せ! 膨大な武器コレクション!

 本作には10種類以上の武器種100本以上の武器が存在する。それぞれの武器は使い勝手が違っており、お気に入りの一本を探すのも良いだろう。『月下の夜想曲』では圧倒的な最強武器が存在していたが、本作にはそういったものはない。攻略情報を見たとしても、ページによって使っている武器が違っていて面白い。
 個人的なお気に入りは、攻撃速度がクソ早い「ルァハ・バラル」。序盤から中盤までは大変お世話になった。途中からは火力不足に悩まされ、私は攻撃速度が遅いけど、攻撃力が高い大剣でゴリ押すプレイになった。この2種類しか使ってないと言っても過言ではない。

ATK、STR全振り

迷子! 大ダメージ! 攻略難易度はそこそこ高め!

 「メトロイドヴァニア」自体、難易度が高めなものだと思うが、本作も多分に漏れず難しい
 まずは探索。攻略に必要なアイテムをザコ敵がドロップしたり、全マップをくまなく探し尽くさないと見つからない重要な装備など、メトロイドヴァニア素人には非常に厳しいものとなっている。本作はファンが多い有名な作品であることもあり、ハチャメチャに丁寧な攻略ページが存在していることが救いだ。
 もう一つは戦闘。特にボス戦だが、攻撃パターンを見極めて避けるのがかなり難しい。ダメージが大きい割に回復アイテムも潤沢に持つこともできないゲームオーバー時には前回セーブしたところからなので、こまめにセーブしていないと、精神的にも大きなダメージを負いかねないので注意しよう。終盤はザコ敵の攻撃も非常に痛く、敵を倒さないと出られない部屋もあったりするので、事故ることも少なくはない。割とヘヴィなゲームだ。たぶん、私のプレイスタイルがゴリ押しすぎるせいである可能性が高い

この後、ぶっ殺されるんだよなぁ

移動がおっっっっっっっっっっそい

 おっっっっっそい。まじで。移動速度が上がる装備やアイテムがあるが、そこまで早くはならない。終盤に超高速移動できるようなスキルを手に入れることができるが、もう少し早い段階で手に入るようにしたほうが良かったのではないかと感じる。おそらく、クリア後のアイテム収集を進める人向けの配置なのだろうが、迷子になりがちな中盤辺りで手に入ると嬉しかった

ポージングしている場合ではない

プレイして損はない、面白さが保証された丁度いいボリュームの名作

 IGAさん、ド安定すぎるゲームファンにとっては間違いなくやって損はない一本。アイテム収集や魔物図鑑埋めなんかは各項目の取得割合が用意されているので、やり込む際の機能は充実している一部演出には仕掛けも用意されている初見では非常に驚かされるものも多いいたる所に遊び心が散りばめられており、なおかつゲーム自体の面白さも高次元でまとまっているのは流石としか言いようがない初見でのラスボス戦直前まで到達するのに20時間前後だったので、クリアするまでのボリューム的にも丁度いい。ちなみに、これはストーリー進行と並行して収集要素を埋めていたため、本来はもっと早くクリアできるかと思う。一部、挙動が怪しい部分があり、RTA動画では、ありえない動きをするミリアムを見ることができるので、そちらもチェックしてもらいたい。まぁ、普通にプレイしていて困ったり、進行不能になるようなものは無いと思うので安心してくれ。

クリア直前のデータ

 トロフィー的には、取得タイミングが限られているものが2つあるので注意しよう。もし失敗しても、クリア後にクリア時の状態を引き継いで2周目を始めることもできるので、大きなロスにはならないようになっている。それ以外はストーリーを進めることで取得できるものが多く、最終的に残るのは収集系のものだろう。時間がかかるが、難易度はそこまで高くはない

めちゃくちゃありがたい

 DLCでは最凶のボスとして「IGA」本人が立ちはだかるというものもある。ぜひとも挑戦してみてほしい。

IGA's Back

 それでは。

 おわり。


トロコンまでは、20〜30時間程だろうか


あなたが私をサポートすると、私はあなたからサポートされることができます。