見出し画像

『虹の降る海』で宝船に乗って七福神のスケジュールを把握して「密」になった話

執筆時点でのアプリのバージョンは
ver.0.9.3
ver.0.9.6です。

 どうも、のぶぶです。

 参加しているDiscordサーバーにてクロスレビューの話題になり、参加者の中で「みんながまだプレイしてないゲームを同時にやってクロスレビューのマネごとをしてみよう」というイベントの開催が予告された。まずはお試しでやってみようとなった中で指名されたということもあって参加してみました。

画像1

お世話になっております。

 普段、私がプレイするのはアクションゲームが多いので、こういったジャンルのゲームはあまり経験がないのですが、張り切ってやっていこうかなと思います。過去にやってきたゲームの傾向は以下のマガジンを見てもらうとわかりやすいかもしれません。

総プレイ時間:28時間

『虹の降る海』について

 『虹の降る海』は2021年1月1日にリリースされたスマートフォン用のアドベンチャーゲーム
 主人公は七福神が乗る宝船に乗船し、神様と交流しながら1年の時を過ごしていく。その結果、神となり残るのか、人間として船を降りるのか、はたまた……。
 このゲームの特徴は時間の概念マルチエンディング形式。「人間」と「神」では時間の感覚が異なるため、ゲーム中の時間は「1日=1月」となる。そのため、「12日間」の時間を効率良く使い、神様と仲良くなっていく必要がある。1年が終わるとエンディングを迎えるが、各神様ごとに3つづつ+それ以外の1つの全部で22種類のエンディングが用意されている。やりこみ要素として「実績」が用意されており、すべての実績を解除するのは骨が折れる作業となる
 セーブスロットは自由にセーブができるスロットが3つと、10秒に1度、場所を移動する場合、イベントが発生した場合に自動的にセーブされるスロットが3つ合計6つが用意されている。自動的にセーブされたデータをロードする際には広告を見る必要があるが、かなりありがたい機能だ。
 開発はインディーゲームスタジオの「白黒羊」。ブラウザで遊べるWebGLゲームを主に制作していたが、スマートフォン向けのゲームとしては初の作品のようだ。シナリオとプログラムは志麻ひぬこさん、グラフィックはハラパさん、音楽はAndyさんによって作られているが、それぞれの要素が上手くマッチしていてスマホアプリ初作品とは思えないような仕上がりになっている

さーて、やるぞー!

画像2

 初っ端から「スタート」を押せないのはゲーマーの性だろうか。タイトル画面の「イベント一覧」を押すと、登場キャラクターがズラッと出てきた。見た瞬間にビビっときたのは……。

画像3

 お前じゃ!!!!

 ワシャ武力が高そうな漢(おとこ)が好きなんじゃ。お前をストーキングする(宣言)

画像4

名前と顔、覚えたぞ

ゲームが始まって数分、急展開すぎる

 ゲームが始まると、鏡の中の自分に話しかけられる。意味深なセリフ。そして「嘘をつけ」と言ってきた。なんだこいつ。

画像5

 部屋を出ると優男っぽい男。名前はダイコク。ここで1年過ごして認められたら神様になれるらしい。新世界の神になれるのか。

画像6

 あっ、はい。

画像7

目当ての漢(おとこ)になかなか会えない日々、そしてーー

 よっしゃ、ビシャモン追っかけるで!……会えない。行くとこ行くとこで急にイベントが始まって、なかなかビシャモンに会えない

画像8

 甲板におるやないか。ワイは弱いだから護ってくれや……!
 ーーこれ以降、ビシャモンとのイベントが全然発生しなくなった……。そして、最終的にはダイコクという最初に出会った優男といい感じになってしまった。ワイの初恋は終わった

画像9

月毎に何のイベントを発生させたかが分かるのが地味に嬉しい

初回プレイはクリアまで2時間程度

 本作は「睦月」から「師走」までの12日間の話になる。「睦月」はオープニングになるため、実際に行動できるのは「如月」から「師走」までの11日間だ。もちろん毎月イベントが発生するため、読むのに割と時間がかかる。初回プレイは勝手がわからず、迷うことも多いため、1時間〜2時間はかかる。余談だが、バカすぎてゲーム中の「和風月名」が覚えられず、変なところで苦戦した。

画像10

こちらから拝借。何だこの覚え方。

可愛らしいドット絵と淡いキャラデザインが良い

 ドット絵で描かれたキャラクターや小物たちは可愛らしく、イラストからのSD化が非常に上手くできている。キャラクターの服飾にも個性があり、個人的には魅力的だった。どちらかといえば女性向けのデザインだろうか。起き上がるモーションがやたらと滑らかで良かった。1つ気になった点は「ホテイ」と「ジュロウジン」のイラストが若干他とは一段クオリティが低いように感じた。仕様なのかはわからない。

画像11

足元や腰の瓢箪が気になった

 また、各月を表す「和風月名」のデザインも秀逸。目を引くものがあり、毎月注目してもらいたいポイントだ。個人的には「睦月」と「霜月」が好き。「睦月」は見る機会が少ないですが……

画像12

2周目以降は「睦月」を飛ばしてしまうので……

雰囲気にあったチップチューンが良い

 音楽を担当されたAndyさんが運営されている「音の園」を見ると、和風の曲が得意なようで、その強みが本作にも十分に活かされている。単純な和風なBGMというわけではなく、ドット絵で作られたゲームにあわせて、ファミコンのようなチップチューン風に仕上げている
 「音の園」では「仮想ゲームのサウンドトラック」という名目で曲がまとめられている。本作では聴けないような激しめの曲も多く、RPGカテゴリ内の『Clash at the Volcano』や『Preemtive Attack』といった戦闘曲もカッコよくておすすめだ。

無料とは思えない、詰め込まれたイベントたち

 本作には116種類のイベント22種類のエンディングが用意されており、すべてを見るには根気が必要となる。多くのイベントには選択肢が用意されており、それぞれ選択肢ごとのテキストもしっかりと用意されている。
 イベントは時間や月、特定条件を満たさないと発生しなく、その条件は後半になるほど複雑化していく。すべてのイベントはイベント名を除き、広告を見ることで条件を確認することができるので安心だ。

画像13

先に全部のイベントの条件だけを見ることも可能

 また、メニューの「イベント一覧」を見ると、条件を満たし、現在発生させることができるイベントがわかるようになっているため、逐一「イベント一覧」を確認することでイベントを見逃すことはないのが親切。以下の画像では分かりづらいが、キラキラと光っているキャラクターのイベントが発生条件を満たしていることがわかる。
 シナリオは穏やかなものからシリアスなものまでバラエティに富んでいる。個人的にはビシャモンのイベント「No.491」関連ベンテンのイベント「No.390」関連のイベントが好みだった。

画像14

実際に見ると、泡のようなエフェクトが発生している

天気というランダム要素に翻弄される12日間

 各キャラクターには、エンディングを除き15~16種類のイベントが用意されているが、その発生条件に「天気」が含まれるものが1つ以上ある。多いキャラクターは7つほど「天気」が条件として組み込まれている。一部天気が固定化されている月もあるが、ほとんどがランダムに天気が決定される。セーブスロットが3つあるため、毎月セーブして次の月の天気を確認することで無理やり天気を操ることも不可能ではないが、結構面倒な作業になる。天気のせいで1日の行動が泡となることも少なくない
 ここでは天気が変わるタイミングについては明記しないが、月が変わる直前にセーブして、次の月が狙った天気でなかったらロードする、といった行為では天気が変わらないことだけは書いておく。もう少し、気軽に天気を厳選する方法があれば良かった

画像15

「雨」に泣かされることも多い

【追記】2021/1/27(水)

 開発者さんから、天気の仕様に関してお知らせが出た次の日にアップデートが来ておりました。ver.0.9.8.では、弥生以降に起床後、イベントが発生する前に自室の窓を調べることで天気を変更することができるようになった。広告を見るだけで簡単に天気を変えることができるようになったことは大変便利なアップデートだ。天気に苦しんでいるユーザーの声を聞いて、柔軟に対応する姿勢はあっぱれ

画像16

窓を調べて、広告を見るだけ

もう2段階ほど磨く必要がある操作性とUI

 本作の移動方法は「タップした地点にキャラクターが移動する」というもの。1画面に収まりきらないマップもいくつかあるので、その場合は最低でも2回はタップしなければならない。これは完全に個人的な問題だが、せっかちすぎてタップを連打してしまうため、この移動操作は慣れなかった
 ゲーム中のメニューは画面左上にあるボタンを押す右へスワイプすることで開かれる。先に挙げたタップ連打の影響で、スワイプで開くはずのメニューがうまく開かないことも多く、ほとんどの場合はボタンで開くことが多かった
 スマホでのゲームリリースが初めてのようなので、このあたりの作りに慣れていないのが原因かなと感じた。個人的な好みになってしまうが、移動は「バーチャルパッド式」、スワイプでのメニューの表示は不要にする方が良さそうと感じた
 追加で欲しい機能は「イベント一覧を1ステップで開くことができるボタンの追加」「新しく発生できるイベントが増えた場合にメニューボタンを光らせる」「メニューボタンにバッヂの表示し、発生できるイベントの件数を表示する」「スキップを1時間毎ではなく、まとめてスキップできるようにする」といったところだろうか。とにかく「イベント一覧」を確認することが多く、「メニューを開いて、イベント一覧を押す」という操作が多いイベントを発生するまで時間をスキップするにも「1時間スキップ」を何度も押さなければならないため、作業感が増してしまう

画像17

デザイン性は良いのだが、利便性は低め

「嘘」の必要性の薄さ

 ゲーム開始直後、「嘘をつけ」と言われる割には、嘘をつくことの必要性があまり大きく感じられない。イベントの条件として「嘘」が必要となるケースは一部のみで、サラッと触った程度では「嘘」の重要性が全く伝わらない。攻略ルートによるが、1周、2周したところで「結局、嘘をつくことの意味とは……」となってしまう。アドベンチャーゲームはシナリオがメインとなるため、「嘘をつく」というポイントを最初に押し出しても、ゲーム中にプレイヤーの意識に引っかかる部分が少ないと肩透かしを食らったかのような感覚に陥る。物語の根幹には繋がってくる要素ではあるが、嘘の意味を理解するまでの道のりはあまりにも遠い

画像18

嘘の選択肢を選ぶ意味がわからないがち

スケジュール管理をして、七福神と「密」になり、真実を知るまでの長い旅路

 1周クリアするのに1時間かかるとして、22種類のエンディングを見るのには単純計算で22時間かかる。イベントを全部見ようと思うと、さらにスケジュール管理をし、月毎の行動をある程度考える必要があるため、プレイ時間はさらに増える。アドベンチャーゲームの経験が少ないこともあり、これはかなりカロリーが高く感じた。「イベント一覧」が埋まっていく感覚や「実績」を全解除した際の達成感は良い。そういうの、好きなので。
 10年かけて、ようやく作られたゲームということで、シナリオやセリフ、イベント名などから七福神に関連する知識や教養がこれまでかと詰め込まれており、底知れぬ情熱を感じる。また、Twitterでボソッとつぶやいた不具合についても対応が早く、積極的に情報を取り入れ、反映する姿勢は開発者として好印象だった。
 ゲームのボリューム感や完成度は高めであるため、ついネガティブなことを書いてしまっているが、アドベンチャーゲームが好きな人は触ってみても良いかもしれない
 プレイ時にスプレッドシートでメモしていた攻略情報を参考までに記載しておく。本当に個人的にメモしていた程度の内容なので、詳細まで記載してない上に情報の正確性も保証しない内容はネタバレ満載であるため、承知の上見てもらえたらと思う

 ちなみに公式より、攻略ページの案内が出ております。550円の支援を行うことで単純な攻略のみならず、内部での数値の変動ボツイベントの紹介など、興味深い内容となっているようだ。直接開発者さんへの質問もできるので、積極的に支援しよう。上記の個人的な攻略メモには公式攻略ページの内容は反映する予定はないのでご了承ください。自分で興味度の上がり具合とかフラグの管理などをメモしておいて、答え合わせ感覚で見るのも面白いかもしれませんね。

総評

画像19

 それでは。


 おわり。

画像20

実績全解除はなかなかに大変だった

あなたが私をサポートすると、私はあなたからサポートされることができます。