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Mortalを超え、Demonを殺す『Wings of Vi』 無間地獄篇

 『Wings of Vi』ーー。それは「天使」の物語。しかし、難易度は「悪魔」だった。

前回までのあらすじ

「悪魔」への挑戦

 いわゆるノーマルである難易度「Mortal」でクリアした私はまだまだ「人間」であった。クリア直後は、「天使」が受ける残酷非道な行為に対し、疲れ果てていた。
 明くる日、私は再び「天使」を救おうとしていた。「悪魔」を殺すために

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なんか英語で書かれててよくわからんがヨシッ!

168人の悪魔殺し

 約6年前にリリースされた本作だが、最高難易度のDemonクリア者は168人。クリア時間でランク付けされており、上位も下位もデス数、プレイ時間ともに桁違いで、凄まじさを感じる。
 ちなみにAngel Modeは973人Mortal Modeは1011人がクリアしている。正確には、クリア後にランキング登録をしている人の数ですが。中間の難易度であるMortalでプレイする人が一番多いとは。流石は『Wings of Vi』に挑戦する気概を持ったゲーマーたちだ。

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2020年10月7日時点

凶器の収集

 「悪魔」を殺すには、武器が必要だ。

 先人の悪魔殺しが教えてくれた。彼女は一流の天使であり、悪魔であった。ここでは「大天使様」と呼ばせていただく。「武器を集める」と言葉にするのは簡単だが、実際は簡単に回収を進めることはできない。武器を入手するには各ステージに隠された「像」を探し、話しかければ手に入れることができるが、中には条件があるものもあり、事前にその準備をしておかなければならない。NPCすべてに話を聞いておく、アイテムを35種類以上集めておくといった、仕込みが必要となる。そもそも「像」のある場所もわかりにくい。そういったこともあり、「凶器」を手に入れることにはひと手間かかる。
 それぞれのアイテムを回収するために「Darkheim Watch」という時計型のアイテムを使い、時間を巻き戻してアイテムの回収をすることができるが、このアイテムの使い勝手の悪さに心を折られかけていた。

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わかりにくくて、使いにくい

時を巻き戻し、再び味わえる「地獄」

 一見便利そうに見える時戻しのアイテムだが、実は不便な面も大きい。時を戻した場合、戻った時点の状態のViとなる。つまり、序盤に戻ると中盤で手に入れた追加アクションができない状態。つらい。ついでに言うと、時を戻した際の移動地点にも悪意がある。
 例えば【X】地点にあるアイテムが欲しいとする。しかし、時を戻して行けるのは【A】地点【B】地点。【X】は【B】から逆走したほうが近いので、当然【B】に行くが、そうは上手くいかない。時を戻してたどり着いた場所よりも前の道には戻ることができないからだ。謎の壁に阻まれ、戻ることは絶対に叶わない

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空間が歪み、戻ることができない

 ならば、【A】に戻ろう。だが、【A】から【X】までは茨の道だ。10時間以上前に50回以上死んで乗り越えた道中を、再び超えなければならない。苦労してたどり着いても、条件を達成していないと手に入らないということもある。その場合は条件を満たしてから、再び「地獄」を乗り越えなければならない。

下調べ、大事(戒め)。

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苦労して「凶器」を集め終わった

「悪魔殺し」への旅立ち

 前回のクリアから数時間。迷子になりつつ、デス数を1000回ほど増やしながらもようやく準備が整った。「Demon」の始まりだ。Viが目覚め、魔王に石を投げる。意気揚々と始めたものの、いきなり死にまくる。あんなにやったのに。序盤のアクションなんて、まだまだ簡単なのに……

 原因は大きく分けて2つある。

 1つは被ダメージの大幅な上昇。Viの体力は100。ザコ敵からの攻撃が「Mortal」では基本的に20ダメージであったものが、30ダメージに変更されている。わずか10しか変わらないが、これが大きなプレッシャーとなる。ザコ敵の動きを完全に見切るのは非常に難しく、修練が必要だ。
 もう1つはセーブポイントの減少。難所の前に親切に配置されていたセーブポイントが、ことごとく消え去っている。ステージ上には薄っすらとセーブポイントがあった形跡があり、『Wings of Vi』の非情さを物語っている。「Demon」では、難所を2つ〜3つ越えた先にセーブポイントがあるため、ザコ敵からの被弾も極力抑えなければならない。しかし、敵を上手く避けたとしても、即死の棘に少しでも引っかかったらまたセーブポイントから。

 セーブポイント間の長い道中……。
 被弾できないプレッシャー……。
 少しでも臆すれば即死のギミック……。

こいつら、「『悪魔殺し』殺し」すぎる。

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ザコ敵ラッシュきらい

始まりはいつも、この言葉だった

こんなの、無理じゃない……?

 セーブポイントにたどり着き、次のセーブポイントまでの道中、毎回言っていた気がする。正確に、的確に、計画的にViを操作しなければならない。複雑な地形でも、容赦なく襲ってくる敵に何度も心を折られかけたが、不思議と徐々に進めるようになる
 もちろんボスの攻撃も「Mortal」と比較して激しくなっている。通常、体力が一定まで減ると移行する「発狂状態」が最初からずっと続いているような感覚。ダメージ量、攻撃速度、攻撃回数、なにもかもが強力になっている。1度被弾することはほぼ死と等しく、ボスの体力ゲージが残り1mmでも油断はできない。ボス撃破時に取得できる実績の表示がされたら、ようやく気を緩めることができる。

「天使」の学習能力を舐めるなよ。

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まぁ、こんなもんよ

凶悪すぎる怪物

 前回プレイ時よりも高くなった難易度に面食らいながらも、少しずつ前進していった。確かに難しいが、このままならなんとかクリアまでいけるか。そう思った矢先だった。大きな壁にぶち当たった

Kratarac

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 「Mortal」でも苦戦したボスの内の1体だ。左から迫るボス、自動スクロールする画面、動く足場、常に斜め方向に発射される敵の弾。これを基本として、さらに4パターンの攻撃をランダムに放つ。足場、弾を気にしながら攻撃を避けるのは至難の業。一定回数攻撃をすると、次はステージ移動を行う。今度は上からボスが攻撃してくる縦画面のような構造。ここのパターンは比較的簡単で、ノーダメージも余裕だ。ずっとこのままでいいくらい。そしてまたステージ移動。ここが大問題の1つだ。ステージ移動後、次はボスが右から迫ってくるようになる。攻撃パターン自体は変わらないが、視点が変わるだけで大きく混乱する。少し慣れたと感じたときにはもう瀕死状態。まもなく訪れる死
 わずか10分で38デスを捧げたが、これが100デス、1000デスになるのには、そう時間はかからなかった

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代弁者

 先程「大問題の1つ」と表現したが、もう1つ問題がある。それは「Viの異常な挙動」だ。条件はわからないが、二段ジャンプ後に羽ばたきをするアクションボタンを押しても反応しないことが多々発生していた。画面端だからなのか、と思ったがそうではなさそう。。さらには3回目のステージ移動時にも別の挙動が発生する。ここはViが足場に着地したあと、足場が下へ動き始めてからボスが上から迫ってくるのだが、足場が動き出した途端、何故か勝手にViがふわっと上昇してしまう現象が多発していた。慣性が残ってるからか、移動の仕方が悪いのかわからないが、実は「Mortal」のときも発生していた。「このステージではこうなってしまうから、それまでに倒さないといけないんだ」と信じ込んでいた。クリア後に動画で確認すると普通に進めていて驚いた。
 「大天使様」に「こうなっちゃうんですけど……」と相談したらめちゃくちゃ調べてくれた。一応そういうバグのような挙動の報告はあるものの、プレイする環境によるものかも? という結果になった。すると「私の環境でも発生するかも確認してみますね」と言うと、ものの5分程度で「私の環境では普通に進みますねぇ」とあっさりと検証してくれた。やば。
 結局、根本的な解決はできないまま、挑戦開始から5時間が経過し、デス数が1300に達したところでようやく撃破。これは本当に辛かった。倒せた喜びで、そこで終わろうと思ったのに次のボスまで進めてしまった。てへっ。

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1000デス記念

壊された時間感覚

 「Mortal」のラスボス戦で約11時間、Krataracで5時間を掛けたせいか、時間の感覚がおかしくなった。以降のボスは5時間以上、軽く時間を使うようになってしまったなにかが、おかしい

 パターンをある程度覚えて、だいたい避けられるようになるのにまず1時間。ダメージを喰らいながらも6割ほど削れるようになるのにさらに1時間。ノーダメージで6割ほど削れるようになるのにまた1時間倒せるまで祈りながら挑戦し続けることXX時間。これがボス討伐までの大きな流れだ。

そして私は、「天使」から「悪魔殺し」となった

 ラスボス・Supreme Jeh'Oulとの戦いは熾烈をきわめた。「Mortal」でも11時間30分戦い続けた大ボス。正直、攻撃パターンには「Mortal」のときとあまり大差がない。ボスの攻撃パターンは身体に染み付いており、初戦から良い立ち回りができた。30分もすれば発狂状態までダメージを与えるのも楽に行けるようになっていた。「もしかして、全ボスで一番あっさりと倒せてしまうかもしれない」と思っていたが、もちろんそんなに上手くはいかない。地味に強化された攻撃パターンは簡単には避けることができず、こちらの思惑通りにボスは動いてはくれない。動画を見て、勝ち筋を見出すも、動画のような動きを再現することが難しい。そういえば、「Mortal」のときに「のぶぶさんの戦い方だと辛いかも」とチラッと言われたのを思い出した。正解はこの戦い方か。ようやくあの言葉の意味が理解できた
 ラスボス戦の最大の敵は「弾を上空に出してから落下させてくる攻撃」だ。これだけがどうしても安定して避けることができない。たまに落下位置が予測できるので避けられるが、多くの場合は運ゲーとなってしまっている。ならば、その「弾」を吐き出させないように誘導すればいい。ただ、それだけのこと。それだけのことが、非常に難しい
 何度も挑戦し続け、ようやく流れを掴む。被弾せず、残りの敵の体力ゲージは1cm程度。「これはいけるかも」と内心で思いつつ、落ち着いて攻撃を当てる。残り6mm程度だろうか。ボスの召喚したザコ敵を処理しきれずに1回目の被弾。ザコ敵を処理したときにはもう次の攻撃が始まっていた。2回目の被弾。ラスボス戦特有の徐々に減っていく体力。

Defeat
Press Respawn

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百万回やられても、負けない。

 かの有名な騎士・アーサーの言葉諦めなければ「負け」にはならないのだ。デス数を積み上げ、時間をかけ、戦い続けた。毎日2〜3時間、ボスと向き合った。無駄な動きは削がれ、不運にも攻撃パターンに恵まれなかったときもめげずに立ち向かった。気がつけば、戦い始めてから16時間30分を超えていた。チャンスは必然的に訪れた。ボスの体力ゲージはあと僅か。決死の攻撃。実績の取得表示。つまり、勝利。本当に手が震えた

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長かった戦いよ、さらば。

 直後にDiscordに行き、大天使様と仲間の天使に報告。クリア結果の送信で少々トラブルがあったものの、私は無事に169人目の悪魔殺しとなった。

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143位でした。

 「のぶぶさんがクリアしたらDemonやろうかな」とボイスチャットでボソッと言っていたことを執拗に覚えていたので、早速お知らせしてあげた。

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このあとすぐに席に座ってくれたし、
何なら他の人も走り始めた

戦いの記録

 『Wings of Vi』のエンディングでは各エリア、各ボスとの戦いの記録が列挙される。これ、めちゃくちゃ好き。みなさまにも是非とも挑戦していただき、私の記録と比較してもらいたい。一部、桁数がおかしい。「Heart of the Baneful」とか、ゲームをつけっぱなしでお昼寝してたりするので、5時間以上は無駄に時間が加算されてしまっている。ぴえん。

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中盤から突破時間がやばい

参考にさせていただいた動画

 アイテムの場所や道中のルート、ボス戦での動きなど、プレイの多くを参考にさせていただきました。この場を借りて、感謝させていただきます。ありがとうございました。


 さて、これから私は実績を全て取得するため、Angel Modeを始めたいと思います。

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 それでは。

 おわり。


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