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アトリエシリーズ初体験!シリーズの原点『マリーのアトリエ』で落ちこぼれ錬金術師になってダラダラ過ごす5年間
「アトリエシリーズ」といえば、ゲーム会社ガストの看板タイトルのシリーズ。ゲーマーならば、もちろん存在は知っている。知っているが、手を出せていないのもゲーマーの性。そんな「アトリエシリーズ」も25周年を越え、原点である作品のリメイク版が発売された。たまたま発売後すぐにプレイできる機会があったので、触ってみた感想を書いてみる。
ちなみに、以降の記述は……
「アトリエシリーズ初プレイ」
「オリジナル版を未プレイで、リメイク版が初めて」
「リメイク版クリア後にオリジナル版をプレイした」
……という感じの私の個人の戯言です。
📃|『マリーのアトリエ』は「アンチRPG」?
『マリーのアトリエ』は1997年5月23日にPlayStation用ソフトとして発売されたRPG。その原点となる作品が25周年記念としてリメイクされ、2023年7月13日にPlayStation4/5、NintendoSwitch、Steamで発売された。以降は最初のPS版を「オリジナル版」、リメイクされたものを「リメイク版」と呼ぶ。「リメイク版」のデジタルデラックスエディションでは「オリジナル版」が追加コンテンツとして収録されている。
ちなみにこの「オリジナル版」は、追加要素のあるセガサターン版をPSに逆移植したもので、1998年6月4日に発売された作品になる。
本作の特徴は、キャッチコピーの「世界を救うのはもうやめた。」でも伝わるように、王道RPGでよくある「世界を脅かす、魔の勢力との戦い」へのカウンターのような世界観だ。プレイヤーは主人公であるマルローネことマリーを操作し、王立魔術学校・通称「アカデミー」を卒業するための課題に5年の月日をかけて挑戦していくことになる。ただ、期日まで何をするかはプレイヤーに任せられており、冒険に明け暮れてもいいし、寝て過ごしてもいい。その結果どうなるかは、自身の手で確かめてみてもらいたい。
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📃|そもそも「アトリエシリーズ」って???
「アトリエシリーズ」は本作のオリジナル版が発売されてから26年を迎えている長寿シリーズとなる。それだけ長いと、結構な数の作品が登場していると予想がつくかと思うが、何作品出ているのかって知っているだろうか。派生作品なんかも多いので、ここではメインタイトルを対象とする。
参考までに、37周年となる「ドラゴンクエストシリーズ」は『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』までの11作品。その双璧である、36周年となる「ファイナルファンタジーシリーズ」は『ファイナルファンタジーXVI』までの16作品。
さぁ、アトリエシリーズは……
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先日発表された『レスレリアーナのアトリエ 〜忘れられた錬金術と極夜の解放者〜』は、25作品目として名を連ねることとなる。歴史ありすぎ~。
この記事を書く際に、どんな作品があるんだろうと簡単に調べてみたのでサクッとまとめてみた。各作品の発売日と通し番号も併せて記載しておく。「アトリエシリーズ」の中でも、本作はタイトルにある通り「ザールブルグ」を舞台としたものとなり、「ザールブルグシリーズ」としてまた細かく分類されたりしている。基本的にシリーズ同士でストーリーの関連性はないものとなるらしい。ためになったねぇ。それにしても、これ以外にも派生作品を作りながら、毎年のように新作を出してるのすごいなぁ。
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⭕|RPGとしては、かなり難易度が低い作り
本作は基本モードとして「5年間」と「無期限」の2種類ある。「5年間」はそのままの意味で、5年目のタイミングで強制的にエンディングに突入するモードとなり、「オリジナル版」にあった基本モードとなる。「無期限」は「リメイク版」で追加された要素となり、5年目以降も引き続きプレイすることができるモードで、エンディングは5年目以降に好きなタイミングで見ることができる。そのため、順番に条件を満たしていくことで1つのデータで様々なエンディングを見ることも可能となる。ただ、無期限モードでは一部イベントが発生しない仕様なので、全部のイベントを見ようとすると2周することが多くなる。たぶん、頑張れば1周で全部見ることもできるのかもしれないけど。
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イベントの発生条件は最初からほとんどわかる状態になっていてとても親切。私はちょこちょこと確認して進めていたので、初見でも8割程度のイベントは見ることができた。また、ゲームの難易度としては初プレイの「5年間モード」で、ゲーム外の攻略情報をほとんど見なくても最上位のエンディングが見れるくらいに簡単だった。ゲーム慣れしていることも大きいと思うが、多くの日を無駄にしたと思っても終盤は暇すぎるくらい余裕があった。工房から出たり、採取をするたびに日付がどんどん進んでいくのには驚くかもしれないが、安心してプレイして欲しい。
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⭕|SDモデルがかわいい!
「オリジナル版」と違い、ザールブルグの街を自由に歩けるようになった「リメイク版」。2頭身ほどのSDモデルで動き回るキャラクターたちは小さな人形のようで非常にかわいらしい。戦闘の際にポージングしたり、イベントでちょこちょこと動く姿はとても良かった。「フォトモード」も実装されているが、街中やマップではカメラの位置が固定化されてしまっているため、若干不自由なところがあって残念。
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⭕|採取システムの大改善
「リメイク版」では採取する各地にマップが追加され、マップ内のオブジェクトを調べることで素材の採取ができるようになった。また、敵との戦闘はシンボルエンカウントとなり、うまく回避することで戦闘せずに素材の採取のみができる。「オリジナル版」では「採取する」というコマンドを選ぶとランダムでアイテムを採取と敵とのエンカウントを行う感じだったため、ボス級の敵と遭遇して1ターン全滅という事故もあった。「リメイク版」でも同様にワンボタンでランダム採取するシステムも搭載されているが、正直間違えて押す以外に使うことがほぼ無い。
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⭕|戦闘の低難易度化
マリーの本分は錬金術師で、戦闘には不慣れ。そのため、傭兵を雇って連れていかないといけないが、「リメイク版」では有料傭兵を1人雇っておけば割とゴリ押しでなんとかなる。「オリジナル版」では採取のシステム的に敵との戦闘が避けにくく、敵も強いため、戦闘での事故が非常に怖かった。「リメイク版」ではそもそも狙って戦闘を避けたり、難易度の追加による敵の強さのバランス調整がされていることもあり、攻撃を連打するだけでも十分なくらいになっている。また、自動で戦闘させることもできるので、とりあえず自動化させて放っておいてもなんとかなる。高難易度やボス級の敵以外は簡単すぎるほど簡単。
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⭕|民族的な音楽が良い
全体的に民族的な雰囲気があるBGMが多い印象。使われている楽器が笛や木琴のようなもので、温かみのある空気感だからだろうか。「オリジナル版」から派手にアレンジされたものはなく、ほぼ「そのままキレイにしました!」と言わんばかりのものになっていて、個人的には非常に良いと思った。
本当にどれも本作に合ったBGMが多く、良い意味でBGMとして最高の仕事をしている。個人的に好きな曲を2曲挙げさせてもらう。
『虹を見に行く』は「ストルデルの滝」で流れるBGM。非常に爽やかな曲で、心がウキウキするようなポップで明るく、温かみのある楽曲。ドライブのときに車内で流してもらいたい気持ちある。
『帰還するもの』はボス戦のBGM。王道RPGから外れているような本作だが、普通のRPGと遜色がないくらいにかっこいい戦闘曲になっている。難易度によってはフルで聴くことも少ないが、ちゃんと聴いてもらうと後半もかこいいことがよくわかる。
❌|良くも悪くも、ベースの古臭さを感じる
良く言えば「原作に忠実なリメイク」、悪く言うなら「中身が古臭い」。やってることは非常に単調。素材の採取をして、調合をひたすら行う。これを5年間、1800日続ける。システムは非常にシンプルで分かりやすく、王道RPGが乱発されてる中で、毛色の違う本作が出たという25年前の状況なら問題ないと思うが、現代では通用し辛いと感じた。新規プレイヤーにとっては「面白い」と思うより先に、「昔のアトリエってこんな感じだったんだ……」とシリーズの歴史を体験する大変さが出てしまった。
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❌|友好度上げのシステムがツラい
キャラクター毎に「友好度」が設定されており、これが高まると雇用料金が安くなったり、対象キャラクター関連のイベントが発生するようになる。基本的には一緒に冒険すると「友好度」が上がるが、1日でも1ヶ月でも、1度の冒険で上がる友好度は【たったの”1”】となっている。ランダムで発生するキャラクターからの依頼で少し上げたり、年に一度だけ、友好度が最低のキャラへの救済処置があるが、全キャラの友好度を上げきるにはかなり大変な手間と時間が必要になる。長時間一緒に過ごしたら多めに上昇するとかあれば良かったなぁ。
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❌|終盤はほとんどやることがなくなり、作業感に悩まされる
「5年間モード」では、最後の1年である5年目の時点で残ってることはあまりなく、ひたすら図鑑を埋めたり、友好度を上げてイベントを埋めたりするだけになる。2周目への引継ぎ要素も一部あるが、内容的に頑張る必要性が少ないため、結局あと1年後、実時間で数時間後に破棄されるであろうものに対してはモチベーションは上がりにくい。引継ぎ要素が多くても、難易度がより低下するだけなので、この辺はなかなかにバランス調整が難しい部分ではあると思うけど、最近のゲームではありえないような冗長っぷりだった。
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❌|マルチエンディングの下位エンディングを見るために調整を頑張らないといけない
本作はバッドエンドを含めて7種類のエンディングが用意されている。その中でエンディングの優先度が設定されており、上位のエンディングの条件を満たしてしまうと、そのデータで下位のエンディングを見ることは絶対にできなくなる。普通にプレイしているだけで、真ん中くらいのエンディングは余裕で見ることができるので、意識してダメダメなプレイをしないといけなくなるのが面倒だった。レベルを上げすぎず、調合も頑張りすぎず、本来のストーリーにある「アカデミー創史以来、最低の落ちこぼれ錬金術師のマリー」を演じなければならない。全部のエンディングを見ようとすると、これが結構大変な部分になるので、条件を満たしているエンディングから選択して見れるようになっていたら嬉しかった。
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❌|ミニゲームが破滅的に面白くない
もうね、終わってる。ハッキリ言うけど、マジで面白くない。面白くない上に強制的にプレイさせられ、失敗するとアイテムを失うなどのデメリットが発生する。モノによっては3分間固定でプレイしきらないといけないという拷問。「オリジナル版」の方が酷さは優っているが、「リメイク版」はその酷さを7割くらい引継ぎ、新しいミニゲームも持ってくるという始末。
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「ミニゲームに関しては、誰もテストプレイしてないのでは?」と疑いたくなるような代物だった。ここが最大級のダメポイントだと個人的に思う。
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⭐|非常にプレイしやすく、シリーズの原点を体験するのにもってこいだが、フルプライスではおすすめしにくい作品
「ストーリー的に何か盛り上がりがあるか」というとそんなことはなく、「緻密な計画を立てながら進める必要があるか」というとそんなこともなく、「キャラ同士の熱いシーンがあるか」というとあんまりなく、なんとなくダラダラとやっているだけで良いエンディングが見れるという感じ。そのため、ゲーマーほど満足度は低い作品になると思う。トロフィーをすべて集めようとしたり、図鑑をすべて埋める難易度は低いが、ただただ時間がかかるので覚悟が必要。
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今から「オリジナル版」をプレイしようとすると、操作性の悪さや全体的なバランスなど、クリアまでの敷居がかなり高いものとなるため、そういった意味だと「リメイク版」は今からでも触りやすく、難易度は簡単でグラフィックもキレイと、体験するにはとても良いものになっている。
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決して悪い作品ではないことは間違いないのですが、派手な面白さはなく、かといって過度にダメな部分が多いわけでもない。とにかく平々凡々。10点満点中5点か6点って感じ。作業感が強めなので、最近「アトリエシリーズ」を始めて、原点となる作品が気になった人や昔に「オリジナル版」をプレイしていた人など、多少シリーズに思い入れのある人でないとちょっと厳しいゲーム体験になるかなと思った。購入を検討している人は、セールで安くなったタイミングで買ってみてはいかがだろうか。
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それでは。
おわり。
マリーの服装、色のせいで新選組みたいだなって思ったの、私だけでしょうか。
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