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飲食店のデジタル化を出来る限りお金をかけず自分でやってみた

ー船橋市「季節料理ちひろ」のデジタルトランスフォーメーションー 

「グルメサイトよりGoogleマイビジネス」だとか「MEOが重要」だとか最近良く耳にするしなぜそれらのデジタル施策をするべきか?の情報は山ほどあるのだが、実際何をどこまでやればどこまでできるか?が書かれた情報がないことに気づき初noteにチャンレンジすることになった。義母のお店「季節料理ちひろ」のお客がコロナで激減し何か自分の知識と時間の範囲で出来ることはないかと考え実行したのがきっかけ。

◇「季節料理ちひろ」について
・地元の魚市場で仕入れる魚介を出す小料理屋
・船橋駅から徒歩10分
(駅から遠く人通りは多くない)
・昼:定食各種(1000円~1700円)
・夜:コース(5000円)+1000円で2時間飲み放題付
*完全予約制
・コロナの影響でランチ客も激減
(普段ランチは込み合う)

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(船橋市にある季節料理ちひろ)

◇実施前の状況
ウェブサイト:無し
グルメサイトの利用:無し
マーケティング施策、費用:無し
主な客層:近くの市役所職員、地域の会社員、地元の人々
集客方法:常連からの口コミのみ
予約方法:電話のみ
支払方法:現金のみ

以下デジタル施策を実施

◆Googleマイビジネスの登録・更新
・基本情報の登録、メニューの登録
・投稿による情報発信(宴会情報、コロナ関連情報=テイクアウト開始)
・写真(食べ物、店内、メニュー)の登録
・口コミの返信
・ウェブサイトの登録
・「商品」に持ち帰り対象メニューを登録→モバイルオーダーにCTA設定
予約
・デリバリー用リンクの設置<予定>

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<やってみた感想>
個人商店が自らこれを全てやるのは難易度高め(ITリテラシー云々の前に結構操作が必要なのでその根気を維持するのが難しい)

◆Yahooプレイスの登録・更新<予定>

・最近Yahooが始めたYahoo版Googleマイビジネス(https://loco.yahoo.co.jp/business/top/)にも無料なので登録する事に
・店舗情報入力後2週間ほど審査がかかるとの表示
・審査の段階で電話がかかってくるらしい(GMBと違って人がかけてきそう)
(4月25日追記)
経過をこちらにてご報告しております

<やってみた感想>
・登録画面のUIが昭和

◆オンライン予約機能の導入(夜の宴会向け)
「Googleで予約」に対応する為

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・Appointy(https://www.appointy.com/)というアメリカ企業の予約ツールを利用
・店舗情報、予約情報(メニューや時間、数量など)登録
・「Googleで予約」を追加(オプトインするだけ)<実装まで1か月>
・「Googleで予約」に対応している無料予約台帳ツールは日本にない

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(2020年4月現在)。TORETAの1万円/月の契約が最安?
・グローバルの「Googleで予約」ツール(恐らく全部で100くらい)から無料で登録出来るツールを検索し導入

<やってみた感想>
・無料のツールはなかなか見つからなかった。(2020年4月18日現在)
・「Googleで予約」ボタンを確認できていない


◆ウェブサイトの構築<構築中>
・Wixの「アドバンスプラン」月1300円を利用
・独自ドメインの利用(https://www.chihiro-funabashi.com)、Wixロゴ・文言の除外をする為には有償プランが必要
・店舗紹介、メニュー、持ち帰りメニュー、アクセス情報ページの作成
・モバイルオーダー(持ち帰り)バナー、リンク設置
・SEO設定、ファビコン等設定(SEOの設定手順がわかりやすいがかなり根気いる)
・サイトの構造化:Schemaマークアップが容易に入れられるようになっているが手動で挿入が必要。Schemaマークアップは↓したのツールを使ってコード作成。

・Makeofferマークアップの追加<予定>
・ソーシャルアカウントとのリンク

<やってみた感想>
テンプレも充実していて全て直観的に使えるので集中すれば1日で完成できる。ただし店舗、店内、メニューなどの高解像度の画像がたくさん必要(良質の画像はウェブサイトだけでなくGMBにもどこでも必要になるのでそれだけは最初に用意が必要)。お店の紹介やメニューの紹介文など、お店の人からのインプットが結構必要と気づく。SEOの設定、構造化対応などは普通の人はまず手つけられないと思う。


◆テイクアウトの開始
・テイクアウト用容器の発注(コスト:60円/1オーダー)
・「テイクアウトはじめました」ののぼり発注(2000円)
・モバイルオーダーの導入。SPACEEのテイクアウトサービスを利用。(利用料無料、決済サービスを利用する場合決済手数料5%)

・↑これにより「現金のみ」だった「ちひろ」がクレジットカード払い、PayPay, LINEPayなどのモバイルペイメントに対応(イートインの場合も利用できる!)
・ラクスルでチラシ作成/印刷(300枚、2000円、3営業日配達選択)↑で作ったモバイルオーダー用のQRもチラシに貼ってみた。

ラクスル

<やってみた感想>
個店でここまで自分でやるのはほぼ不可能かも(安価にやる為の情報量、スキル、根気)。容器が意外と高いと知る(大量発注できるまではちょっと厳しいコスト)SPACEEのサービスは少し作りがチープだがその分、わかりやすく無料なので文句は言えない。5%の決済手数料も激安。ラクスルはテンプレ多く印刷まで一つの流れでできるのがGood。ただ画像、テキストの配置などパワポのスキルがある程度あるような人じゃないとしんどそう。

◆デリバリーの開始(UberEats)<予定>
・UberEats/出前館の出店条件など調査の上、両方やるのか、片方やるのか判断の上実施する
・近場(1㎞以内)であれば自ら配達も可能?(実装したモバイルオーダー利用可能)

<UberEats>
ID登録完了(UberEatsから1~3営業日内に折り返し来るとのこと)

<出前館>
ID登録完了。「自店で配達する」か「配達を委託する」かを選べる。初期登録完了後サービス詳細の資料がダウンロードできる。

(4月25日追記)
経過をこちらにてご報告しております

◆店舗運用との連携<予定>*タブレットを一台用意してそこに集約するのが良いかも?
・ウェブサイト問合せの通知/返信方法
・Googleマイビジネスの口コミ通知/返信方法
・モバイルオーダーの通知/確認方法
・デリバリーオーダーの通知/確認方法
・入金確認

◆Facebookページの作成

・店舗ページ作成(https://www.facebook.com/KisetsuChihiro/)
・CTAボタンの設置(予約する)
・ページ情報の設定(店舗情報、営業時間の設定など)
・Twitterアカウントとの紐づけ(投稿が自動的にTwitterでも配信)<予定・出来なくなった?>
・「ちひろ」の非公式ページがあることに気づく。公式書類を提出すればマージできるよう。書類入手出来次第対応する<予定>

<やってみた感想>
ページ情報の設定などお店用にかなり細かい設定があることを知った(全て登録するのはかなりの手間)


◆Twitterアカウントの作成(FB/インスタ連携用)

・アカウント新規登録
・FB/インスタとの投稿連携設定

◆Instagramアカウントの作成

・アカウント新規作成、基本情報登録
・#船橋グルメ#船橋ランチなどの投稿者にいいね、コメント入れてみる→フォロー返しが1日で数件来た

<やってみた感想>
アカウントを作る、情報を登録するとかはやれば出来るが投稿する画像、メッセージどうするか#ハッシュタグの使い方とかフォローワーの増やし方とかここはかなりのセンスが必要と分かった

◆今後暇があればやろうと思ていること
・Appleマップへの登録
・トリップアドバイザーへの登録
・百度マップへの登録

◆ここまでの効果
1.Googleマップ上で「テイクアウト」「デリバリー」表示がされるようになった

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2. Googleマイビジネスに投稿したメニュー写真が10回/日/枚くらい見られている

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3.口コミに返信したら評価を変える(上げる)人がいた

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4.検索表示結果

オーガニック検索結果(GoogleマップならびGoogle検索)での特定クエリにおける検索結果にどれだけ変化があるかを計測

計測する検索クエリ(全てエリア=500m範囲と組み合わせる)
”ちひろ”(「季節料理」と入れずに)
”季節料理”
“和食”
”和食 テイクアウト”
”定食”
”定食 テイクアウト”

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◆ここまでにかかった費用(固定・変動)

<固定費>
Wix月額利用料(ドメイン利用料込み) 1300円/月

<変動費>
持ち帰り用容器 60円/個
ラクスルちらし 2000円/300枚
モバイルオーダー(SPACEE) オーダーの5%

(4月25日追記)
経過をこちらにてご報告しております

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