テキスト催眠術

(前略)「文体よりもプロットに惹かれる」と述べてしまっている通り、身体性を欠いた、単なる伝達手段以上のものではない。(文芸時評 作家の生き様 具体性・身体性の積み上げ 2018年12月26日朝日新聞 磯崎憲一郎)

この言いかたで思い付いたこと。私が読めない類の小説がある。描写でその場へ連れて行こうとしてるんだろうけど馴染めなくて場に入れない。あれは下手な催眠術だったんだな。小説や詩ってのはテキストでそういう催眠術をかけるものだったんだなと、自分の中でのモヤモヤが少し晴れた。見えてしまえば何のことはない当たり前のことだけど、自分の中で「今の自分」にしっくりくる表現を思い付けると分かった気になれてうれしい。一人合点。


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