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朝
朝、5:00から7:00の二時間。
歯を磨き、顔に気持ちの良い水を浴びせ、髭を剃る。
猫にエサをやり、トーストとコーヒーを用意。
そして本を読む。
仕事で夜勤明けの現場だとしても、この朝の二時間は俺にとって神聖な信仰のような時間。
欠かすことはない。
今朝は、小林泰三の『時空争奪』という短編SFを一話読み、昨夜読んだアガサクリスティーの『春にして君を離れ』の続きを読んだ。
何気なく谷川俊太郎の『二十億光年の孤独』に挟まっていた青い栞が気になってページを開く。
3つほど谷川氏や彼の父の随筆を読む。
そのなかでも『朝』というタイトルのものが素晴らしかった。
朝早く、私は庭に立っている。芝の上に露がおりている。隣家の敷地の端に立っている大きな"にせアカシア"の木の向こうから、太陽がのぼってくる。
その時、私の心に、何か生まれて初めてのものが生まれる。好ききらい、快不快、喜び哀しみ、こわいこわくない──今まで経験してきたそういう心の状態とは全く違った新しもの、もっと大きなもの、その時はその名を知らなかったが、おそらく〈詩〉とも呼ばれ得るもの。その日の感動を、私は小学生らしく簡単に日記に書きとめる。
「今日、生まれて初めて、朝を美しいと思った」
p,152〜153 タイトル『朝』より引用。
今朝も良い文章に出会えた。
心がととのう。
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