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人生後半の生き方を変える~漠然とした不安を払拭できる良書~

Noteの記事でも発信している通り私は40代に入り、インプット(学ぶこと)から徐々にアウトプットを増やすことにシフトしてきた。加えて、30代後半から人材育成や支援に力を注ぎたいと思い時間を投資してきた。これらのシフトは自分の志を拠り所にして、リタイアを見据えた働き方を考えた結果だった。加えて、50代や60代になって働く自分を想像したとき”常に第一線で活躍し続けることができるのか?”という漠然とした疑問や不安が常にあった。よって、第一線で働きながら今まで得たことを後進に伝えることやプロボノでの活動をスタートさせ、副業に発展させてきたのだ。

先日出会ったこの本は私の漠然とした思いにクリアな道筋を示してくれ、私が想い描く人生後半の生き方を支持してくれた。

ハーバード大学の教授で幸福について研究しているアーサー・C・ブルックスさんの「人生後半の戦略書 ‐ハーバード大学教授が教える人生とキャリアを再構築する方法‐」がその本である。

私にとって印象的だった点は以下だ。
ブルックス先生によると「人には、流動性知能と結晶性知能という2つの知能が備わっており、各知能がピークを迎える時期は異なっている」というのだ(解説は本文の下部を参照してください)。要は「この考え方を一つの前提条件にして人生の前半と後半で生き方を変える」というのだ。

もう少し詳しく触れると「流動性知能だけを頼りにキャリアを積んでいけば、早期にキャリアの急激な落ち込みを経験することになる。一方、結晶性知能を蓄えることができるキャリアを積んでいる/もしくは結晶性知能を活かせるキャリアの再設計をしていれば幸福になれる」というものだ。

40代を迎えた私が感じていた「永遠に第一線に立ち続けることへの限界」はこの知能の違いにあったのだと確信した。人生100年時代を迎え、より長く働き続けなければならないことは明白である。私が65歳を迎えるときには定年は70歳を越えているのではないだろうか。能力もさることながら、会社において老害と見なされ、第一線に立ち続ける意味はあるのだろうか。そんな漠然とした不安をクリアにしてくれた。この本で描かれている解決策は中毒性の強い現状からの脱却であり私にとっても容易ではないだろうと思う。しかしながらどう考え生き抜けばいいのか、道筋が見えたことは私にとっても大きな一歩だ。30代や40代で人生の後半戦が見えてきた悩める人達とともに私も人生後半の生き方戦略を改めて考えていきたいと思います。

参考情報)
流動性知能:推論力、柔軟な思考力、目新しい問題の解決力のこと。一般的に、生得的な頭の良さと考えられている知能で、読解力や数学的能力と関連がある。革新的なアイデアや製品を生み出す人は高い流動性知能を有している。成人期初期にピークを迎え、30~40代で急速に低下する。抽象的な問題を解決する脱文脈化された能力として定義されることもある。

結晶性知能:過去に学んだ知識の蓄えを活用する能力。40、50、60代と年を重ねるごとに上昇する知能のこと。人が生きるなかで文化的適応と学習によって獲得した知識に相当する。

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