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ドラマ「半沢直樹」好きなら より楽しめる映画「七つの会議」

日曜劇場「半沢直樹」の続編が絶好調である。これを書いている時点で(2020年8月15日)、第4話まで終了したが、視聴率は毎回20%を超えている。

出演者の顔芸や、土下座祭りなど、ネットも大騒ぎしている。ぼくも毎回楽しんで見ている視聴者の一人だ。

今回は、そんな「半沢直樹」ドラマ好きなら、より楽しめるであろう映画を紹介する。
同じ池井戸潤原作の「7つの会議」(19年)である。

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〈ストーリー〉

上場企業ゼノックスの子会社である中堅電機メーカー・東京健電。万年係長の八角は、出世競争から外れたぐうたら社員で、会社ではお荷物扱いされていた。ある日エリート課長をパワハラで会社に訴えたところ、その課長が外されるという不可解な人事があった。なぜ課長は降格させられたのか?不審に思った後任の課長たちが独自に調査をすると、親会社、取引先を巻き込んだ背任があったことに気づく...

〈半沢直樹ファンにおすすめの理由〉

まず、製作がTBSであること。監督も同じ福澤克雄である。福澤氏は、TBSの売れっ子ドラマ・ディレクターで、池井戸潤原作では、他に「ルーズヴェルト・ゲーム」「下町ロケット」「陸王」「ノーサイド・ゲーム」も演出している。

七つの会議」は、「半沢直樹」と同じサラリーマンもの。子会社の社員の群像劇なので、押さえつけられた感が、東京セントラル証券に近い。
主役の野村萬斎は、ぼさぼさ頭で、やる気なさそうな役なので、キリッとした半沢直樹と印象が違うが、同じ池井戸潤作品なので、その辺は期待に違わない。

キャストもダブっているため、半沢ワールドに似た感じがする。大和田常務役の香川照之は、鬼部長として登場するし、同期の渡真利役の及川光博は、似たようなメガネをかけて出演。金融庁のオネエ、黒崎役の中村愛之助は、エリート課長。頭取役の北大路欣也は、親会社ゼノックスの社長役である。

他の出演者も、赤井英和吉田羊岡田浩暉朝倉あき立川談春小泉孝太郎土屋太鳳役所広司世良公則木下ほうか春風亭昇太など、福沢ディレクターのドラマに登場した人間が多くて、日曜劇場オールスターズだ(笑)

その他のキャストも、鹿賀丈史橋爪功藤森慎吾勝村正信溝端淳平等々と豪華。音楽も福澤ワールドに欠かせない服部孝之である。

本作は映画作品のため、ドラマでの福沢演出のキモである、どアップの顔芸は控えられているように感じるが、バカでかい会議室での会議や、大部屋に社員を全員入れて、大人数で圧倒する演出は似通っている。

それからこれはネタバレだが、とある場面で「東京中央銀行 本店営業第一部 次長」が登場する。この人は半沢直樹と同じ本店営業部に所属なのか(半沢は第二部)、と見ながらニヤニヤしてしまった。

それにしても、福沢ディレクターは、日本の伝統芸の役者が好きなのだな。歌舞伎、狂言、落語。そういう日本文化へのリスペクトなのだろうか。

Reference YouTube

映画は、推理もののように、会社内にある秘密と組織の狡猾さを暴いていく。
野村萬斎のクセの強い演技に慣れれば(苦笑)面白く見れる作品である。たぶん金田一耕助をイメージしたのだろうか。
その"ハッカク"が、日本のサラリーマンと侍文化を語るモノローグもいい。

半沢直樹のドラマと合わせてお楽しみあれ。

てなことで。


最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました!