猫を飼えばいいんじゃないかな
人生相談的なことをされた。
ひどい男とばかり付き合ってる女の子がいて、見ていられないという内容だった。
話を聞いているうちに浮かんだのは、自分を見失っている女の子の姿だった。男性の目に映る自分ばかり追いかけている。
酷い目にあって、苦労して別れて、すぐにまた彼氏を探す。
何となくわかる気がする。
不安なのだ。誰の目にも映っていないような気がして。
彼氏がいないと、自分の価値がなくなってしまったような気分になる時期が、私にもあった。
相手によって態度を変える傾向がある私。
良い子だったり。反抗的だったり。しっかりしていたり。甘えん坊だったり。どれも自分自身なんだけど、相手が望むような側面を表に出すよう心がける傾向がある。
時々、どれが自分自身のカタチなのかわからなくなる。
誰かにカタチを望んでもらわないと、不安になる。
でも、猫といるときは、そんな不安は微塵もない。
猫は自分のカタチを持っているし、相手にカタチを望まない。
自分が心地よい事を真摯に探究するだけ。
相手に影響を受けやすい私は、同じように心地よさを探す。
そこに、誰の影響も受けていない自分のカタチがある。
猫が撫でて欲しいから膝に上ってきて、私は、それで心地よくなる。
猫が膝に上ってこなくても、そんな気分なんだなと思うだけ。変に気をつかって、ご機嫌を伺う必要はない。
嫌なことは、ちゃんと嫌そうにするから、よくわかる。
撫でたくてたまらなくて抱き上げる時もある。
猫は嫌なら逃げるし、嫌じゃなければ撫でさせてくれる。とてもわかりやすい。
そんな風に自由に生きている猫だけど、不思議なほど、相手の存在を肯定する能力がある。無視してるように見せかけているときも、ちゃんと細目でコチラを観察している。様子が違えば、そっと見にきてくれる。私がココにいることを教えてくれる。
猫といると、とてもニュートラルな自分に出会える。
だから、猫を飼ってみるのもいいんじゃないかなと提案した。
環境が許すならだけど。
少なくとも私は、猫に救ってもらったことがあるし、猫は最高に可愛いよ。そりゃもう、ものすごく可愛い。