【人間観察】即!110番だッ!
友人M君の話だ。
M君には、エリートコース驀進中の自慢の息子さんがいる。
その息子さんから、久しぶりに電話がかかって来た。
いつも電話応対する奥さまは、手が離せない。
しかたなく、M君が応対したらしい。
「ヒデキだけど・・」出るなり、落ち込んだ様子の息子。
「どうした?ヒデキか?声がおかしいなぁ~」M君は詰問調にいった。
「マスク!かけてるからだろう?」息子は一層小声になった。
聴くところによると、息子さんは大切な会社のお金を、支店に運ぶ途中にメトロの棚に置き忘れてしまったとか。その額が380万円で、即!弁償しないとクビになってしまうらしいとのこと。
「・・・」M君はしばらく、言葉が出なかった。
「ヒデキはそそっかしいから・・・ところで、いつまでに、いるんだい?その380万円?」M君は、ヒデキ君に来週いっぱいはかかると返事したら、「駄目だよ!遅いよ!」との返事。
「それじゃあ~!警察にでもお願したら」って、M君は言ったそうだ。すると、電話の相手は「・・・」黙ってしまった。
「キミね~!どこから、その名簿を手に入れたのかしらないけれど・・・。残念ながら名前に振り仮名が入っていないようだね。ウチの息子は(秀紀を)ヒデキって読まないんだよ!」電話の相手は、M君の説明の途中で、豹変した。
「てめェ~!初めっから・・・」M君の演技力に完敗した電話相手は「てめェ~の家の住所は判ってんだから、ブッ殺しに、今から行くから待ってろ!」といって、受話器を叩きつけて切った。
M君は、オレオレ詐欺を懲らしめてやろうと、生半可な正義感を出したことを悔いた!とか。
即!110番だッ!
10分もしないで、自宅まで来てくださった警察官は、「心配ありません!ヤツらは、ここへは絶対にやってきません!飛んで火に入る夏のムシ状態ですモン!そこまでバカじゃあないし、他の家に詐欺電話をしてますよ!」って、オレオレ詐欺特別の緊急連絡先を教わったそうだ。
もしも、ご自宅にオレオレ詐欺なんかが、かかって来てもM君のように、生半可な正義感を出し、間違っても遊ばない方が利口のようだ。
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