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【人間観察】一枚の名刺

先日、顧客先へ同行した某メーカーのW氏が話していた。

彼は、最近<愛妻弁当>を持参するようになったとか。
たまたま、お昼を営業自車中で摂ることになったある日のこと。

あるスーパーの駐車場で<愛妻弁当>を食べ始めたとき、その<事故>というか<事件>が起きた。

三台隣の空きスペースへ、四十歳前後の「ご婦人」の運転する車が、バックで入ろうとしていた。

W氏は食事を摂りながら、『アレッ?入り方が少しヤバイぞ!』と、思った瞬間。

右隣の車へ<ガツ~ン!>とぶつけてしまったのだ。

W氏が、箸の動きを止め、息を止め、成り行きを窺っていたら・・・。

その「ご婦人」の車は、スウ~ッ!と何事もなかったように素早くその場を立ち去ったのだ。

そして、新たなスペースに車を入れたか思うと、ツカツカと車から降りてきた「ご婦人」は、ぶつけた車には目もくれず、自分の車の衝突したであろう箇所を入念にチェックしていたらしい。

「そりゃ~ヒドイ!」<やまのぼ>は思わず叫んだ。

その話を聞きながら、<やまのぼ>は、随分前の体験を思い出していた。

激しい雨の日、ある駐車場に止めていた自分の車に乗り込み、ワイパーを動かしたときのことだ。一枚の小さな紙がワイパーと一緒に動いている。

それは<一枚の名刺>だった。

その名刺の裏側には、こう書かれてあった。

「ゴメンなさい!あなたの車にこすり傷をつけてしまいました。ご連絡下されば、弁償させていただきます」それは、誠実そうな人柄が滲み出るような<文字>だった。

その方とは、いまでも<年賀状の交換のみ>の関係だが続いている。

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