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【人間観察】次の駅で降ります!

先日、営業で出向いた客先でのことだ。

「メトロで優先席を譲られてショックでしたよ」との<やまのぼ>の話に、先方さんは「山尾さん!ご自分ではお若いつもりでも、世間さまから見ると、あなたも立派なお爺ちゃんですよ!」との真顔での返答。

更なる大ショックを受けた。

「それが、乳飲み子を抱いた妊婦さんだったので・・・」「・・・」さすがに先方さんも、それには黙り込んでしまった。

「だから、いいんです!いいんです!私は次の駅で降りますから・・・といいつつ、私は目的地でもない、次に停車した駅で、逃げるように飛び降りて、ホーム伝いに隣の車両に移りましたよ」

「山尾さんのお気持ちもわかりますがね~」

先方さんは、私の振る舞いをフォローしつつ、「そんなときは、ありがとうって言って、一旦は腰掛けるんですよ!それから、もう~すぐ降りますから、それまで掛けさせていただきます」とか、言えばよかったかも?

私は、せっかく好意で、席を空けてくれた人への配慮のなさを恥じた。

断られたからと言って、そうですかと、スゴスゴ座り直すこともできず、今度は譲って席を立った彼女の方が、その場にいたたまれなくなって、目的でもない駅に降りるってなことになるかもしれない。

無言で無関心なようでも、そのとき、あの場に乗り合わせた人々の、痛いほどの視線に耐えるのも苦痛だっただろう。そんな彼女の気持ちを忖度できず、自分勝手な振る舞いに、先方さんの話を聞きながら、しきりに<やまのぼ>は恥じるのだった。

まだまだ若い!と根拠なき自信に燃えているご同輩!

万が一、優先席を譲られるという、予期せぬ場面に遭遇した折には、動揺せず!焦らず!グズグズ言わず!まずは「ありがとう!」と言って、腰を掛させていただこう!

それが、譲った人にも、譲られた人にも、その場で成り行きを見守っている人々にとっても、さわやかな<優先席の上手な譲られ方>のようだ!


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