【人間観察】純真なこころを覗いた!

早く目覚めた朝のこと。

梅雨どきには珍しい、輝く朝日に誘われて、散歩に出かけた。丁度、小学生たちの登校時間のようだ。ピカピカの新入生も、そろそろ学校に慣れて来たころだろうか?真新しいランドセルを眺めながらそんなことを思っていた。

そこへ、背後からやって来た黒色の乗用車が、私を追い越すなりピタリッ!と停まった。そのパワーウインドウが静かに開き、顔をだした男性が、生徒の列の一人に大声で、「○○君!腰掛けてするトイレがあるところを、ウチの子に教えてやってくれる?」と、その子を呼び止めたのだ。

その車の助手席に沈んでいる子供は、おそらく新一年生なのだろう。腹を押えて便意を堪えている様子だ。<やまのぼ>は、随分過保護だなァ~なんて、大昔の小言をいいそうになった。

最近では、車で送り迎えする親御さんはめずらしくもないそうだ。

ところで、呼び止められた、その男の子の返答に<やまのぼ>はウケた!

「それって、トイレにあるよ!」
「・・・」新一年生のお父さんは、言葉を失い複雑な面持ちだった。

確かにそれはトイレにある!

体育館や講堂や、ましてや職員室や校長室にも多分ないだろう!お父さんは、人選を誤ったのを後悔しつつ、その男の子を見送っていた。

子どもの純真なこころを覗けた、なんと清々しい朝の風景だったんだろう。


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