菊地 幟

おいしいビールが飲みたいです

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最近の記事

年をとって 好きになったもの 煎茶 こまつ菜 油揚げ しらす はんぺん お味噌汁 特売の鶏モモ肉を買ってきて フライパンで焼く それに 玉ねぎの酢漬けを添えて 明日の天気予報を見ながら あなたと食べる そんな週末

    • トンネルが終わりに近づいて 向こうから 真っ白な光が迫ってくる そのあまりの明るさに 思わずアクセルを戻した やがて トンネルから続く道と 空と街とが現れて 再び右足を踏み込んだ

      • よれよれに疲れて どうにもならない帰り道は 遠い異国の言語を流す まったく聞き取れない 不思議なリズムの会話が 脳の表面を伝って落ちる 今日の出来事が少しずつ 声の彼方に遠ざかる

        • ふつうのコーヒーを飲みたい ああ!と歓声を上げることのない ふふ、と笑顔がこぼれることのない ふつうのコーヒーを飲みたい 心のひだを揺らさない 目の前の景色を彩らない ふつうのコーヒーを 無表情で飲ませて

        年をとって 好きになったもの 煎茶 こまつ菜 油揚げ しらす はんぺん お味噌汁 特売の鶏モモ肉を買ってきて フライパンで焼く それに 玉ねぎの酢漬けを添えて 明日の天気予報を見ながら あなたと食べる そんな週末

        • トンネルが終わりに近づいて 向こうから 真っ白な光が迫ってくる そのあまりの明るさに 思わずアクセルを戻した やがて トンネルから続く道と 空と街とが現れて 再び右足を踏み込んだ

        • よれよれに疲れて どうにもならない帰り道は 遠い異国の言語を流す まったく聞き取れない 不思議なリズムの会話が 脳の表面を伝って落ちる 今日の出来事が少しずつ 声の彼方に遠ざかる

        • ふつうのコーヒーを飲みたい ああ!と歓声を上げることのない ふふ、と笑顔がこぼれることのない ふつうのコーヒーを飲みたい 心のひだを揺らさない 目の前の景色を彩らない ふつうのコーヒーを 無表情で飲ませて

          今なら言える あの時は言えなかった でも、今なら言える

          今なら言える あの時は言えなかった でも、今なら言える

          あの人 元気かな またいつか 一緒に飲みたいな 飲んで くだらない話をしたい ふと そう思えるくらい 私達は疎遠になった

          あの人 元気かな またいつか 一緒に飲みたいな 飲んで くだらない話をしたい ふと そう思えるくらい 私達は疎遠になった

          すっかり遅くなった帰り道には 遠い国の言語の教材を聴く まったく聞き取れない 感情のこもらない会話が 私の外側を伝っていく ときどき訪れる数秒間の無音が 私の内側を通り抜けていく

          すっかり遅くなった帰り道には 遠い国の言語の教材を聴く まったく聞き取れない 感情のこもらない会話が 私の外側を伝っていく ときどき訪れる数秒間の無音が 私の内側を通り抜けていく

          橋から見渡す朝の町並みが シュレッダー屑のように見えて 週明け

          橋から見渡す朝の町並みが シュレッダー屑のように見えて 週明け

          大丈夫だったんじゃなくて よく分かっていなかった そう思っていたけれど

          大丈夫だったんじゃなくて よく分かっていなかった そう思っていたけれど

          人生は 気分だね 気分こそが 現実だね

          人生は 気分だね 気分こそが 現実だね

          「無理は禁物」とか言って 「無理」が何かも知らないで

          「無理は禁物」とか言って 「無理」が何かも知らないで

          とりあえずでいいから ちょっとで十分だから 何も準備いらないから 後で変更できるから 途中で辞めても構わないから

          とりあえずでいいから ちょっとで十分だから 何も準備いらないから 後で変更できるから 途中で辞めても構わないから

          皆から大きく遅れて 一人で坂を登った 脇の茂みから 鳥のさえずりが聞こえた 足元には 小さな白い花が咲いていた 顔を上げると てっぺんの向こうに 雲を浮かべた空があった 振り向いたら さっき通り過ぎた街が 小さく 小さく きらめいていた

          皆から大きく遅れて 一人で坂を登った 脇の茂みから 鳥のさえずりが聞こえた 足元には 小さな白い花が咲いていた 顔を上げると てっぺんの向こうに 雲を浮かべた空があった 振り向いたら さっき通り過ぎた街が 小さく 小さく きらめいていた

          あの時の私は 強かったんじゃない ただただ 切実だったんだ あの時のあなたは 弱かったんじゃない ほかに 守るものがあったんだ

          あの時の私は 強かったんじゃない ただただ 切実だったんだ あの時のあなたは 弱かったんじゃない ほかに 守るものがあったんだ

          ありがとうと 言わなくてごめん ありがとうと もし言ってしまったら あなたはきっとまた 私に与えてくれるでしょう

          ありがとうと 言わなくてごめん ありがとうと もし言ってしまったら あなたはきっとまた 私に与えてくれるでしょう

          明日のために アイロンをかける 明日のために 早く寝る いつもいつも明日の奴隷

          明日のために アイロンをかける 明日のために 早く寝る いつもいつも明日の奴隷