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あまり励まさないで

親から電話がかかってきた。免許更新のお知らせが届いたという話だった。免許とってたんだ…全く乗ってないから忘れてた。昔の俺はバイトと教習でほぼ休む暇もなく頑張っていた。すごいじゃん。今の俺はダメダメだけど。

用件を伝えた後、案の定「元気にしてるか?」と聞いてきた。俺が酔った勢いで悩みを話してしまったから、今まで以上に心配してくるようになった。その後は決まって「就活は気楽に」「先のことは考えすぎちゃだめ」などと俺の身を案じて、ついでに将来のことに触れてくる。余計なお世話だ。

「のぼるのやりたいようにやりなさい。応援してるから」この言葉を聞いて複雑な気持ちになった。やりたいようにやれというのは、俺を尊重してくれていてどんな結果でも覚悟している、ということなのだろうと思った。だからといって、今すぐ退学してニートの道を選んだらそれはそれで困るだろう。本当にやりたいようにやっていいのか?そうしてしまったら誰かに必ず迷惑をかけてしまう。それは望んでいないことだが、それを考慮してしまったら自分の欲望のまま動けない。俺がやりたいことっていったい…?
応援してると言われるのも好きじゃない。応援は相手が利益を得られるように願ったり、励ましたりと相手のことを思っての行動だと思う。でも応援をされた側は、それがプレッシャーになることもある。俺の場合、応援してくれたんだから無駄にしないように頑張らなきゃいけない、という気持ちになる。裏切りたくない、見捨てられたくないと考える。だから気持ちはより深く沈んでいく。普通だったらやる気が出るのだろうが、不思議なことに全く出ない。

久しぶりに幼馴染がLINEしてきてしばらく話していたが、就活の話題になって「応援してる!」と言われた。自分の今の状況を知っている口ぶりだったので気づいたのだが、親が俺のことを幼馴染に話していたようだ。これ以上広めないでほしいが、きっと親はわからないんだろうな。そのことは言及しなかったから真相はわからないが、まあ当たっているだろうね。俺のせいで余計な心配をさせてしまっている。本当に申し訳ない。やっぱり親に相談しない方が良かったな。

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