広島・大瀬良がノーヒットノーラン達成！ディグプロ6月7日
鯉の心優しきエースが、史上90人目の大快挙を達成しました。
今回は、6月7日に行われた交流戦6試合を振り返っていきます。
※以下一部敬称略、試合順は開始時刻順、同時刻の場合はスポナビ野球速報の表示順に。
巨人対オリックス戦
東京ドーム
18:00プレイボール
スコア 巨人0-2オリックス
スタメン
巨人 オリックス
１ 右 丸 １ 中 中川圭
２ 中 Ｅ．ヘルナンデス ２ 三 西野真
３ 二 吉川尚 ３ 二 太田椋
４ 三 岡本和 ４ 左 西川龍
５ 一 秋広 ５ 遊 紅林
６ 左 立岡 ６ 一 頓宮
７ 捕 岸田 ７ 右 来田
８ 遊 泉口 ８ 捕 若月
９ 投 戸郷 ９ 投 東晃
巨人は中6日で戸郷、オリックスは中5日で東晃が先発します。
オリックスは初回、西野真の打球をセンター・Ｅ．ヘルナンデスがバンザイエラー（記録はスリーベース）したことで一気に三塁まで進むと、二死三塁となって西川龍。フルカウントまで粘っての7球目、落ちるフォークを捉えると、これがライトへのタイムリーに。オリックスが先制点を挙げます。
さらに4回表、先頭打者の紅林が打席に入ると、その3球目。逃げるスライダーを振り抜くと打球はレフトスタンドに飛び込むソロに。貴重な追加点を挙げ0-2とします。
援護面をもらったオリックス・東晃は熱投を披露。初回を三者凡退に抑えて立ち上がると、3回にはヒットと自らのワイルドピッチで二死二塁のピンチを作りますが、無失点で凌ぎます。
この試合最大のピンチといえば、5回裏。東晃はヒットと四球、さらに戸郷の送りバントによって二死二、三塁の場面を招き、打席には丸。フルカウントとなりますが、最後はファーストゴロに打ち取りスリーアウト。ここも無失点で切り抜けました。その後は三者凡退で全て終え、8回111球を投げ2安打、2奪三振、2四球、無失点で降板した東晃。
「すごくうれしいですし、少し気持ちが楽になった」
と、頭部死球で早々に降板した前回の呪縛から解放されたようです。
東晃の熱投によって8回まで得点は変わらず、0-2と2点リードのまま9回を迎えたオリックスは最後に、三連投目のマチャドを起用。
Ｅ．ヘルナンデス、吉川尚をそれぞれ外野フライに打ち取ると、最後は岡本和を三振に仕留めて試合終了。オリックスが完封勝利でカード頭を制しました。
勝利投手：東晃平（2勝3敗）
敗戦投手：戸郷翔征（5勝3敗）
セーブ：マチャド（2勝1敗6Ｓ）
本塁打
オリックス：紅林弘太郎2号ソロ
投手リレー
オリックス：東晃－マチャド
巨人：戸郷－ケラー
ヤクルト対日本ハム戦
明治神宮野球場
18:00プレイボール
スコア ヤクルト4-5日本ハム
スタメン
ヤクルト 日本ハム
１ 中 西川遥 １ 右 万波
２ 右 丸山和 ２ 遊 水野
３ 遊 長岡 ３ 左 水谷
４ 三 村上宗 ４ 一 Ａ．マルティネス
５ 左 サンタナ ５ 中 松本剛
６ 二 山田哲 ６ 二 上川畑
７ 一 Ｊ．オスナ ７ 三 奈良間
８ 捕 中村悠 ８ 捕 伏見
９ 投 松本健 ９ 投 山﨑福
ヤクルトは中11日で松本健、日本ハムは中7日で山﨑福が先発します。
神宮で花火を打ち上げたのは日本ハムでした。
1回表、二死走者無しとなって3番・水谷が打席に入ると、その4球目を捉えた打球はフェンスを超え、レフトへの先制ソロとなりました。さらに歓声も鳴り止まぬ内でした。次打者・Ａ．マルティネスも初球を振り抜くと、打球は左中間スタンドに飛び込むソロに。畳み掛けて日本ハムが2点を先制します。
日本ハムはさらに2回にも無死一、三塁の好機を作ると、伏見のタイムリーによって1点を追加。5回には松本剛が犠牲フライを打ち上げ4点目。0-4とリードを広げます。
しかし、ここからはヤクルトのターン。4点ビハインドで迎えた6回裏に四球、ヒットによって無死一、二塁のチャンスをメークすると、山田哲が2球目をレフトへのタイムリーにし1点を返します。なおも代わった田中正から一死満塁とチャンスを拡大すると、西川遥が押し出しを選び追加点。2-4と詰め寄ります。
さらに7回裏。3番手の河野竜からヒットと四球で二死二、三塁となると、代わって登板した4番手・マーフィーとＪ．オスナ。助っ人同士の対決は2球目、Ｊ．オスナが捉えた打球がレフトに落ちタイムリーという形で決着がつきます。
7回裏にレフト・細川凌の強肩によってさらなる本塁帰還を阻まれたヤクルトは、1点ビハインドで9回裏へ。5番手・杉浦が古巣相手に登板すると、一死走者無しとなってサンタナ。2球目でした。
外角のストレートを一振りすると、打球は大歓声に乗って高い放物線を描き、右中間スタンドギリギリに飛び込む同点ソロに。最終回でヤクルトが起死回生の一発で追いつき、試合は延長戦へ突入します。
流れは10回裏に代わりました。6番手として日本ハムは矢澤を起用すると、先頭の中村悠に四球を与えてしまい、二死二塁のピンチを招いてしまいます。ここで打席には川端。燕の代打の切り札でしたが、腹を括り投げたスライダーは川端をセカンドゴロに打ち取るボールに。見事、ピンチを抑えてチームに流れを引き寄せます。
勢いそのままに、日本ハムは11回に先頭の万波がツーベースを放つと二死二、三塁となって6番手・小澤が暴投する間にランナーが生還。ラッキーな形で勝ち越すと、裏はザバラが抑えて試合終了。日本ハムが延長戦を制しました。そして、10回を抑えた日本ハム・矢澤はプロ初勝利。
「細かいことはできないので精いっぱい腕を振った」
と語った左腕、ウィニングボールは観戦に来ていた両親に渡すようです。
勝利投手：矢澤宏太（1勝1敗）
敗戦投手：小澤怜史（6敗）
セーブ：ザバラ（1Ｓ）
本塁打
日本ハム：水谷瞬2号ソロ
Ａ．マルティネス7号ソロ
ヤクルト：サンタナ8号ソロ
投手リレー
日本ハム：山﨑福－田中正－河野竜－マーフィー－杉浦－矢澤－ザバラ
ヤクルト：松本健－エスパーダ－星－石山－木澤－小澤
DeNA対ソフトバンク戦
横浜スタジアム
18:00プレイボール
スコア DeNA1-10ソフトバンク
スタメン
ＤｅＮＡ ソフトバンク
１ 右 蝦名 １ 中 周東
２ 中 桑原将 ２ 遊 今宮
３ 一 オースティン ３ 三 栗原
４ 左 筒香 ４ 一 山川
５ 二 牧 ５ 左 近藤健
６ 捕 伊藤光 ６ 右 柳町
７ 三 大和 ７ 捕 甲斐
８ 遊 森敬 ８ 二 仲田
９ 投 森唯 ９ 投 モイネロ
DeNAは29日ぶりに森唯が、ソフトバンクは中6日でモイネロが先発します。
ソフトバンクの強力打線がDeNA投手陣に牙を向きます。0-0で迎えた2回、先頭の山川から連打で一死一、二塁のチャンスを作ると7番・甲斐。その3球目を捉えると、打球はレフト方向へ高く上がってスタンドイン。スリーランホームランで3点を先制します。
さらにソフトバンクは3回に栗原のタイムリーツーベース、柳町のタイムリーで2点を追加。4回には山川の押し出し、柳町の2点タイムリーツーベースで3点をさらに追加。気づけば8得点目、0-8と大量リードを取ります。
一方のDeNAは投打共に散々な有様に。先発の森唯が3回途中で降板すると、続いて登板し回跨ぎすることが予定されていた上茶谷が一塁を踏んだ際に左足首を思い切り捻ります（左足首の捻挫と診断）。これで負傷退場すると、3番手の宮城滝も3失点と泣きっ面に蜂でした。
そんな中でも4回裏。この回先頭打者のオースティンが打席に入ると、モイネロのストレートを捉えた打球はレフトスタンドに着弾するソロホームランに。1-8と完封負けは阻止します。
しかし、この日のモイネロは好調。助っ人左腕は4回に一発を浴びながらも、5回には二死二塁の場面で蝦名を三振に仕留めると、6回は三者凡退。7回も二死二塁で森敬をセンターフライに打ち取って無失点に抑えると、8回も三者凡退に抑えて制圧完了。
8回120球を投げ5安打、7奪三振、1四球、1失点という抜群の投球内容に加えて4回にはプロ初ヒットも放ったモイネロは、
「打線が強力なので、しっかり投げ込んでいこうとポジティブな気持ちで投げた」。
とコメント。プロフィールでは左打ながら右打でヒットを打つ器用さも垣間見させました。
6回にも近藤健の2点タイムリーによって追加点を挙げ、9点リードで迎えた9回裏、モイネロの後を継いだのは藤井皓。二死一、三塁のピンチを招きますが、最後は神里を空振り三振に仕留めてゲームセット。ソフトバンクが15安打10得点で快勝しました。
勝利投手：モイネロ（3勝2敗）
敗戦投手：森唯斗（1勝1敗）
本塁打
ソフトバンク：甲斐拓也2号スリーラン
DeNA：オースティン4号ソロ
投手リレー
ソフトバンク：モイネロ－藤井皓
DeNA：森唯－上茶谷－宮城滝－佐々木千－中川虎－坂本裕
中日対楽天戦
バンテリンドーム ナゴヤ
18:00プレイボール
スコア 中日0-2楽天
スタメン
中日 楽天
１ 遊 村松 １ 右 小郷
２ 中 岡林 ２ 遊 村林
３ 三 福永裕 ３ 中 辰己
４ 右 細川成 ４ 三 鈴木大地
５ 左 カリステ ５ 一 フランコ
６ 一 ビシエド ６ 左 阿部寿
７ 二 田中幹 ７ 二 小深田大翔
８ 捕 加藤匠 ８ 捕 太田光
９ 投 涌井 ９ 投 早川
中日、楽天共に中6日で涌井、早川が先発します。
先制したのは楽天。1回表、先頭の小郷があわやホームランという当たりのツーベースでいきなり出塁すると、一死三塁となって辰己がショートゴロを転がす間に小郷が生還。先制のホームを踏みます。
さらに2回。フランコのヒットと涌井の暴投で無死二塁のチャンスを作ると、続く阿部寿の打球がライト線近くに落ちるタイムリーとなり、2点の先制に成功しました。
援護点をもらった早川は気迫のピッチングを見せました。1回を三者凡退に抑えて立ち上がると2回には無死一、二塁の窮地からビシエドを併殺、田中幹を三振に仕留め無失点に凌ぎます。さらに4回には二死二、三塁のピンチを迎えますが、最後はビシエドを三振に仕留めスリーアウト。ここも凌ぎます。
そして、この試合最大のピンチは6回裏。二死から二連打と死球でランナーをフルベースに置くと、打席には代打・中田翔。3球目を捉えられた打球はレフトに抜けるように見えましたが、鈴木大地が横に滑り込んで抑えるファインプレー。最後はバックに助けられ、0で終えました。7回は三者凡退に抑え7回102球を投げ6安打、7奪三振、3四死球、無失点の快投を見せた左腕は
「本当に先輩方が守ってくれた。打たせて取ってっていうテンポで投げられた」
とコメント。守備の選手たちに謝辞を述べました。
早川の降板後、8回は2番手・酒居が登板。二死から細川成にツーベースを浴びましたが、続くカリステを打ち取りここも無失点で繋ぎます。
2点リードで迎えた9回は守護神・則本が登板。こちらも二死から代打・ディカーソンにヒットを浴びましたが、最後は宇佐見をセカンドゴロに打ち取って試合終了。楽天が完封勝利を収めました。
勝利投手：早川隆久（4勝3敗）
敗戦投手：涌井秀章（2勝4敗）
セーブ：則本昂大（1勝14Ｓ）
投手リレー
楽天：早川－酒居－則本
中日：涌井－橋本侑－岩嵜－齋藤綱
阪神対西武戦
阪神甲子園球場
18:00プレイボール
スコア 阪神5-1西武
スタメン
阪神 西武
１ 二 中野 １ 遊 源田
２ 左 前川右 ２ 三 滝澤
３ 右 森下翔 ３ 左 栗山
４ 中 近本 ４ 一 中村剛
５ 三 佐藤輝 ５ 右 蛭間
６ 一 渡邉諒 ６ 二 山野辺
７ 捕 坂本誠 ７ 中 西川愛
８ 遊 木浪 ８ 捕 古賀悠
９ 投 伊藤将 ９ 投 與座
阪神は26日ぶりに伊藤将、西武は中4日で與座が先発します。
0-0で迎えた2回裏、復帰した佐藤輝のヒットから一死二、三塁のチャンスを作った阪神は、木浪がゴロを転がしてしまうものの、中村剛がジャッグルする間に佐藤輝が生還。ファーストゴロで阪神が1点を先制します。
さらに4回、與座からヒットと四球で二死一、二塁の好機を作ると、前川がレフトへタイムリーを放ち2点目。貴重な追加点を挙げます。
2点をプレゼントしてもらった左腕・伊藤将は快投を見せます。序盤4イニングスをヒット1本のみに抑えると、5回に二死から四球、ヒットによって二死一、三塁のピンチを招きます。ここで代打・長谷川信にタイムリーを打たれてしまいますが、後続を打ち取りリードは保ちます。
その後6回は三者凡退に抑え、7回も内野安打から招いた二死三塁のピンチも無失点で切り抜け降板。7回100球を投げ5安打、5奪三振、1四球、1失点の内容で、
「一軍に復帰して自分にとっては大事な試合だったので。7回1失点は良かったと思います。不安もありましたけど、内容はよかったのでホッとしてますね」。
と安堵した左腕。7回の打球直撃のアクシデントにも屈しませんでした。
伊藤将の降板後は8回に桐敷を送り込んだ阪神。一死一、二塁のピンチを招きましたが、中村剛を三振に、蛭間をピッチャーゴロに打ち取り失点は防ぎます。
そして、5-1と4点リードで迎えた9回は漆原が登板。先頭から連打を浴び無死一、二塁と最後の試練の前に立たされますが、代打・鈴木将を三振に、炭谷をレフトフライに打ち取ると、最後は源田をショートゴロに打ち取ってゲームセット。阪神が相手と同じ8安打で得点力を見せつけました。
勝利投手：伊藤将司（3勝1敗）
敗戦投手：與座海人（1勝1敗）
投手リレー
西武：與座－中村祐－田村伊－豆田－上田大
阪神：伊藤将－桐敷－漆原
広島対ロッテ戦
ＭＡＺＤＡＺｏｏｍ－Ｚｏｏｍスタジアム広島
18:00プレイボール
スコア 広島4-0ロッテ
スタメン
広島 ロッテ
１ 中 秋山翔 １ 遊 友杉
２ 右 野間 ２ 右 角中
３ 三 小園海 ３ 中 髙部
４ 左 末包 ４ 左 ポランコ
５ 一 田中広 ５ 捕 佐藤都
６ 二 菊池 ６ 三 中村奨吾
７ 遊 矢野 ７ 一 安田尚
８ 捕 會澤 ８ 二 小川龍
９ 投 大瀬良 ９ 投 美馬
広島、ロッテ共に中6日で大瀬良、美馬が先発します。
広島は0-0で迎えた4回に四球、ヒット、ヒットの間に挟殺プレーが挟まって二死一、三塁のチャンスを作ると、野間が2点タイムリースリーベースを放ち先制点を挙げます。
さらに6回、3番手の中村稔から二死一、三塁の好機を作ると、小園海も2点タイムリースリーベースを放ち、4-0とリードを広げます。
そして、この日の大瀬良は"無双"といっても過言ではないほどのピッチングをしていました。まずは1回、ゴロ2つとフライで三者凡退に打ち取ると、2回には二死から中村奨吾に四球を与えますが続く安田尚をショートゴロに打ち取ります。
3回もライナーとフライ2つと3人で守備を終えると、4回は全てフライで打ち取ります。5回には二死で安田尚から三振を奪うなど、5回までノーヒットピッチング。相手に手を出させません。
そして、試合は後半戦へ。まずは6回、一死から代打・池田来に四球を与えながらも友杉から6-4-3の併殺を取ると、7回はゴロ3つで三者凡退。いよいよ大記録が迫ってきます。
8回も中村奨吾に四球を許しながらも後続をしっかり打ち取ってスリーアウト。ここまでの投球数は110球、満を辞して9回のマウンドに上がります。まずは先頭の代打・ソトをショートゴロ、続く友杉も三振でツーアウト。いよいよ後1人となる中、角中、髙部に連続四球を与え二死一、二塁とします。打席には4番・ポランコ。ヒットを恐れず投げ抜いた2球目、内角のストレートを打たせた打球はライトフライとなって試合終了。見事、大瀬良が史上90人目となるノーヒットノーランを達成しました。
「そういったものとは無縁だと思っていた。まだ信じられない。自分のことじゃないような気持ち。最高の瞬間を皆さんと分かち合うことができた」
と興奮しながら語った大瀬良、最後はナインと抱き合いました。
勝利投手：大瀬良大地（3勝）
敗戦投手：美馬学（2敗）
投手リレー
ロッテ：美馬－横山陸－中村稔－東妻勇
広島：大瀬良
まとめ
大瀬良選手、本当におめでとうございます。9回は二死まで追い込んでから2つ連続で四球を与えてしまうという苦しい最後となりましたが、その最後の試練も乗り越えて大記録を打ち立てました。
史上90人目となる今回のノーヒットノーラン、91人目として球史に名を残すのは一体誰なのか、これからも注目です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
出典・画像引用元
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