あの夏の青春

「青春したいー!」
「ギリギリ赤点バカが何いってんの」
私・真帆がそう言うと、隣の柚葉が言う。
「む。今回はギリギリ赤点じゃなかったもん」
「はぁ…本当にそのままで進路大丈夫なの?」
「聞いてるとだんだん頭痛くなってきた…。あ!夏祭り行こう!」
「もう…。葵も誘う?」
「うん!」
葵、本名・冠城葵(かぶらぎあおい)。成績優秀で首席と、私とは正反対。
「あ、まほちゃん、ゆずちゃん」
「噂をすれば」
教室へ葵が入ってくる。
「ねぇねぇ!海、夏祭り、花火、かき氷、行かない!?」
「増えすぎ」
そう言って私の頭を軽く叩く。
「私も行っていい?夏休みに友達とお出かけ、してみたいんだ」
「もっちろん!行こう行こう!」
葵にそう言うと、ぱっと表情がいつもより何倍も明るくなる。
「よし、夏休みは旅行だ〜!」
「その前に宿題もね」
「え?」
私は葵の言葉に固まるのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーこんな青春私にはなかった…


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