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一般満足度0!私がお勧めする本当に隠れた観光スポットの話。

前回、あまりに無為な秩父旅行の話をしました。
最後の方でも書きましたが、あんな感じの今でも訳のわからない旅行に出かけています。
例えば地図を見ながら、この道の景色はどうなっているんだろうとか、思い立ったら次の休みに出掛けて、そして「こんな感じか」って感想を抱いて帰っていきます。美味しいものも観光名所も寄りません。コンビニで買った軽食が全てなのです。

しかし時折、本当に感動するような景色に出逢います。そして、その景色を本当は誰かと共有したいと思っているのです。しかし、まず場所からしてお勧めしにくい事が多々あります。そうなるともう、自分の胸の内に秘めておくしか無いのです。

今回、noteという媒体をいい事にその胸の内を明かそうと思います。
当方、埼玉県人なので首都圏から日帰りで行ける場所しか挙げられませんが、機会がありましたら是非訪れてみてください。
きっと「あぁ、こんな感じか」ってなるはずです。

1.林道妙高小谷線・小谷村側

いきなり林道です。オフロードです。
はなから人をふるいにかけます。

林道妙高小谷線は、新潟県の妙高高原から長野県の小谷村を結ぶ林道です。妙高高原の最奥にあるキャンプ場の先からオフロード区間が始まります。

これは妙高側の景色

道幅は狭く、フラットなダートはよくある林道って感じで走りやすいです。そんな記憶に残らない妙高側の林道は乙見山トンネルというトンネルで峠を迎え、そこから先が小谷村となるのですが、景色が一変します。

トンネルの先に待ち受けていた絶景

林道はよく走っているのですが、これほどの絶景はあまり見たことがありません。
特筆すべきはその路面状況。

テレビとかで一度は見たことがあるかと思います。南米、たぶんチリあたりの崖っぷちでバスとバスが離合するようなあんな映像。
あれのジャパンスケールみたいな道です。もう大興奮です。写真撮ってません。

えっ?それだけですよ。あとなんか、下の方に行くとジェラート屋さんあるんで寄ってったらいいんじゃないですか。美味しいですよ。

2.群馬県南牧村・奥の方の集落

もう、人の家です。勝手に観光スポットにしちゃいけない。
群馬県南牧村は日本一高齢化の進む過疎地域です。そんなに離れていない場所に長野県の南牧村があります。群馬県は「なんもく」長野県は「みなみまき」です。テストに出ません。
里山に抱かれて、川の綺麗な村ですがそれだけです。ごめんなさい。

県道93号を長野方面に進んでいくと、最初は普通の田舎町という感じなのですが、徐々に様子がおかしくなっていきます。
道幅がグッと狭くなり、いかにも山の中…!という雰囲気になり、建物も木造建築のものしか無くなっていきます。たぶんトタン作りが一番新しい家です。

よく、昔ながらの街並みと言って関東近辺では川越や会津、飛騨高山などが観光名所になりますね。あれを地で上回っています。
本当に、全部木造って感じです。ベランダとか普通に踏み抜きそうです。
私は田舎の風景が大好きで、よく観光地でもないところをドライブしたりしますが、このレベルの集落はいまだにあったことがありません。廃村一歩手前です。
あの町並みはホラーゲームSIRENの世界に入ったような感覚でした。よく、「秩父の浦山地区の廃村がSIRENの羽生田村のモデルで〜」とホラー系YouTuberが突撃してますが、こっちの方がよっぽどそれっぽいです。まぁ、まだたぶん人がお住まいになってらっしゃると思うので、廃村まわった方がいいと思います。ので、写真はありません。でも、南牧村の観光課の人、あの辺の集落、意外と都会の人にウケますよ。

えっ?それだけですよ。近くに蝉の渓谷とかはありますけど。寄ってったらいいんじゃないですか。

3.群馬県道46号線神流〜甘楽区間

ただの道です。道路マニアかな。
ちょっと甘楽側から辿っていきましょうか。写真は無いですが。
甘楽町はちょっとした城下町で、周辺はそぞろ歩くには良い感じの整備された古風な町が広がっています。でも、川越みたいなのを想像するとすごいがっかりします。

県道46号を神流方面へ。緩やかな勾配とともに、山に抱かれた集落が姿を表します。ゆったりした空気を孕む良い田舎の風景です。
そして46号は塩沢峠へと登り始めます。
この46号線、無茶苦茶狭い上、見通しの悪い急カーブが小刻みに続きます。対向車が来るとまぁ、危ないです。

しかしそこは峠道。待避所は至るところに設けられています。青い看板と共に「この先待避所⚪︎⚪︎m」の文字が出ています。

……で、何処だったの?待避所。
さっぱり分かりません。
道は完璧に崖沿いに沿っているので、いわゆる普通の山道とは違い、崖が凹んでいれば道もそれに倣っています。適当な感じがスゴい。
つまり、その崖沿いに沿った道が少しでも広くなっていたら、そこが待避所ってことです。適当な感じがスゴい。

みかぼスーパー林道。高度感はこんな感じ

だいぶ上って来ました。塩沢峠はみかぼスーパー林道という、山の上を貫く林道に接続するので最終的にめちゃくちゃ高くまで行きます。
普通、峠って一番高いところまで行ったらあとは下るだけですが、ここはしばらく高いまんまです。

さぁ下りましょう。
ここで一つ地理関係を把握します。
現在塩沢峠。下ると神流町ですが、神流町は北は山に、南は神流川に挟まれた細長い集落という感じです。

要はこのめっちゃ高いところから下るまで悠長に道路を伸ばしている地理的な余裕が無いってことです。九十九折りにしたって限界があります。
よく高度を稼ぐために使われるのがループ橋ですが、そんな大層なものはありません。
いったいどうやって下まで下るんでしょう。

さぁ、前代未聞の急勾配へようこそ。


ってのは言い過ぎですが、かなり急勾配です。
それも最初は丁寧に九十九折ってるのですが、途中からやる気を無くしたみたいな急勾配になります。下りは道が見えなくなるくらいカックンってなってます。マジでブレーキが効きません。
よく急勾配の峠道では「急勾配!エンジンブレーキ併用!」みたいな看板が出てますが、大概併用しなくても速度を出しすぎなければフットブレーキのみで行けますが、ここはダメです。マジでエンジンブレーキ併用してください。死にます。
逆にここを上る際は急な立体駐車場より遥かにGを感じます。アクセルから足を離さないように。落ちます。

私はこの適当に作ったような走りづらすぎる46号線が大好きです。酷道ってほどでもないし、あまり注目もされませんが、かなり笑えます。

えっ?それだけですよ。
恐竜センター寄ってったらいいんじゃないですか?

4.奥只見シルバーライン・国道352号枝折峠〜尾瀬ヶ原御池登山口区間

ようやく観光地っぽいところが出てきました。
奥只見は新潟県魚沼市と福島県檜枝岐村に跨る観光名所です。毎年晩秋から初夏の間まで冬季通行止めになる区間でもあります。
例えば北アルプスの観光名所である上高地は毎年11月15日〜4月末までの冬季閉鎖なのですから、この半年間の冬季通行止め期間は特異かと思われます。
暑い暑いとエアコンつけ始める時期も冬季通行止めってるのですから、そりゃ異常です。私が行った時は7月になっても冬季通行止めでした。

さて、奥只見シルバーラインから紹介しましょう。
皆さんは奥只見シルバーラインという名前からどんな景色を想像しますか?
例えば福島県の磐梯山には磐梯山スカイライン、磐梯吾妻レークライン、磐梯山ゴールドラインがあり、そのどれもが風光明媚な絶景を楽しむことができます。
長野県の首都圏からもたくさんの観光客が来るビーナスラインも有名ですよね。
〜ラインといえばやはり絶景ドライブを満喫できるイメージがあります。


絶景の一例。磐梯山スカイラインより。

え、奥只見シルバーラインの景色?無いっすよ、んなもん。

奥只見シルバーラインはもともとダムの工事用道路でした。また有数の豪雪地帯ということもあり全長22kmのうち、18kmがトンネルとなっています。

奥只見湖側の入り口

「景色見えないんじゃ行ってもしょうがないじゃん!」
言いたいことは分かります。もうずっとトンネルです。ですがここで注目してもらいたいのは「ダム工事用」の「トンネル」ってことです。

つまりバカでかい車両が通れなきゃダメなんです。
それがどういう景色を作り出すかと言うと…

あっ、写真無かった。
あの、すごいね。広いんですよ。縦にも横にも。
で、素掘り区間も多いんですよ。あの、ほら、ぼこぼこってなってるの。

気分はインディ・ジョーンズです。たっぷりと冒険気分を楽しみましょう。

また奥只見は紅葉の名所でもあります。ぶっちゃけ紅葉以外オフシーズンみたいなもんです。これだけで終わらせたくない方は紅葉シーズンに行きましょう。

さて、奥只見シルバーラインから帰ってきて、そのまま国道352号線を福島県方面に向かいましょう。
この先は枝折峠という峠です。
枝折峠は雲海・滝雲が見られることで有名な峠で、シーズンには多数の観光客が自然の大スペクタクルショーを見に訪れますが、そんな甘っちょろい道でもないです。

とにかく道幅が狭い。そのくせ高度感すごい。
峠って大抵高度感感じないまま上がってくイメージがあるんですが、この峠は常に「上がってますよ」って景色を見せつけてきます。

そして私のおすすめポイントは銀山平までの下り。あの高度感から緑の中にダイブするように下ります。そして目に焼きついて離れない大自然の中に現れる真っ赤なスノーシェッド。
なんたるミスマッチ。が、だからこそカッコいい。彼が本領を発揮するシーズンには誰もここを訪れることは出来ませんが、それでも人知れず道を守り続けているのです。写真?私の目に焼きついて離れないからいいんですよ。んなもの。
ここからさらに福島方面に向けて進んでいきますよ。

勇気なき者は去った方が懸命です。

お手元のスマホとか地図でこの辺りの地図を見てみましょう。銀山平温泉、探せましたか?じゃあそれを尾瀬ケ原の御池入り口まで辿ってみましょうか。

…何もねぇ!!


何もありません。本当に何もありません。だいたい山道って何かしらはあるんです。茶屋とか道の駅とか。ここは民家の一つだって何もないんです。

じゃあ何があるんでしょう。
絶景です。呆れるほどの絶景です。

北海道の有名なローカル番組「水曜どうでしょう」の「ヨーロッパリベンジ」では北欧のフィヨルドという絶景の中、車で700km近くを走り続けるのですが、あまりの退屈さに出演者・ディレクター共に精神に異常をきたすシーンがあります。
私はこの区間を走っている時、スケールは違えど「多分こんな感じなんだろうな」とハンドルを握っていました。正直、二度と行きたくないです。なので写真は無いです。
あっ、でもおススメですよ!ぜひ一度行ってみてください!

ちなみに福島側から尾瀬ヶ原に入る際は、奥只見湖を船で突っ切れるので、こんな道を走る必要はないです。

えっ?これだけですよ。もう十分じゃないっすか?


いかがでしたでしょうか?
これが私のおすすめする観光スポットです。
肝心の写真が一つもありませんでしたね?
だって、あなたの目で行って確かめて欲しいですもの。見て見てこの景色!って写真を貼り付けるのは無粋です。私は貴方の素敵な旅路のサポートをしたまでです。

訪れた際は是非とも感想をお聞かせください。
尚、苦情・クレームの一切を受け付けません。


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