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【関東大学サッカー】駒澤大学が大逆転優勝を掴むには -“乗り越えるべき壁“と”貫く駒澤スタイル“-

今年の関東大学サッカーリーグは、残すところ11月13日(土)に開催の実質最終節のみとなった。優勝戦線も最終局面に入り、首位・明治大、2位・流通経済大、3位・駒澤大までが可能性を残す。

この記事では、駒大サッカーをコマスポ記者として
大学時代から6年間見てきた私が、
関東大学サッカーリーグ1部の最終局面を占う。
未だ見たことのない駒大優勝の可能性と
駒澤大学卒業生・ガチサポとしての誇りに懸けて綴ることとする。

〇現状の整理。

最終節の対戦カードは

駒澤大VS筑波大(11時キックオフ)
明治大VS流通経済大(14時キックオフ)

最新の順位表は以下の通り。(関東大学サッカーリーグHPから引用)

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3チームが勝ち点2の中にひしめく大混戦の中、各チームの優勝条件は以下の通りだ。

明大:流通経済大に勝利
流通経済大:明大に勝利
駒澤大:筑波大に勝利かつ、明治VS流経大が引き分け。

いや駒大の条件厳しすぎるでしょ。自力優勝は消滅かつどうしても勝負を決めたい明治と流経の引き分けって。。。しかも筑波には前回対戦で完敗とは。。。。


しかし、上記は一般論だ。6年も駒大と大学サッカーを見てくれば
「大学サッカーは一般論で終止するほど単純なものじゃない」
そんな境地に入ってくるし、駒大を応援している以上一般論を信じる意味が全くない。
わずかでも残っている可能性に賭けるほかないのだ。

これからは、そのわずかな可能性を具体的かつ抽象的に考察・展望していく。

○駒大サイド:難敵・筑波大を打ち倒すために参考にしたい“3年前とサガン鳥栖“

大逆転優勝を語るには、そもそも駒大が勝ってもらわなくてはいけない。
しかも、この日は某伊勢路とは違って追う立場だ。

相手は難敵筑波大。今シーズンの初回対戦では1−3で敗戦を喫した相手だ。
もとよりポゼッションサッカーによるシステマチックなスタイルの筑波大と、
ハイプレス・パワーサッカーの駒大は相性が悪い。

前からのプレスをかわされ、空いたスペースを突かれてしまう。まるで闘牛場のような試合展開から何度も辛い目にあってきた。私が現役時代は筑波大戦の前にはやや重たい雰囲気が漂っていたのも懐かしい。

しかし、しかしだ。
そんな相性の悪い相手でも打ち崩せる方法があるとしたら?
過去の成功体験と直近の参考事例から紐解いていく。

思い返すこと2018年。
同じくリーグ戦最終節に駒大VS筑波大の対決があった。
その試合は駒大が1−0で勝利を収めたが、
この試合では徹底的かつ連続性のある
奇襲攻撃を仕掛けてスコア以上の差を見せつけた。

攻撃では当時4年生だった安藤翼(現・SC相模原)の強靭なお尻フィジカルと最前線・室町仁紀のポストプレーを起点にゲームメイク。筑波大屈指のCBコンビ、小笠原圭祐(現・ロアッソ熊本)と鈴木大誠(現・FC琉球)にボールをほとんど弾かせず、陸空で主導権を掌握した。安藤と室町のボール収めを起点に、両翼に構えたテクニックタイプの中原輝(現・モンテディオ山形)とスピードタイプの坂本和雅が瞬く間に仕掛けに行く。
「攻撃は最大の防御」とはいうが、相手に丁寧かつハーモニーのあるビルドアップなんてさせる気はさらさらないハードロックなスタイルを貫いた。万が一前線に侵入されても、三笘薫(現・ユニオンサンジロワーズ)や西澤健太(現・清水エスパルス)らトップレベルな攻撃陣に時間・隙ともに与えない屈強な守備網を構築した。
いくら4年生の最終節、チームの成熟度が最大級だったとはいえ、J内定者6人を揃えた当時の筑波大を蹂躙した一戦である。

上記は超長いな説明なのでわかりやすくまとめると、
「相手が土俵に立つ前に襲え」というのが結論である。
まるで昭和プロレスのような破天荒スタイルではあるものの、
これがその時の正攻法だった。

現に、先日行われたJ1リーグ・鳥栖VS川崎の一戦はとても参考になる。
サイドから手数をかけすぎずフィニッシュまで持っていく速い攻撃、
相手のビルドアップを叩き潰すための前線からの鬼プレス。
現に、鳥栖の金明輝監督もコメントで以下のように語った。

川崎フロンターレさんに勝つとしたら高い位置からプレスをかけて、引っかけて(中に)入れ切るかしかないと個人的には思っています。後半を見てもらってわかるように引いて守れる相手ではないと思っています。

そう、おっしゃる通り。引いて守ったら相手の土俵の上に立つほかない。
だったら、相手が土俵を組む前に場外乱闘に持ち込むのが
ハイプレスvsポゼッションの常なのかもしれない。

ちょっと話が逸れたので駒大VS筑波大に戻すと、
結局ハイプレス。じゃあハイプレスをするためには
「狂うほど走れ、仲間のために、勝利のために戦え、焦れるな」
と一気に抽象的なメッセージになる。

しかし、今年上位に食い込んだのは
徹底された駒澤スタイルと一人ひとりの鍛錬のおかげなのである。
自信を持って戦って欲しい。

〇駒大サイド:波状攻撃を生み出す生命線・ウイングバックの活躍は必至

今年の駒大で注目が集まるのは
13ゴール FW土信田悠生(ロアッソ熊本加入内定)
11ゴール FW宮崎鴻(栃木SC加入内定)
11ゴール FW荒木駿太(サガン鳥栖加入内定)
と屈指の破壊力を誇る3トップ。とにかく異次元だ。
1人が潰されようがもう1人、2人と出てくる重厚感。安心感がすごい。

ただ、筑波大の最終ラインも山原怜音(清水エスパルス内定)を筆頭に大学屈指のDFが並ぶ。一筋縄ではいかないだろう。しかも、こちらが隙を見せればサラッと攻撃に転じ、ゴール前まで迫られてしまう。得点ランクトップのFW森海渡には決められたくない。(駒大にはデビュー戦でハットトリックを決められている苦い思い出あり)

そう考えた時、最前線にベストなパフォーマンスを発揮してもらいつつ、
攻守のバランスを一定に保つことが必要になるだろう。
そこでだ、今年駒大好調の要因であるウイングバックの奮闘がカギ。
攻撃では突破、クロスで最前線のタレントを生かし、
守備では5バックの両端で相手の攻撃の起点を摘む必要がある。

左サイドはここ数試合のパフォーマンスを考慮すれば
桧山悠也が入るだろう。
秋田浩一監督は毎年終盤になると
「最後は信頼できる4年生を使う」というポリシーがある。
そう考えれば、対人の強さと鋭いアーリークロスをもつ桧山に託すだろう。

予想が難しいのは右サイド。ここ数試合は中村一貴がスタメン起用されているものの、前節はハーフタイムを待たずに同ポジションの島崎翔輝と交代した。負傷か戦術的交代かは不明なため、予想が難しい。

献身性と粘りが持ち味で、ロングスローという飛び道具も持つ中村か。
得点力や突破力、スピードもある島崎か。
どちらも魅力的だが、スタメンに入れるのはおそらく一人。
そして、途中交代で必ず入ってくるだろう。勝負を決める活躍にも期待だ。

○首位・明大VS2位・流経大の直接対決の行方は・・・?

結論:お願いだから引き分けてください

○さいごに

主観的かつ偏った記事はいかがだっただろうか。
簡単にまとめれば、明日の試合では
・まず勝て
・狂ったように走り、筑波の組織を破壊するのが勝利の鍵
・2試合目は引き分けるよう成田山新勝寺に祈ってきます

という感じだ。

おそらく、ここまで語りまくった私が
駒大のガチサポとして見る関東リーグはこれで最後になるだろう。

私がコマスポに入部した2016年はインカレ目前で大敗した最終節。
サッカー取材班チーフになった2017年は辛くも残留。
現役最終年の2018年は全国準優勝と、兄さんたちに夢を見た。
同期たちが有終の美を飾った2019年は10戦勝ちなしも奇跡の残留。
1個下の後輩たちはコロナ禍に巻き込まれながら2020年を耐え抜いた。

そして、自分がコマスポの現役最終年だった
2018年に入ってきた1年生が最終学年になり、
今、僕が見たことのない栄冠を勝ち取れるところまで来た。


1年次からチームの主軸として台頭し、キセキの世代と目され、
2年次はトップの厳しさを感じながら、同世代では横綱相撲で日本一、
3年次にはそれまで燻っていた原石たちも徐々に磨き上げられてきた。
彼らの卒業と優勝を見届けるのが、おじさんの幸せです。

悔いの残らんよう、学生らしく戦ってくれ!!
コマスポのメンバーに優勝の瞬間を見せてやってくれ!!
頼むぞ〜!

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