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格闘技にわかの私が「THE MATCH 2022」を現地観戦したんだが。

「那須川天心が好き」理由はそれだけだった。チケット代に25,000円。
ただ、その価値以上の体験が東京ドームの中に詰まっていた。

私は立ち技格闘技の知識は大変乏しいので、ここからの駄文を許してほしい。

2022年6月19日、私は胸を躍らせつつも複雑な気持ちで水道橋に向かった。
野球では何度も来ていたから、場所へのワクワクではない。
格闘技を初めてみるからこそのドキドキでもない。

ついにこの日が来てしまったことへの緊張感と高揚感が混在していた。

那須川天心VS武尊。このカードが格闘技界全体で渇望されていたのは知ってる。
ただ、RISEとK-1という2つの団体のトップが直接対決をすることは勝敗以上の結果をもたらすようで、どうやら実現するのにかなりの時間がかかったらしい。
勝った男、勝った団体という評価でもされるのだろうか。

「俺が誰とやるの見たいっすか!」と客に問いかけていたのも数年前、
じわじわと動き出し、表立った動きが見えたのも多分2年くらい前。
格闘技にわかの私でもわかる「世紀の一戦」が実現してしまうわけだ。

あの時、那須川天心VSフロイド・メイウェザージュニアの試合を見て、
勇敢な若者に心打たれた私は、天心選手の試合があれば必ず見るようにしていた。
そんなこんなで天心サイドでこの日記は進んでいきますので悪しからず。

○試合が始まるまで

この日の興行は武尊VS天心だけではなく、K-1VS RISE両団体の選手たちの試合が対抗戦のような形で計15試合を行った。

特に印象に残ったファイターだけ挙げておく。今後もウォッチしたい。
・ブラックパンサー ベイノア
・YA-MAN
・白鳥大珠
・笠原友希
・芦澤竜誠
・レオナ・ペタス⇦この選手はかなり推せる。

終盤までは両団体ともに一進一退の攻防を繰り広げていたが、
最後の3連戦は原口健飛、海斗のRISE勢が連勝してメインイベントに繋いだ。
メインイベントは格別というか、別次元だったが、結果を見ると天心の背中を押す形で決着したわけだ。

私は特に立ち技の観戦が初めてだったので、いろいろな選手を知れる機会になった。
レオナペタスに関しては、負けてしまったけれどファイトスタイルと端正な顔立ちに惚れ込んだ。次戦は進退をかけて戦うらしい。超期待。

○にわかが試合レビューする

そしてメインイベント。煽りVTRが2部構成みたいになっていたし、試合の幕間でも別のVTRが流れていた。なので、それまでの経緯に詳しくない人にとっても2人のこの一戦にかける思いが理解できる興行構造となっていたように思う。

開始前には会場に訪れていた著名人もカメラに抜かれ、VVIP席を占める美男美女の集団に圧倒された。菅田将暉は坊主だし、TAKAHIRO&武井咲夫妻は微笑ましく美しかった。

会場の雰囲気としては、みんなとうとう「勝敗が決する」という緊張感に包み込まれていた様に思う。これまで騒いでいたお姉さんたちや、試合中過激なヤジを飛ばしていた兄ちゃんたちも固唾を飲んでちょっとした厳粛ムードすら出来上がっていた。

そして煽りVの極め付け「これは敗者を決める戦い」との表記。
緊張感と高揚感が織り混ざった静的な空間がビッグエッグを包む。

まず入場したのは新生Kー1の申し子・武尊。入場演出ではクレーンにちょっとしたお立ち台に乗ってめちゃくちゃ高いところから入場してきたが、やや下をむきながら自問自答をしているような感じ。気合いが感じられる。花火、火柱、ライティングが煌びやかだった。

続いて、「止まらないHa~Ha」が特大ボリュームで響き渡り、
 RISEの神童・那須川天心がリングへ向かう。真っ正面を見て、ワゴンの縁に手をかける余裕かつ堂々とした姿に会場は沸いたが、あれは絶対に高所にびびって捕まっていた気がする。あれは絶対に怖い。

いざゴングが鳴ってからは武尊は大味のパンチを狙っているような気がした。天心の方はジャブの手数を増やすことで距離を稼いでいた気がするなと。
そんなことを思っていたら1Rもあと少し。武尊が倒れた。天心がカウンターで放った左フックがモロに武尊の顎に入り、崩れ落ちるようにリングに伏せることとなった。

このダウンを機に試合は加速。オープンスコアリング(1ラウンドごとの公開採点制)だったため、全ジャッジが天心を支持していた。2Rからはスコアで劣勢となった武尊がどんどん手数を増やしていく展開になったが、天心は持ち前のスピードでいなす展開に。

最終ラウンドでは武尊があえて天心にパンチを打たせ、効いてないぞとばかりに笑みを浮かべる陽動作戦を実行。おそらく天心が踏み込んできたところにカウンターをぶち当てる作戦だったが、その手に乗らなかった天心。機を見て軽打を当て続けて、自らのペースを崩すことなく3R終了のゴングがひびき渡った。

結果は5−0で那須川天心の快勝だった。両者並び立ち、涙、抱擁。天心のウイニングインタビュー「俺、勝ったんだよ(涙)」にこちらも一発もらいました。

○武尊

私は天心推しだったので、どうしても、図らずしてもヒールっぽく見えてしまうのは仕方なく、、、全然そんなことないのはわかっていながらも、倒してほしい気持ちがそうさせる感はあった。

でも、Kー1を背負って闘う以上、新体制で復権を目指す以上は毅然として「俺はここで待つ」という姿勢を貫いていたのは素人目に見てもカッコよかった。どんなに「逃げるな」みたいなことを言われたってここまで漕ぎ着けた訳で、その意志の強さが運営側を動かしたのかもしれない。

試合ではその呪縛を抱えながら戦っているようにも見えて、ちょっと苦しそうだった。序盤で劣勢になってからは必死に戦う姿勢が前面に出ていた。美しくはなかったかもしれないけど、魂と気合いで戦っている姿に感動した。

○那須川天心

なぜ彼が好きか、「素直で強い人」になりたい気持ちが、我々の心のどこかにあるからだと思う。結構この気持ちを持っている人は多いんじゃないかな。理想像の生写しというか。人として好感が持てるし、格闘技を盛り上げよう、そのアイコンになろうと先陣を切っている姿は側から素人目で見てもわかる。

一方、試合では冷静な一面を見せながら終始試合巧者ぶりを貫いた。
相手との距離をとりながらスピードマッチに持って行くと、相手のカウンターをさらにカウンターの左拳で一閃。終盤に武尊が繰り出したニコニコ陽動作戦にも付き合わず、メイウェザー戦からの成長っぷりまで見せた。

キックボクシング卒業式としては最高のパフォーマンスだったと思う。
私自身立ち技格闘技初観戦、最初で最後のキックボクサー・那須川天心だった。

これからボクシングに転身することを考えれば、格闘IQの高さも見せつけていた。


○今度も立ち技格闘技、見に行きたいな

初の観戦でオールスターゲームを見てしまったもんだから、立ち技への興味がかなり沸いている現状。そんなきっかけを与えてくれた2人に感謝しかない。

こんな気持ちを持てる人が増えたら、結構格闘技界盛り上がるんじゃないかな、、、にわかで恐縮です。

最後はさらっと。また後日

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