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リモートドラフト会議〜その2〜❤️田中の恋❤️〜

 夜も深まり、例によって先生は酩酊し始めて、時折「コインランドリーに行って乾燥機をかけてきます」「乾燥機が止まっているのか見てきます」と言っては、席をはずした。私も夕飯がまだだったので、セロリと菜の花と豚肉を、オイスターソース、マヨネーズ、酒、塩胡椒で炒めてご飯と、菜の花と豆腐のお吸い物で夕飯を摂りながら会話に参加していった。

 先生は時間が経つごとに文豪味を増して、一回会話から抜けたり、そして眠るのかと思いきや、通話に再び入ってきたりして、自分の世界の中で楽しくお酒を飲んでいる事が伝わってきた。

 そして最近は休肝日を設け、健康的な生活をしようとしている先生が「もう寝ますおやすみなさい」と言い置き、通話を抜けると残ったのはブルベ美人、田中、私の3人の通話となった。

 すると田中が「最近デートで忙しくて」というような話をし始めた。しかしまだ付き合ってはいないらしく、お相手から大層気に入られているとの事。もうバレンタインもあるし、そろそろ自分から仕掛けていきたい、との事だった。

 ブルベ美人と2人わくわくしながら根掘り葉掘り話を聞いていく。田中は人懐こい面があり、自分の悩みを自分の周りの色々な人に相談する。

 今までも様々な話を聞いてきたが、「年上か年下どちらが自分には合っているか?今選択肢がある状況で迷っているんだけど」の問いに対して「モラハラ気質で、えらぶりたい人だから絶対年下が合う!だけど、暫くしたらお互いに良く知っている職場だったりボランティアの中で相手を見つけるでしょうね」と、返答したのを覚えている。自分の事は全くもってわからない私だが、自分以外の人の事ならだいたいわかる。 

 田中は「モラハラ」と言われた事が頭から離れない様子で、最近ずっとそれを言い続けている。「そんなにモラハラかな?」そんな時私は必ず「大丈夫だよ、顔が良いから自信持って!」と言う。今の時代、こんな言い方もセクハラになるのかな。でも田中は顔が良い。そして、そんな田中から私は「占い師になると良い、向いている」と言われている。

 タロットや数秘術でも独学で学ぼうかしら。それはさておき、気合いを入れてカジュアルなプレゼントを贈りたい、との事。相手の負担にならないような、気持的に重くない物。何が良いかを皆で考える。「大袈裟なのは駄目、まだ付き合う前というのがポイントだから」と田中は慎重に言った。

 田中その2へ続く

 


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