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RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO に行ったよ その3

◾️坂詰克彦/RED STAR CAFE STAGE

怒髪天の坂さんのアー写につられてついレッドスターカフェまでふらふらと来てしまいました。

時間になり新人歌謡歌手のような黒スーツに身を包んだ坂さんが現れ、カラオケ音源で持ち歌である「待っているのよ」を披露。

東北ライブハウス大作戦inレッドスターカフェはライジングサンでも随一のミニマムでゆるいステージ。それは知っているつもりでしたが、とにかくゆるかったです。
坂さん目当てで集まっている人たちなのに二番くらいからもう手拍子もまばらになってた。そのくらいのゆるさ。

その直前には隣に見えるレッドスターフィールドでゴスペラーズが美しいハーモニーを響かせており、その後には吉川晃司が甘く艶めかしい歌声を聴かせてくれる、というその合間の時間に、我々は一体なぜここに集いさっきまでふんどしだったおじさんのカラオケを聴いているのかという疑問がよぎらなくもない謎の空間なのですが、何度かライジングサンに行っているとこういう時間こそがもっとも贅沢な時間の使い方な気がしてくるから不思議です。

坂さんはそのあとファーストソロシングル「今夜も始まっているだろう」を歌い上げ、持ち歌二曲を披露したあと、照れ臭そうにサイン会の告知をして夕日とともに颯爽とステージを去っていき。

観客の手の中には、坂さんが教えてくれた「坂さんの誕生日と吉川晃司の誕生日は同じ、翌日の8月18日」という情報だけが残ったのでした。よくわからないけど、生きていく上で大切な時間だった気がします。ありがとう坂さん。

◾️吉川晃司/ RED STAR FIELD

陽も落ちて涼しくなってきたので、テントに上着を取りに戻るも「一目だけでも吉川晃司の胸筋を見たい」という思いでもう一度レッドまで歩きました。
精霊の守り人のときのジグロが……好きで……。

ウエノコウジ、生方真一らロックフェス成分強めの楽器隊に挟まれ「LA VIE EN ROSE」を歌う氏の姿を拝み目に焼き付けて、ボヘミアンガーデンへ。

佇まいが格好良いのはもちろんですが、なんというか、質量が凄かったです。みっしり詰まっている感じがする。内容量が。少しではありましたが観られて良かったです。

◾️真心ブラザーズ~石狩フォーク村~/BOHEMIAN GARDEN

今回は初めて足を踏み入れるボヘミアンガーデンで、なんだか実家に帰ってきたような気持ちになりながら見た真心石狩フォーク村。
これは前のキャンパーズの時にも見たのですが、メンバーは豪華ですがフォークでまったりだから極限に疲れてる体だと簡単に眠気に誘われてしまうという私にとっては魔の企画です。

真心によるテーマソングのあとフジファブリック総くんが一曲目に出てきて北の国らしいナンバーとして「なごり雪」を。「季節感バッチリだね!」と真心先輩にいじられていました。

なごり雪はとても合ってて、まるでフジファブリックの曲かのようでした。そう思うほど総くんの歌はこの10年で本当に進化したんだなあと思うので、10年後にはめちゃくちゃラップスキルが上がってる可能性があるなと思いました。

その後GLIM SPANKYの松尾レミちゃんがプカプカを、峯田が帰れない2人を披露。
しかし、このへんでどっと一気に疲労と眠気が襲ってきて、やむをえず後ろの方で死体化。
民生も出てきた気がするけど私の脳は半分寝てるし永ちゃんのモノマネしてるしで本当に民生だったのかどうかわからない

限界が来たのでテントに体力を充電しに戻って横になっていたら、残って観ていた夫から「最後にみんなで出てきて空にまいあがれやったよ」と速報が届き、ああ良いよね……空にまいあがれは良い曲だよね……と思いながら意識を失いました。やはりフォーク村は魔境……

ちなみにこないだ前のカバーズを見返してたら、真心の演る「私の彼は左利き」がとても良かったので、石狩真心アイドルソング村とか石狩真心筒美京平村とかもいつかやってほしいなあなんて思ったりしました。

少し休み、メインのサンステージに向かって歩いているところで花火が。花火の終わりと同時にヘッドライナーのエルレのSEがかかり、皆がサンステのほうへ向かいます。


◾️ELLEGARDEN/SUN STAGE

ごく個人的な話ですが、エルレは休止前の06年くらいに一度だけライブ行ったことがあり、そのとき(今思えば音響のためだと思うんですが)音が潰れて頭で曲を補完しないと聞き取れないみたいな状態で。

ギターロックのライブでは別段珍しいことでもないんですが、その頃そこそこの大人になりかけていたため「自分はもうこういう激しいギターロックを聴ける耳じゃなくなってしまったのかもしれない」と勝手に思って、その後なんとなく足が遠のいてしまったそんな経験がありました。

だから、10数年ぶりにライジングサンのステージで見た今回のエルレへの私の感想は、めちゃくちゃ当たり前かもしれないですが、ちゃんと音が聴き取れる!!歌が聞こえる!歌詞が!聞こえる!MCが聞こえる!耳がきこえる!!うれしい!!でした。

そうなったらあとはもう、メロディと言葉の力がとても強いバンドなので、全部がストレートに入ってきます。

通路に溢れた人の中で観ていたのですが、周りではボーイズというには少し年を重ねた同年代くらいの、元ボーイズのお客さんたちが一生懸命声を張り上げて歌っていて、普段なら合唱は……と思われる行為かもしれませんが今回はその光景も込みで良いなあ、と思いました。
それぞれの青春とともにあった曲たちだもんなあ、という感じが伝わってきて。

MCで、拾えないし拾わなくていいのに丁寧に客席の声を全部拾おうとしてキレる細美さんを見てあーこんな光景あのライブのときも見たなと懐かしくなるひと幕も。(普段から見てる人にはおなじみなのかもしれません……)

細美さんが「10年も経つと恥ずかしいけど(お客さんへの)愛が溢れちゃってよ!」みたいなことを言ってましたが、10年経つとこっちもその手のちょっと青くて気恥ずかしいと思っていたMCを諸手を上げて受け入れられるようになるもので、こんなご時世だしもう恥ずかしがったり斜に構えてる暇はないのです。

メンバーのMCで聴けた「初めて出たのが02年でまだそんなに有名でなかったエルレを初めてフェスに呼んでくれたのがライジング」という話もよかった。

ヘッドライナーは初登場の大物が務める場合も多くて、それはそれで普段見られないスペシャル感があって良いのですが、こういうライジングサンとの関係性があるヘッドライナーはまた独特の趣があって良いなあとしみじみ。

セットリストが活動再開前の、それもベスト盤のような内容だったこともあって、最初の何曲かはノスタルジックな気持ちで聴いていたりもしたのですが、後半に行くにつれてちゃんと現在進行形のライブが形作られていったように見えました。
とくに台風で泣きを見た後の野外で聴く「風の日」、「ジターバグ」は格別の味わいがありました。
その直前まで山王戦の三っちゃんのように、「もう俺は腕も上がんねーのによ……」というスタミナ切れ状態だったにもかかわらず、気づいたら自然と拳を振り上げていました。
MCで細美さんは「メンバー3人が楽しんでくれてたら良いなと思う」とも言ってましたが、観客としては4人がそうなら良いな、と思いながらラストの「スターフィッシュ」を聴いていました。

改めて観るほど、「メインストリームど真ん中で、大勢の人の期待を背負って立ち、それに応え希望であり続ける」ということはものすごい胆力のいることなんだろうなあと思いましたが、10年ぶりに帰ってきたエルレガーデンは、名実ともにヘッドライナーの名にふさわしい貫禄を身につけていたように見えました。
個人的には十年越しのライブのリベンジができた気にもなって、本当に嬉しかったです。

ちなみに一番好きなMCは「最近老眼がひどくて、どんぶりを食べてても中身が見えない、何食べてるのかわかんないんだよ」でした。

◾️iki orchestra/PROVO

唯一の皆勤賞、我らが中村達也の今年のバンドはiki orchestra。 Reiちゃんと前田サラちゃんとひなっちとおれっち(by達也)のバンド。
1日目のTWIN TAILが中止になってしまったのは悲しいけど、2日目にikiがあって本当によかった。

エルレを最後まで見ていたので、そこから走り、ギリギリ間に合ったものの、既に四方をお客さんがびっしり囲んでいて平地に近い低いステージはほぼ見えず。
4人が向かい合う形のステージなのはちらっと見えました。後から達也のインスタで見たらバトル感もあってかっこよかったです。

最初にひなっちと達也のリズム隊のセッションぽいのから始まったけど、PROVOは低音がすごい響く音響なので相性が抜群。

「血湧き肉躍る」という言葉があるけど「なるほどこれか〜〜」という感じに中村達也を聴くと毎度なります。火山とか温泉を訪れると気力が充填される感じというか、原始的、大地的な何かこうあれするやつ(語彙力の消失)
とにもかくにも石狩の大地に中村達也の太鼓が響いたらそこがライジングサンのへそなんだなあという気持ちになります。よくわからないたとえですけどそうなんです。

これはほんとうにあった怖い話なんですけど、ここまでで完全に足腰をやられて疲労と眠気で瀕死の体がね……なんと気づいたら……飛び跳ねてたんですよ……。
これがミスターライジングサンの力か……と思っておそろしくなりましたね。
ライブが終わって数日あとに腰痛が悪化しかねないところまで含めて怖い話です。

「この音が俺をよみがえらせる 何度でもよ」とばかりに、エルレには上半身と左脳を生き返らせてもらい、ikiには下半身と右脳の息を吹き返してもらって、難しいことを何も考えずひたすらワーッとなってました。
ひなっち、Reiちゃんはもちろんサラちゃんが!かっこよすぎて惚れ惚れしてしまった。Reiちゃんもかわいい!ってお客さんとひなっち?に言われてうるせえ!って返してたのがかわいかった。(エンドレスループ)

レコードを出してないバンドなのでセトリとかわからず、あっても気にする頭ももはやあまりなかったですが、Reiちゃんの曲はけっこうやっていたような気がする。

最後に拍手とアンコールが鳴り止まず、もう一度出てきてくれて披露したのはエアロスミスの「Walk This Way」。
ここでようやく人が動いてステージがよく見えました。
さらにDragon AshのATSUSHIさんが飛び入り。メンバー皆に「ステージめちゃくちゃ狭いけど大丈夫?舞える?」と心配されつつ咲いたり咲かせたり舞い踊ったりしていました。
毎年、ボヘミアン夜中のCaravanとかを見ているとATSUSHIさんが出てきて舞うので、個人的にはライジングサンの妖精みたいな印象なんですが、今回ここに舞いにきた時は本当に妖精みたいな出現の仕方だな!と思いました。
最後まで全員もれなく格好良くてめちゃくちゃ良かったです。
PROVOのステージは天井の装飾が綺麗なのもあって、異空間の入り口みたいになってました。

ikiも終わり、一時的に生き返ったものの、HPがギリギリなことには変わりないので、おとなしくテントに帰ろう……と思ったら、公式から東北ライブハウス大作戦ブースでLOW-ATUS(TOSHI-LOW+細美武士のユニット)やります、の通知が。
気づいたら足はそこに向かっていました。
去年たしかあそこのトシロウが一番おもしろかったので……

まだつづくの?その4に?

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