世界に5%しかない、スペシャルティコーヒーの限界
スペシャルティコーヒー。コーヒー好きの間ではすっかり馴染みのある言葉になりました。
生産からカップまで、一貫した生産体制で品質管理が行われている価値観。
世界に5%しかないコーヒー。サスティナビリティにトレーサビリティ。
いろいろ言葉を並べたりしますが、要はこれまでより抜群においしいコーヒーだってこと。
さらにそれだけじゃなく生産者にも優しい仕組みで、ずっとおいしいコーヒーが飲み続けられる仕組みで作ってますよってこと。
そんな完全無欠なコーヒーに、限界があるなんて思いませんでした。
そもそもスペシャルティコーヒーとは何なのか
今さっき雑な説明をしておいて、ここでちゃんと説明をします。
よく言われる言葉ですが、コーヒーはフルーツです。
よく思い浮かべるコーヒー豆というのは、このコーヒーチェリーの種。
それを6分から10分くらいかけてじっくり焼いてできたのが、よく見る茶色いコーヒー豆です。
よく誤解されますが、コーヒーは農作物なんです。
だからおいしいコーヒーというのは、バリスタがこだわって作る一杯じゃなく、マスターがていねいに淹れる一杯でもありません。
農家の人が手塩にかけて育てたコーヒーが、おいしいコーヒーなんです。
あとはそのおいしいコーヒーを、いかにして美味しさを損なわないようにするかの戦いです。
そんな中で、特にていねいに作られたおいしいコーヒーのことをスペシャルティコーヒーと呼びます。
いろいろ定義がありますが、こんなふうに思っておいてもらえるといいと思います。
スペシャルティコーヒーを飲む意味は、もう少しあります。
品質に見合った価格で取引されるため、農家の人にわたるお金が多くなります。
コーヒーは安く買い叩かれることが多かったので、頑張った分しっかりむくわれる仕組みになっています。
ここも詳細の説明はちょっと飛ばしますね。
要はスペシャルティコーヒーはおいしくて、持続可能なコーヒーだってことです。(頭の良い人、補足お願いします)
スペシャルティコーヒーの限界
最近、そんなスペシャルティコーヒーにも限界があることに気がつきました。
先ほどもお伝えしたように、コーヒーは農作物です。
出来がいいときもあれば、悪いときもある。
ちゃんと収穫できるときもあれば、嵐ですべてが吹き飛んでしまうこともある。
おいしくできても
おいしくなくても
実がなっても
実がならなくても
買い取れる仕組みが必要だと思うんです。
おいしいコーヒーだけが高く買い取られて、価値がまだないから安くなってしまっていては、投資もできずに品質も上げられない。
それにスペシャルティコーヒーがいくら美味しいといっても、その美味しさだけでは伝わらないことがあります。
味なんて気にしない人も、世の中にはたくさんいますよね。(悪い意味ではなく)
僕が言いたいのは、品質を上げるとか、コーヒーのおいしさでアピールするのは限界があるなってことです。
そう考えると、スタバの仕組みはどう考えても最強だなって思うんです。
コーヒー豆は農園で丸ごと買うし、相場より上乗せしたプレミア価格で毎年安定的に買ってくれる。
世界各地にあるファーマーサポートセンターでは、農業支援もしてくれるし、災害など収穫前に何かあれば低金利の融資もしてくれる。
コーヒー農家にとってこんな心強い味方がいるのかと思います。
世界規模でそこまではできなくとも、いずれはそういった本格的な農業支援もしていきたい。
味だけでは限界があるからこそ、飲むことに意味のあるコーヒーを提供していきたいと思いました。
ここでサポートしていただいたお金は、すべてコーヒーの研究費に使わせていただきます。新しい生豆を購入して焙煎や抽出の研究をしたり、新しいコーヒー器具を購入してレビューしたりします。あとたまに美味しいもの食べます。笑