ラオスのコーヒー農園に行ってきた。
こんにちは。NO WAVE COFFEEの奥田です。オンラインでのコーヒー販売や、焙煎機のシェアサービス「シェアロースター」の運営、それからCAMPFIREのパートナーとしてクラウドファンディングの無料サポートを行なっています。
先月、ラオスのコーヒー農園を見学に行かせてもらいました。
じつはコーヒー農園自体に行くのははじめてのことで、いろいろ発見があったのでここに残しておきたいと思います。
目的はいくつかありますが、まずは生産地に一度は出向くことで、ほんの一部でも現状を知ること。
もし可能であれば契約をして、生豆を買う仕組みを構築できないか、というのが2番目の目的でした。
普段コーヒーロースターが農園に行こうと思うと、今回のようなツテを頼っていくか、自分で開拓していくしかありません。(最近だとツアーもあります)
自分で開拓していくには、継続的にその農園でコーヒーを購入し続けて関係を築いていく必要があるそうです。
それも農家からすれば、生豆を購入する意思のある人が来てくれることが前提になるので、ロースター(もしくは輸入業者)側は数百kgの購入ができる販売力が必要になってきます。
そのため農園巡りと一口に言っても、なかなかハードルが高いというのが実情のように感じます。
今回はWhite Monkeyという、女優の搗宮姫奈(つきみやひめな)さんが手がけるコーヒーショップに同行させてもらう形でラオスに行ってきました。
はじめてのコーヒー農園
ラオスの農園には合計5箇所お邪魔させてもらうことができました。
まずはその様子がこちら。
収穫期の直前に行ったので、まだ完熟したコーヒーチェリーがずらっと並ぶ、という感じではありませんでしたが、ていねいに栽培されたコーヒーノキが所狭しと並んでいたり。
ときには苗が育つまで、コーヒーノキの苗のすきまに野菜を植えている農家さんもいました。
どこの農家さんも暖かく迎え入れてくれて、栽培の話だったり、農家を受け継いだきっかけの話だったり、いろんな話をしてくださいました。
ちなみにですが、どうやってコーヒーになるのかの一部もここで簡単に紹介してみます。
まずは先ほどの写真の赤い実を収穫。その種を取り出します。
これを発酵させて、乾燥させたものをパーチメントと呼ぶのですが
このあと表面の殻を取り除いてあげます。
それを農園でやると、杵と臼が出てきました。
これで殻をガンガン叩いて破って、殻(パーチメント)と生豆を分けます。
この殻を分けるのに、今度はザルが出てきます。
アジアだけあって、日本と文化が近いですね。
ちなみにこの鮮やかな手つきで粉々になったパーチメントを捌いているのが、今回のコーディネーターのソンパイさんです。毎日やってるのかな、と思うくらい鮮やかな手つきでした。
完成した生豆がこちら。あとはこれを焙煎機で焼くと、よく見る茶色いコーヒー豆になります。
ラオスのコーヒー農園の現状
ここからは個人的な感想になります。コーヒーのクオリティの側面から考えると、ラオスという国はまだまだこれから伸びていきそうな国なんだろうなと感じました。
コーヒーはただおいしく作ればいいというものでもなくて、丁寧に栽培しても収穫するときに未熟な緑色のものを収穫してしまったり、こだわっていない農家の収穫したコーヒーと混ざってしまったりすると、途端に品質が落ちてしまいます。
土づくりから、栽培、収穫、発酵、選別、すべてにおいてどこか一つでも気を抜いてしまうと、おいしいコーヒーは作れません。
そういう意味でいうと、ラオスでこだわった品質の高い豆を作るには農家さんにとって乗り越えるハードルが多いような気もします。これは農家さんがどうとかではなく、仕組みの部分にも多く課題があるように感じました。
それに品質のいいコーヒーを作って、安く農協に売り捌くのではなく、適正な価格で売るということが農家さんにとって本当にしあわせなことなのかは
その農家さん次第なところもあるような気がします。
高い収入を得るには、その分やらなければならないことも増えるということになるので、何を選択するかは農家さん次第なところもあるんだと思います。
ただアジア全体で見れば、コーヒーのクオリティは格段に上がっているし、農家さんの得られる収入も増えてきているはずです。
現にラオスでも、コーヒーの味のクオリティに熱意のある農家さんにもお会いすることができました。
これはタイでコーヒーショップを経営されている方が、ラオスのコーヒー農家さんたちにカッピング(コーヒーのテイスティング)をレクチャーしているところです。
どのような味を持つコーヒーが国際的に評価され、価値になるのかを学んでいました。こうしてみると、これまでお会いした方は若い方が多いような気もします。
みなさんとても真剣で、この方達の作るコーヒーがとても気になります。(見学させてもらったのは別の農家さん)
農家さんたちとカッピングする、という経験もなかなかできないものでしたが、こういった方々といつか何か一緒に取り組めたら楽しそうですよね。
最後に
農業大国のラオスにとって、コーヒーが一大産業であることは間違いありません。
ただもう少し、農家さんたちが本質的に何を求めていて、僕たちがそれにどう応えられるのかは考える必要がありそうでした。
NO WAVE COFFEEとしてやっていきたいことの一つに、こういった農家さんとの取り組みがあります。
支援、というと上から目線に聞こえてしまうのですが、いつか何か一緒に取り組めらたらいいなと考えています。
そのためにもいろんな農家さんと話し、よりたくさんのコーヒーを売れる状況を作る必要がありそうです。
12月にまたタイの農家さんにおじゃまさせてもらえそうなので、ちょっとずつ進めていきます。
ではまた。
ここでサポートしていただいたお金は、すべてコーヒーの研究費に使わせていただきます。新しい生豆を購入して焙煎や抽出の研究をしたり、新しいコーヒー器具を購入してレビューしたりします。あとたまに美味しいもの食べます。笑