のびパパ

香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクで延べ21年間海外勤務。エ…

のびパパ

香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクで延べ21年間海外勤務。エネルギーアナリスト。新興国・エネルギー関連勉強会「金曜懇話会」代表世話人。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?』『原油暴落の謎を解く』他。「岩瀬昇のエネルギーブログ」連載中。

最近の記事

のびパパ軽井沢日記:#13 浅間山噴火による巨大な火山石は・・・

 朝方まで残っていた雨が上がり、久しぶりに青空が広がった2021年9月9日の午後、恒例の100分散歩に出かけた。  予定とおりというべきか、あちらこちらで別荘や住宅の新築工事が再開している。  軽井沢町では毎年、夏を迎えると関係者に「工事自粛」を呼び掛けている。  たとえば今年も、公式ホームページに7月1日「夏季工事の自粛にご協力ください」と題して、次のような呼びかけを掲載していた。 〈軽井沢町では、静養に来られる方の静穏の保持や、工事車両による渋滞発生の抑制のため、工事

    • のびパパ軽井沢日記:#12 川端康成「別荘」は「ブループラーク」を拒否していた

       今日(9月7日)昼ごろ、車を運転していたら「FM軽井沢」が「軽井沢町、川端康成別荘の保存を断念」というニュースを伝えていた。  帰宅して検索してみると、全国紙「朝日新聞」もこのニュースを報じていた(2021年9月7日10:30『川端康成が「みづうみ」執筆の軽井沢の別荘取り壊しへ 町が保存断念』https://www.asahi.com/articles/ASP967332P96UOOB005.html)。  ニュースの要点は、藤巻進町長が神奈川県の不動産会社に電話し、解体

      • のびパパ軽井沢日記:#11 軽井沢の9月は炬燵がいるのか?

         秋雨前線が停滞しているためか、連日雨まじりの暗い日が続いている。  昨日(9月3日)雨の合間を縫って散歩に出たが、やはり小雨に濡れてしまった。例年、たくさんの栗の実が落ちているところでは、まだ実を結んでいない小粒のものが落ちていた。  最低気温は15~16℃で、1週間前とさほど変わらない。だが、最高気温は10℃ほど下がって17~18℃しかないのだ。  ふと、学生時代に読んだ立原道造の日記を思い出した。  火災で焼け出される前だったと思うが、追分の「油屋」で夏を過ごして

        • のびパパ軽井沢日記:#10 ノーベル賞作家 川端康成の元別荘を保存しよう・・・

          「軽井沢新聞」のオンライン・ニュースサービス「Karuizawa.web」によると、ノーベル賞作家 川端康成の別荘を保存しようという動きが活発化しているようだ。  同紙は、8月11日「ノーベル賞作家 川端康成の別荘売却、解体か」、8月24日「軽井沢観光協会と観光ガイドの会、川端康成別荘の保存を町長に要望」、そして8月27日「『川端康成別荘、町の考えは』全員協議会で質問相次ぐ」と連続して報じ、現所有者の理解と協力を得て、別の場所に移転して保存する可能性があることを報じている。

        のびパパ軽井沢日記:#13 浅間山噴火による巨大な火山石は・・・

        • のびパパ軽井沢日記:#12 川端康成「別荘」は「ブループラーク」を拒否していた

        • のびパパ軽井沢日記:#11 軽井沢の9月は炬燵がいるのか?

        • のびパパ軽井沢日記:#10 ノーベル賞作家 川端康成の元別荘を保存しよう・・・

          のびパパ軽井沢日記:#9 秋茜も、ススキの姿も・・・

          東京が猛暑に襲われている今日8月27日、軽井沢も27℃まで気温が上がった。 暑い。 ひとしきりルーティンのデスクワークを片付け、恒例の100分散歩に出ると、往く夏を惜しむかのようにミンミンゼミが喧しく鳴きしきる中、秋茜が飛んでいた。 のびパパが小学生のころ、昆虫採集が夏休みの宿題だった。 8月末になると、東京郊外で採集できる昆虫の種類は限られてしまう。 だから新学期初日に提出する宿題は、少々さみしいものになってしまっていた。 もっと早く始めればいいのだが、なかなかそうはいか

          のびパパ軽井沢日記:#9 秋茜も、ススキの姿も・・・

          のびパパ軽井沢日記:#8 もう、秋・・・

          「イデア的感性の持ち主」であるのびパパは、世の中の動きに疎い。 たとえば、何がこれから流行りそうか、なんてことはまったく分からない。 「野菜のブーケ」との異名のあるサンドイッチを売る「ポタスタ」をヒットさせていた数年前、「次はメルティですね」と漏らしていた「フレッシュネスバーガー」創始者・栗原幹雄氏の話を聞いていると、この人は異星人ではないか、と思ってしまう。今では「ポタメルト」というグリルドチーズサンドイッチなどを売る店を展開しているとのことだ。 新大久保のチーズタッカル

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          のびパパ軽井沢日記:#7「御影用水」ふたたび・・・

           2021年8月22日(日)夜、櫻井泰斗/ユウコ夫妻のYoutubeチャンネル(生配信)では「御影用水」が話題に上り、ひとしきり盛り上がっていた。同チャンネルの「結論」は、「通行禁止」なので「公道以外はご遠慮を」とのことだった。  本欄『#5ヨーロッパの「運河」に似た御影用水は・・・』の最後を、次の文章で締めくくったのびパパとしては、「えッ?」というのが率直な反応だった。 〈軽井沢を訪れる人にはぜひ、時間を割いて散歩して貰いたい場所の一つである〉  たとえば、「#5」で写

          のびパパ軽井沢日記:#7「御影用水」ふたたび・・・

          のびパパ軽井沢日記:#6バックで駐車は余所者?

          〈住んでいる環境が性格・行動に大きな影響を与えている〉  と、大上段に構えたが、これは高校時代に『風土』(和辻哲郎、1935年)を読んだときの衝撃を言語化したものだ。  感情の起伏が激しく、独りよがり、だが、真剣に生きる目的を模索していた青年のびパパは『風土』を読んで、大学で人文地理学を勉強しようと思い立ったのだった(弊著『超エネルギー地政学』「エネルギーフォーラム社」2018年刊、の「はじめに」参照)。  たとえば・・・。  ヨーロッパの農民は、一日の労働が終わると鍬や

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          のびパパ軽井沢日記:#5ヨーロッパの「運河」に似た御影用水は・・・

          (写真は「レジーナリゾート軽井沢御影用水」のものです)  初めてタイを訪れたのは1975年12月、会社派遣の修業生として香港大学で北京語の勉強を始めた年のことだった。  たまたまオリエンタルホテルのプール周辺で開催されていた泰国三井物産のクリスマスパーティに参加させてもらった。チャオプラヤ川を渡る風が救いだったが、汗をかきながらのクリスマスは初体験だった。  その後、再訪のチャンスはなく、30年経った2005年9月、三井石油開発のバンコク事務所長として赴任した。  30

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          のびパパ軽井沢日記:#4軽井沢のクマさん

          散歩コースに「熊さん家」と書いた標識がある曲がり角がある。車の通るアスファルト道路から、雑草が道の真ん中に生えている砂利道に入るところである。 砂利道に入って上っていくと左手にブルーベリー畑があるので、僕たちは「ブルーベリー畑の小道」と呼んでいる。 砂利道に入ってすぐそばに「熊川」(仮名)という標識が、奥まったところの住宅へ連なる私道の外にたっている。「熊川」さんが、友人知人が訪ねてきたときに分かりやすいように、曲がり角に「熊さん家」という標識をたてているのだ。 この標

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          のびパパ軽井沢日記:#3谷間の白百合、今は・・・

          軽井沢生活を始めて8年目、知らずしらずのうちに自然に目が向くようになっている。 子どものころから観念の世界に遊ぶことに長けていた僕は、小動物や鳥、虫などはもちろん、庭に鎮座している樹木も道端に咲く草花も、おおよそ関心の対象になることはなかった。 たとえば、家を飛び出して外に行っても遊び友達がいないと、戻って将棋盤と将棋の駒を使い、架空の水泳大会を実況中継して遊んでいた。 「第一のコース、古橋廣之進くん。第二のコース、前畑秀子くん。・・・」 でたらめである。 大人になって

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          のびパパ軽井沢日記:#2生まれ変わったら、もう一度

          旅の醍醐味は「日常」からの離脱だろう。 大昔のことだが、仲人をお願いした高校時代の恩師から「Eがどうしているか、知っているか?」と聞かれたことがある。一浪して東大に入学したものの、インド旅行にでかけたまま音沙汰がないのだそうだ。 あの時代、『何でも見てやろう』の著者・小田実のように海外貧乏旅行に出かける若者が多かった。旅の途中で、たとえばインドで現地の雰囲気に染まり、働くことに「無意味」さを感じ、沈没してしまう者もよくいた。Eもその一人だった。 彼らは「日常」から離脱し

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          のびパパ軽井沢日記:#1教えたくないけど、知ってほしい「軽井沢観光スポット」

          ほぼ同じ時期に軽井沢生活を始めた櫻井泰斗・ユウコ夫妻の各種発信は、非常に興味深く拝見させていただいている。最近、ご夫婦は推奨する「軽井沢観光スポット」を初級編から中級編、上級編、そして超上級編として配信し終えたばかりだ。  2014年夏から過ごし始め、すでに8年目を迎えている僕たちは、観光客とはいえず、移住者でもないが、一年の半分ほどを毎年軽井沢で過ごしているので、ある種の生活者といえるだろう。  したがって、櫻井夫妻の推奨される「軽井沢観光スポット」シリーズは、家族や友

          のびパパ軽井沢日記:#1教えたくないけど、知ってほしい「軽井沢観光スポット」