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言い訳の神

今日は私の脳内のパートナー(笑)、パルック神をご紹介します。とうとう気が触れたか!?と、ヤバさを感じて本スレッドの登録をスッと抜ける人がいるかもしれませんw。

最初にビジュアルとして鮮明に登場してきたのは8年前、初めてウルトラトレイル(100kmの山道)マラソンレースに参加した時のことです。このレースは、普段は封鎖されている、延々と風景の変わらない砕石路の林道をひたすら登ったり降ったりで、リタイヤ者を救助に来たジムニーでもパンクするとか、コースの途中に「この先、天然エイド」という看板にホッとしたのも束の間、沢の水がちょろちょろ流れているだけだったとか、ツッコミどころが満載です。ワラーチに夢中になり始めていた私は、それは流石に無謀、という周りの声を聞かずに、よりによってロードでも僅かな凹凸が感じられる薄さ2mmソールのワラーチで出走しました。今考えても、知らないって本当に恐ろしい(笑)。フルマラソンを超える距離を走る走力そのものはトレーニングしていたのですが、50kmを超えたあたりから、足裏への鋭い入力が頭から離れなくなり、60km過ぎの下りでは、分厚いソールの流行りの靴(HOKA)を履いたランナーが颯爽と駆け降りていくのに、私は裸足で割れたガラスが散らばった路面を歩いているような、そんな気分でしか歩けなくなりました。その辺りから、「ここまでよく頑張ったよ」「今日は日曜日。明日月曜日だろ?お前はサラリーマンなんだから、あまり無理するな」「HOKAが当たり前のコースでそんな薄いワラーチでここまでこれただけ、すごいと思うよ」と頭の中に次々に私に語りかけてくれる声が響き始めました。其奴はだんだん頭の中で姿を現し始めたのですが、その格好が、「ひょうきん懺悔室の神様(→40代後半以降の方しかご存じないですよね・・w)」のような白装束、白塗りの顔、頭には天使の輪らしきものが浮いているのだけれど、よく見ると丸い蛍光灯のように紐が出ている(ということで「パルック」と命名(笑))インパクトの高い姿。。その後70km手前の大エイドでリタイアし、サルベージにやってきた軽トラの荷台に揺られて麓まで戻る最中にも、すでに頭の中から去っていった、自分が諦めるための言い訳を私に語りかけ続けてくれた、さっきの神様?のことが頭から離れられずに、地図の後ろに鉛筆で、その脳内に出てきた人のイラストを書き殴ったのでした。

麓に戻ってきてから、身体はどこも痛くなく、疲れも全くなく、トラックであればそこから40kmくらいなら走ることができるかもな・・という体力が残っているのに気づき、「言い訳の神」のイラストをもう一度眺めると・・うーん、どう見ても自分だ(笑)、ということにその時初めて気づいたわけです。つまり、諦めるか、もう少し挑戦するかは、結局自分が決めることなんだと。

その次の年、前年と違いもう少し厚手のワラーチを履き、砕石路の山道をひたすら往復するトレーニングもして臨んだレースでも、其奴(つまり自分w)は脳内にしっかり登場してきたわけですが、脳内に登場してきたパルック神を、ゆっくりと抱きしめてあげることにしました。言い訳や弱音を吐きたい自分自身を抱きしめ、初めてゴールテープを切った時の感動と涙を、私は今でも忘れません。

その後、言い訳の神、パルック神と命名したそのイラストは、私にとって辛くなった時、悩んだ時のお守りになっています。天使の輪でなく蛍光灯なので、多分偽物だと思いますが(笑)。

今日も素敵な1日を!

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