パワーハラスメントに直面した場合の対処法


 皆さん、こんにちは。今回のブログ記事では、労働者が直面する問題である「パワーハラスメント」について、対処法についてご紹介します。 
 厚生労働省は、パワーハラスメントを「職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」と定義しています。職場内での嫌がらせやいじめ、従業員に対する誹謗中傷は、精神的・身体的な健康に悪影響を及ぼし、場合によっては従業員はメンタルヘルスを害してしまい、メンタルクリニックに通院を余儀なくされるなど深刻な事態に陥る場合があります。
 職場においてパワーハラスメントを受けたと感じた場合、まずは上司や人事部に相談しましょう。コンプライアンスが整った会社であれば一定の解決が得られる可能性が高いです。それでも解決が難しい場合には労働審判や訴訟等などの法的手段を検討することも必要かもしれません。
 労働審判とは、会社と従業員等とのトラブルについて、迅速に解決するための手続きのことをいいます。労働審判は、裁判官(労働審判官)1名と労働関係に関する専門的な知識と経験を有する労働審判員2名で組織された労働審判委員会が関与します。大きな特徴として紛争の早期解決のために、原則として3回以内の期日で審理し、適宜調停を試み、調停による解決に至らない場合には、事案の実情に即した柔軟な解決を図るための労働審判を行います。
 弊所ではパワハラ案件ではありませんが労働審判申立書作成業務を行ったことがあります。東京地裁で行われた期日にも同行しました。相手方は弁護士の先生が代理人でした。当時東京地裁では司法書士も傍聴が可能でしたので、私は傍聴席に座って、審理の行方を見守っていました。実際、2回目の期日に和解が成立し、依頼者はそれなりの解決金を受け取りました。
 但し、弊所では労働審判に限らず訴状などの裁判所提出書類の作成支援は依頼者が弁護士の先生からお断りされた案件や依頼者が本人訴訟を強く希望する場合にお受けするようにしています。
 経験上、労働審判であれ地裁の裁判であれ弁護士の先生による代理の方が依頼者に有利であり、裁判外での和解も柔軟に行うことができると考えています。
 本題のパワハラ事件に戻りますが、損害賠償額が140万円を超えそうなパワハラ事件の場合も弁護士の先生に相談することをおすすめします。法務大臣の認定を受けた司法書士には訴額140万円を超える代理権はありませんので訴額が140万円を超えてしまった場合、依頼者をサポートする力が弱くなります。
 弊所が簡裁代理訴訟で取り扱ったパワハラ案件は事業主がパート従業員に行ったもので、人事部など相談する窓口もなく、損害賠償額も低額なもので、弁護士の先生にもなかなか相談できないような案件でした。このように管轄が簡易裁判所の民事訴訟となる案件では認定司法書士は十分に力を発揮できます。以前パート先で叱責されたり、いじめられたりしてていやな思いをした場合などは近くの司法書士に相談してみてください。

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