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地方移住はあり? なし? その成功例に学ぶ (3)

前々回からの対談は、宮崎で様々なメディアやPR事業を手掛けている、恒吉浩之さんにお話を伺っている。恒吉さんは、宮崎市内でちょっとイベントやメディア、文化系の話をすると必ず名前が出てくるという、宮崎カルチャーの立役者的な立場の人である。

昨今宮崎は、餃子の購入率日本一になったりと、「餃子の街」になりつつある。これまでのいわゆる名産品は、県外の人に売るためのものであり、自モノと人が口にするものではなかった。だが餃子は実際に宮崎で多く消費されており、それが名産品として認知されるようになった。

そんなブームの影にも、恒吉さんがいる。


■「宮崎餃子」の影に

小寺:今、この宮崎でやってらっしゃるお仕事って、スナック運用の他は全部メディア関係ですよね。

恒吉:メディアと、あとはPR支援系で。メディアのほうは東京の仕事がやっぱりどうしても多いですね。PR系はけっこう東京ともやってますけども、市とか県とかと一緒にやってたりとかも多い感じですね。

小寺:僕からすると、県外からやってきてなんかあっという間に市とか県とかの仕事をするようになっちゃって、そこがすごいな、って思うんですよね。

恒吉:ああー。

小寺:普通はなかなか役所と接点がないんですよね。地元にそういうことができる人がいない、というところもあるのかもしれないですけど。移住してきた人がそこまでささっと食い込んでいく、というところも、やっぱりなにかしらのテクニックがあんじゃないかと。

恒吉:テクニック(苦笑)。というか、メディアをやってる、というのがやっぱり大きいと思いますけどね。

小寺:ああ。ひなた経済新聞をやってる、ということ自体はメリットになると。

恒吉:うん。まあそれで、自分たちにけっこう情報が集まってくるし、発信力もだんだんついてきてて、けっこう毎月毎月少しずつPVが上がってる、みたいな感じになっていて。

小寺:なるほど。それで、いろんなメディア、PRの仕事もされてて、このあいだなんだっけ、餃子大使?

恒吉:僕? あ、宮崎ギョーザ王子、という。

小寺:ギョーザ王子。いつの間にか宮崎餃子のPR担当みたいになっちゃってて。(笑)あれはどういういきさつでやることになったんですか?

恒吉:あれ実は移住してきたころ、2017年はもう宇都宮・浜松に次いで購入額で3位だったんですよ、宮崎の餃子は。で、購入頻度は一位だったんですよね。

なのに、宮崎の人って誰も自分たちの餃子がすごいことを全然知らないし。たまたま東京で、焼き餃子協会の小野寺(力)さんという、よく「マツコの知らない世界」とかに出てる人なんですけど、その人と仲が良くて。「宮崎に移住するんだ」みたいな話になったときに、「宮崎、実は餃子がすごいんですよ」みたいな話になって。へぇー、って思って宮崎に来たんだけども、誰も知らなくて(笑)。

小寺:その、温度の違い(笑)。

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