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小寺の論壇:PTAの形が変わる? 日本PTA離脱で変化は起こるか

毎日新聞が6月18日付けで報じたところによると、東京都小学校PTA協議会は、全国組織「日本PTA全国協議会」からの退会の方針を決めたという。来年3月末に脱退予定。

・東京都小学校PTA、全国組織退会へ 全国初 「現場の声反映なく」
https://mainichi.jp/articles/20220618/k00/00m/040/183000c

この日本PTAからの脱退の動きは、以前にも京都市PTA連絡協議会の脱退検討が話題になったことがある。この脱退は結果的に否決されたが、東京都小学校PTA協議会では賛成多数で可決した。

元々東京は、特殊な場所である。10年ほど前に調べたときからすでに、そもそも学校にPTA組織がない、東京都小学校PTA協議会に加入していないというところも結構あった。

報道によれば、東京都に小学校が1260校あるのに対し、東京都小学校PTA協議会の加入は190校であるという。親会に加入しないPTAが相当数あるのは、全国でもかなり珍しい。

ここでPTA組織について、若干の説明が必要だろう。日本PTA全国協議会(日本PTA)とは、全国の「小中学校のPTA」を組織したものである。高校は別に、「全国高等学校PTA連合会(高P連)」という組織がある。

公立校には大抵PTA組織があるが、私立校はそもそもPTA組織がないところもあるため、私立校がどこまで連合会組織に加入しているかは、あまり資料がない。義務教育である公立小中学校の数はものすごく多いので、元々私立も結構ある高校に比べると、日本PTAは高P連とは比較にならないほどの巨大組織である。

日本のPTA組織は、日本PTAを頂点にピラミッド構造になっている。

PTAの全国組織

学校ごとのPTAを「単位PTA」と呼ぶが、これがいわゆる我々が認識するPTAである。その上には群・市・区単位のPTA連合会がある。そしてその上に、都道府県・政令市単位の組織がある。

東京都小学校PTA協議会は、日本PTAの直下ではあるが、加入が190校しかないということは、他の地方に比べるとかなり規模が小さい組織である。かなり柔軟な運営をしてきたからようで、群・市・区単位のPTAに加入を強制してこなかったからだろう。2020年からは、群・市・区PTAが加入していない単位PTA向けに、直接そこを飛び越えて加入できるよう規約を変更している。

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