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補助人工心臓を装着した息子の在宅療養に向けた準備【後編】家・クルマ探し

こんにちは。VAD介助者ブロガーのあよなパパです。

息子の「心不全の発症から入院、特発性拡張型心筋症の診断と治療・植込み型補助人工心臓装着等の手術、退院・在宅療養(移植待機)に向けた準備」をふりかえります。

前回記事中の目次タイトル「退院・在宅療養に向けた準備【前編】」の続きとなります。

※この記事は2020年10月28日のリライト記事です


退院・在宅療養に向けた準備【後編】家探し

息子がコロナ禍の2020年4月に「植込み型補助人工心臓LVAD装着」等の手術を受け、術後の経過良好でリハビリも順調に進むなか、多くの問題にぶつかり、焦りや不安が増していきました。

息子が在宅療養する家として、相模原の実家は建物・設備が老朽化しリフォームが必要、しかし高額になりそう。リフォーム・改築費用よりも賃貸物件の初期費用の方が安く済みそうということで、息子と私と弟の3人が住む家探しを始めました。

まず、障がい者優遇があることも知っていたので相模原市営住宅・神奈川県営住宅・横浜市営住宅をあたりましたが、空きがなかったり募集期間がまだ先だったり応募することができませんでした。同時に、相模原や横浜の各不動産会社で賃貸住宅を探しました。

場所を横浜周辺に絞りました。旭区に私の母が住んでいるのと都筑区に私のNPOがありサポートを受けれるからです。心臓移植・補助人工心臓の治療を受ける条件のひとつに、24時間365日サポート(緊急時に機械操作を熟知しすぐに病院や救急車の手配できる人・VADサポーターが常に患者のそばに)があり、サポーターが多ければ多いほど助かります。

しかし、私が破産手続開始/免責許可の申立中ということもあり賃貸契約まで至らず‥ NPOの法人契約もできず‥

かながわあんしん賃貸住宅で福祉的な不動産屋との出会い

もう7月になり途方に暮れている中、相模原市市営住宅課に紹介されていた住宅困窮者支援をしている座間市のNPOワンエイドに相談したり、「だれもが安心して神奈川で暮らせる居住環境づくりと、福祉の向上を目指します」と謳っている神奈川県居住支援協議会の「かながわあんしん賃貸住宅検索システム」で不動産屋を検索しました。

そこで、福祉的な不動産屋に出会うことができ、ついに賃貸借契約に至りました。場所は、ちょうど相模原(父親在住)と横浜(母やNPO)の中間、病院がある新宿にも出やすい東京都町田市。

そして、ちょうど特別定額給付金があり、初期費用を捻出することができました。最終的に、良い不動産屋・最適な場所・良い賃貸物件に導かれ感謝です。

非常用電源として車のシガーソケット⇆DCアダプター

家探しと同時にクルマも探しました。
コロナ禍で公共交通機関は危険なため(息子は普通の風邪でも悪影響を及ぼしかねない)車での移動が必須です。そして何より車は、停電時の非常用電源となります。

VAD/バド=左室補助装置LVAD(Left Ventricular Assist Device)・植込み型補助人工心臓にはいくつかの機種があり、「HVAD」という機種では、電力・電源を必要とし、「バッテリー・ACアダプタ・DCアダプタ」と3つの電源があります。寝る時以外の活動時は2基のバッテリーをコントローラーにつなげます。休息・睡眠中は時間に制限なく給電できるコンセントからの電源・ACアダプタを使用します。

HVADの3種の電源「バッテリ・ACアダプタ・DCアダプタ」

写真で説明しますと、奥のベット上のものが寝る時のACアダプタ、写真右下が充電しているバッテリー、左下がクルマのDCアダプタです。

常に電力供給が必要なので停電=非常事態となります。そこで自動車のシガーソケットにつなげることができるDCアダプタがあります。クルマが停電時の非常用電源としての役割を果たしてくれます。

そのクルマが未だに手に入りません(2020年10月28日現在)。
まとまった現金もなく、破産手続き中のためカーローンもダメ。社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度に福祉費「障害者用自動車の購入に必要な経費」という項目がありますが、相模原市でも町田市でも制度利用ができませんでした。車の購入はできず、軽自動車・長期プランのレンタカーで凌いでいます。

在宅療養の家は決まり、引っ越し

クルマはダメでしたが、何とか退院1ヶ月前に引っ越しすることができました。

心臓移植・補助人工心臓の治療を受ける条件のひとつ、24時間365日サポートの家族のVAD機器取扱トレーニング(補助人工心臓の仕組み/機器の取り扱い/緊急時対応等のトレーニング受講・テストに合格し、心疾患についての教育や栄養・服薬指導等も受ける)も受講を終えテストに合格できました。

4月8日の手術直前の手術室前で会って以降、息子には面会制限で会っていませんでしたし、退院するまでの間は医療や看護の知らない世界が待ち受けてるような不安・プレッシャーがありましたが、クルマ以外の在宅療養の準備は整いました。

※その後、車を手に入れてます。

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