種・苗業界について✅

最近、コロナ禍で自宅にての植物栽培をする方が増えてきたように思います。子供に教育の一環として、植物の育成をさせたり、もちろん気分晴らしのために、と色々と需要がありそうですね。

まあなんでこんなことに気づいたか?というのも、自分のおばあちゃんが種屋を代々100年間も続けてきた家系なんです。100年ってすごいですよね。そこらへんの「老舗」なんかより全然老舗な気がする。世界大恐慌に陥ってる時から種を売ってるわけです。

そもそも東京にお住いの方には、すごく不思議に思える職業/店に感じるかもしないですね。今の時代、もし苗や植物の種を買うとしてもホームセンターに行かれることがほとんどですからね〜。

更に若い世代だと、どこで植物の種を買うかすらわからないかもしれませんね笑

さて、一応辿っていけば自分のルーツでもあるこの種屋という仕事に最近携・わることが多かったので、少し調べてまとめてみたいなと思いました。

こんな記事を誰が読むんだろうと思いますが、自分の記録のためなのでどうぞ、勝手ながらですがお付き合いください。

目次
1. 種屋の歴史
2. 種屋の業界構造
3. 種屋の今日

1. 種屋の歴史

まあ何事も最初は歴史からスタートですよね。

タネを売る商いが始まったのは江戸時代(1603年 – 1868年。自家採種で余ったタネを売り始めたのが種子屋の始まりです。意外と色んなものの起源って江戸時代な気がしますね。

ただ、種を専門的に扱うようになったのは、明治(1868年〜1912年)以降なんです。つまりは、種自身に付加価値をつけるようになったのです。

江戸時代:「おーヤベェ。種余っちゃった。誰か欲しい?

明治時代:「この種だと、虫に食われにくいし、いつもの1.5倍実も取れるから、まじ卍だよ。欲しい?欲しいっしょ。毎度〜

とこんな感じで、種屋は品種改良(選抜育種)をして種だけを扱うようになる商店が普及していくわけです。

因みに、今から100年以上前となるとだいたい明治時代の終わりなので、私の家系が種屋を始めたのもこの時期で一致しますね!時代のウェーブに無事乗れたようで何より。

因みにこの時代は、東京大阪といった大都市以外では、一次産業がGDPの60-80%を占めている時代なので、種屋もかなり繁盛していたようです。

実際、今で言う赤坂に種屋街道といった種屋がズラーっと並ぶ道まであったようです。

2. 種屋の業界構造

市場構造

種・苗のバリューチェーンはざっくりこの3段階に分かれます。

画像3

タバコ、洗剤などといった”消費財”と似た感じですね。

市場規模

画像1

出典:タキイ種苗株式会社

意外かもしれませんが、種苗業界において日本はかなり大きな存在を示している国なんです!

実際、こちらの画像の出典先でもあるタキイ種苗株式会社は、日本が誇れる有数のグローバル企業です。

本題でもある市場規模ですが850億円程度です。超余談ですが、これは2017年の豊胸術の市場規模と同等の額です。

業界TOP3

画像2

世界の業界トップ10は上記の通りです。

サカタのタネ、タキイ種苗は、世界的に見てもシェアの5%を各自持っており、ランキングでいえば同率5位です。

これからも頑張って欲しい。。。

利益率

こちらに関しても、タキイ種苗とサカタのタネを取り上げたいと思います。

タキイ種苗
・売上高:518億円
・経常利益:55億円
・利益率:10.6%
サカタのタネ
・売上高:436億円
・経常利益:63億円
・利益率:14.2%

という結果になりました。意外と、経常利益率は良いようです。トヨタ自動車のような比較的高い利益率を誇る産業でも、8.6%なので少なくとも優良企業には入る部類でしょう。

卸売業(マイおばあちゃん)になると途端に利益率が下がるので、これは個人的にはびっくりです。

3. 種屋の今日

さて、最後にここが個人的には一番深掘りしたい部分なので調べながら書いていきたいです。

個人商店としての種屋、、、

令和時代において、私の家系のような小売店を担っているところは年々減少傾向にあります。
そもそも、小売店の収入源は大きく分けて2つあります。そしてどちらに関しても大きな課題が立ちはだかっています。
①専業農家への種・苗販売
→専業農家人口が高齢化によって著しく減少しているため、需要がそれに伴って減少している。
②個人対象
→冒頭でもお伝えしたようにホームセンターなどの問屋が種・苗を捌くようになっている。

正直悲しいですが、このトレンドはこの先も続いていく気がします。

なので、ホームセンターで栽培キットを買うのももちろん楽で良いですが、もし種屋・苗屋を見かけたら是非そこで買ってあげてください。

暖かい心を持って接客します!






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