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Reading Record #1 Apr. 2024

2024年4月に読んだ、8作品を紹介します。

*注意していますが、ネタバレも含みます。


1. 夜は短し歩けよ乙女

著:森見登美彦
出版年:2006
出版社:角川書店

「大学生のうちに読むべき本」のように検索し、複数のサイトでタイトルが挙がっていたため、読み始めました。それほどお勧めされるからには、何かしら大学生に向けた助言があるのだろうと読んでいましたが、最初の方は、何を伝えたいのか、疑問は膨れるばかり。しかし、3章目でふと合点がいきました。そして、最終章で答え合わせ。
読者の心に響くように、巧みに計算されている、素晴らしい小説です。特に、大学新入生におすすめできます。ぜひ、2人の主人公がいかにして人生を豊かにしていくのか、に注目して読んでみてください。

2. 死にふさわしい罪

著:藤本ひとみ
出版年:2021
出版社:講談社

講談社の青い鳥文庫から出版されている、「探偵チームKZ事件ノート」シリーズの登場人物のうちの1人、上杉和典の高校生活を描いた「KZU」シリーズの1冊です。
「探偵チームKZ事件ノート」とは打って変わって、大人向けで比較的に暗く現実味がある一方で、一つの事件を解決していくという形式は継続されています。
歴史的知識、自然科学的知識が存分に組み込まれ、世界観が良く作り込まれており、著者の造詣の深さも窺い知ることができます。

3. 新謎解きはディナーのあとで

著:東川篤哉
出版年:2021
出版社:小学館

「謎解きはディナーのあとで」シリーズの1冊です。5つの短編ミステリを楽しめます。大富豪のお嬢様であり、刑事として働いている宝生麗子と、「お嬢様の目は節穴でございますか?」でお馴染みの、麗子の執事である影山。そして相変わらず麗子を煩わせる風祭警部と、ど天然の後輩の若宮刑事。事件だけでなく、登場人物たちが織りなすユーモアにも目が離せません。
ドラマでは、北川景子さんが麗子役、櫻井翔さんが影山役を演じたことでも有名なシリーズです。

4. 君にキュンキュンピンクのハートは知っている 探偵チームKZ事件ノート

文:住滝良
原作:藤本ひとみ
出版年:2023
出版社:講談社 青い鳥文庫

小学生の頃に出会い、大学生になった今でも愛好しているシリーズです。年上だったはずのKZメンバーが、今では年下になってしまった、ということに気づいてしまい、なんとも言えない複雑な感覚に陥るものの、自分とは違う中学生の青春時代を覗けることも、一つの魅力になりました。
ちなみに私は、上杉と砂原を推してます。

5. FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に
世界を正しく見る習慣

著:ハンス・ロスリングら
訳:上杉周作/関美和
出版年:2018
出版社:日経BP

古いデータも混ざっており、全てを鵜呑みにすることは危険かもしれません。しかし、著者の紹介する10の思い込みへの理解や、正しいデータの見方に関しては、むしろ段々と需要が高まっていると思います。
「分断本能」「ネガティブ本能」「直線本能」「恐怖本能」「過大視本能」「パターン化本能」「宿命本能」「単純化本能」「犯人捜し本能」「焦り本能」はどれも身に覚えがあることであり、自分が持っていた価値観に警告を鳴らしてくれました。
世界を正しく理解するために、ぜひデータを見方につけましょう。どの年代の人にも読んでもらいたい一冊です。

6. 異邦人

著:カミュ
訳:窪田啓作
出版年:1963
出版社:新潮社

初めて読んだカミュの作品となりました。主人公ムルソーが、母を亡くしたところから始まります。母の死、友人との交流、そして殺人。
人間社会に存在する不条理が主題となっているようです。
海外の作品は読みにくいことも多いですが、訳者との相性も良いのか、比較的に苦なく読み切ることができました。

7. 掟上今日子の忍法帖

著:西尾維新
出版年:2022
出版社:講談社

「忘却探偵」シリーズの一冊です。タイトルの通り、掟上今日子は、眠ると記憶がなくなってしまう、忘却探偵。この作品では、なんとニューヨークが舞台となっており、忍法が事件の鍵を握る3編が収録されています。お馴染みのあの隠館厄介は、最後に少し登場します。
ドラマでは、新垣結衣さんが掟上今日子役として主演を務めたことでも有名なシリーズです。

8. 居酒屋「一服亭」の四季

著:東川篤哉
出版年:2024
出版社:講談社

『純喫茶「一服堂」の四季』を思い起こさせる一冊です。性格に癖がある二代目の安楽ヨリ子が、手料理を振る舞いながら、料理的推理を披露し、バラバラ殺人という、猟奇的殺人を解決していきます。殺人はグロいですが、ユーモアに包まれた作品であるため、安心して読むことができます。

【まとめ】

4月は以上の8作品を読みました。
ミステリが多いのは、受験が終わってすぐということで、気を楽にして読むことができる本を無意識のうちに選んでいたからだと思います。

今月のベストブックは、『夜は短し歩けよ乙女』『FACTFULNESS 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』の2冊です。

それでは、またね。


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