毎朝ぎりぎりに家を出てしまう。 早く出ればそれだけ余裕があるというのに、自分の脚力を過信してあと1分、あと30秒をやってしまう。 バスに乗る頃には既にへとへとである。 脚だけが健康になっていく。
軽音部だった頃、部員に流行った曲を、不意に思い出しては聴き直している。 若者のすべて、赤黄色の金木犀、冬のミルク、… ちょうど夏、秋、冬で1曲ずつ来ているが、春の曲で何かあったかしら。 入れ替わりで忙しい春は、深海の定番内輪ノリ曲ではなく、浅瀬の定番大衆曲を演って部員集めに奔走していたかもしれない。 思い出したら追記しようかな。
詩歌を作るのが好きだった。 好きだった、というのは、一区切りついて過去の私フォルダに仕舞ったということではない。 言葉が、出てこない。 抽斗に鍵がついたかのように、三十一文字すら集めるのが難しい。 目に触れるあれやこれやを全て詩歌に注ぎ込んでいたあの頃の私はどこに行ったのか? 今は何かを見聞きしても、ひとつたりとも言葉に落とし込めない。 自分が何を感じているのかが分からない。 何も感じていないのかもしれない。 これ以上はループするので止めておく。 今ちょうど朝日が昇
私の部屋は隣とかなり繋がっている。 たぶん元々の仕様と思うが、料理も煙草も、換気扇の下で発生するあらゆる香りが共有される。 家には寝に帰るタイプの人間なので、私から共有するものはあまり無い。 でもたまに、私が死ぬほど強烈ないい香りのする料理を作ったら、お隣はどう感じるんだろうな、とは思う。 香りだけでなく音も共有される。 毎朝決まった時間にベランダに出て、体調大丈夫?と思うような咳払いをするお隣がいる。 引越し当初からずっと続いていて、毎朝心配になるが、最近はありがたみを
今朝の空気はくっきりとしていた。 定規で引いた「今日から冬だ」がそこには居た。 いつからヒートテックを着るか、かなり決断を迫られている。
フリーライブに飛び入り参加した。 約3年ぶりに握る有観客のマイクは格別で、軽く武者震いをしたのを覚えている。 私はずっと、
日に日に日が短くなっている。 人間も冬眠したらいいのに。
11月なんてものはまだまだ秋真っ盛りだと思っていたが、吐く息はもう白い。 紅葉がピークで、いかにも秋ですみたいな顔をしている山々、ずっとそのままで、冬を近付けないでいてほしい。
職場における人間関係について、派閥が2つあると思う。 どうにもならないから場所を変われ派と、結局どこも同じだから変わるだけ徒労派である。 各派に優劣など無く、全ては個人の受け取り方次第と思うが、さて私はどちら派か。 毎日そんなことを考えている。
週末は自転車を借りてしまなみ海道を爆走するなどした。 ちょうど良い塩梅の紅葉であったが、心が動く気配は無かった。 後々のため機械的にカメラを向け続けたが、その写真が日の目を見ることは無いのかもしれない。 向島で偶々地元イベントに行く機会があった。 少し山を登ったところにある芝生の広場に色とりどりのテントを構えたそこは、控えめに言っても楽園だった。 奏でられる心地好い音楽と、地元の食べ物、少し健康になれるコーナー、お子が楽しめる催し、戯れる犬たち、青空に消えるシャボン玉。 人
瞼だけでなく、頬も痙攣するようになってきた。 自分の意思と無関係に動かれるのはどうも変な心持ちがする。
何にしがみついて生きているのかよく分からない。
深夜の電話に出られず怒られたことがある。 帰宅後は携帯の設定をサイレントにしていることが多く、朝まで気付かなかった。 ちょっとした問い合わせだったらしいが、即時対応しなかったことで複数人に大層迷惑をかけたようだ。 夜間への引き継ぎはしていたものの、内容の明記だけでソースについては不十分だったため、情報源探しに手間取ったらしい。 ここまで書いておけば大丈夫だろうと現場猫思考になってしまった私が勿論悪いのだが、少しだけ腑に落ちない。 今まで以上に眠れなくなっている気がするから
夢で出てきた実家の本棚の残り香がする。 朝は目覚ましより前に目が覚める。 その前にも2時間おきくらいで幾度か目を覚ます。 欠勤理由を一通り考えた後、死んだ目でなんとか布団から這いずり出て、支度もそこそこに家を出る。 最寄りのバス停には目もくれず、徒歩15分先のバス停まで歩く。 規則正しい起床をし、朝日を浴び、適度に有酸素運動をし、ごはんも食べられはするのに、なぜこんなにも健康になれないのか。 悲劇のヒロインぶって弱っている素振りをしているだけで、本当は甘えているだけではな
最悪の寝起きだ。 先輩が情報共有を失念している気がする。 更には今気付いたため、当然フォローなんてものは出来ていない。 計画は既に今朝方始まってしまっている。 基本先に来ているので、私が怒られるんだろう。 叱咤が待っている場に向かうことほど憂鬱なことは無い。 共助の姿勢は大切だが、人のミスまで全てカバーできるほど私とて完璧人間ではない。 そもそも先輩の方が遥かに先輩なので、それくらいは出来ているのではなかろうかと思ってしまう。 現場猫になっている私が悪いのか、リベロになり
涙がすべてを台無しにする。 週末は髪を切り、友達に会うなどした。 色んな人が代わる代わる自分の話を聞いてくれて、寄り添ってくれた。 一緒に食べるごはんは美味しいし、天気も終始良かった。 私には味方がいるという漠然とした自信を与えられ、満ち満ちた気持ちで帰路に着いた。 家に帰るまでは良かった。 玄関を閉めて鍵を掛けた途端に、自信や安心感、元気の類いがすっと消え、その場に蹲り動けなくなってしまった。 ついでに涙も止まらず、膝先に水溜まりができていくのをぼんやりと眺めていた。