見出し画像

EDH ログラクフ&テヴェシュ・ザット 解説

以前紹介した《むかつき(ALA)》型のログラクフ&テヴェシュ・ザットについて、シナジーや回すうえでの注意点など少し掘り下げた内容を書きました。

デッキリスト

https://www.moxfield.com/decks/NmCoJj36zkamhuV_E3Zsdg
6/27時点のリストです。

シナジー・コンボ

1)マナ加速+《むかつき(ALA)》《ボーラスの城塞(WAR)》《深淵への覗き込み(M21)》
通ったら勝つカード群です。
覗き込みの場合は引くカードが多いので、残りマナ数をあまり気にしなくてよいのですが、むかつき・城塞の場合は捲れ方によって止まってしまうケースがあるので、可能であればセットランド権を残した状態、または1マナ浮かせた状態でキャストしましょう。

0マナで1マナを作るカードは各種モックス・ペタル・マナクリプト・猿人の指導霊の計7枚しかありませんが、1マナからマナを増やすカードまで含めると計14枚になるので、止まることがほぼなくなります。

画像1


2)《納墓(ODY)》+《再活性(TMP)》+《血の取引者、ヴィリス(M20)》
2マナ8/8飛行に8ドローがついてくるため、これも通ったら大体勝ちます。

ライフが減るものすべてに反応するので、フェッチから血の墓所で3ドロー・ダメランからマナを出すだけでドローなど、即除去を打たれても追加で数枚ドローすることができます。

また、ヴィリスがいる状況で《伝国の玉璽(PTK)》《吸血の教示者(VIS)》を解決すると、好きなカードを積んでから2ドローになるので、欲しいものが即座にハンドに入ります。

画像2


3)《ボーラスの城塞(WAR)》+《師範の占い独楽(CHK)》
ライフ1点を1ドローに変換できるコンボです。
体感として、揃った状態でライフが15点以上残っていれば《霊気貯蔵器(KLD)》か《苦悶の触手(SCG)》にアクセスできて概ね勝てます。

画像3


4)《納墓(ODY)》or《ゴブリンの技師(MH1)》+《ゴブリンの溶接工(ULG)》or《財宝発掘(MRD)》+《ボーラスの城塞(WAR)》 
ボーラスの城塞を埋めて釣るコンボです。

溶接工ルートの場合は召喚酔いのラグはありますが、合計マナコストが軽く、クリーチャーなので打ち消されにくい点がメリットです。
財宝発掘ルートでは合計マナコストはかかりますが、即効性があります。

画像4


5)マナ加速+《Wheel of Fortune》
1-2ターン目にマナ加速から打つことで、自身のリソース補充+他者を強制マリガン状態にすることができます。

テヴェシュ着地後はリソース補充に困らないため、後から引いてきた場合は概ね金属モックスに刻印するか、信仰無き物あさりで捨てる事が多いです。

画像5


6)マナ加速+《愚者滅ぼし、テヴェシュ・ザット(CMR)》
本デッキのドローエンジン。
2ターン目までにテヴェシュ着地が見えるかどうかが最低限のキープ基準になります。

画像6


7)《ゴブリンの技師(MH1)》+《防御の光網(ULG)》
カウンターされずインスタントタイミングで防御の光網を出すことができます。
本デッキで使える、相手の行動をまとめて抑制できるカードは防御の光網くらいなので、カウンターを構えてくるデッキが多い場合は特に意識してプレイします。

画像7


8)《死の国からの脱出(THB)》+《研磨基地(5DN)》+《魔力の墓所(PRM)》
自身のマナコストより多くマナが出るマナファクトを研磨基地のコストに充てることで、1ループ毎に無色マナが増えていくコンボです。
※墓地の総枚数は増えないので注意

ループの途中でオパールのモックスや印鑑等、色マナが出るアーティファクトに切り替えることで有色マナを作れるので、ループ中に落ちたカードを組み合わせて勝ちに行きます。

画像8



9)《死の国からの脱出(THB)》+《縫い師への供給者(M19)》+《弱者選別(EXO)》
1ループで黒が2マナずつ増えていきます。
コンボ開始時の墓地の枚数分好きなカードを墓地に残せるので、十分にマナを確保した後は覗き込みやボーラスの城塞等に切り替えましょう。

画像9


10)《死の国からの脱出(THB)》+《Wheel of Fortune》+《ライオンの瞳のダイアモンド(MIR)》
2回目以降は墓地が1枚ずつ増えていきます。
マナは増えないので、どこかでLEDを複数回唱えるか、上記のマナが増えるループに切り替えましょう。

ただし、防御の光網が無いとループ中に相手にリアクションカードを引かれて止まってしまうので、このルートを狙うことは稀です。

画像10


11)《願い爪のタリスマン(ELD)》+《多用途の鍵(M20)》
タリスマン解決前に起こしてもう一度起動することで、無色3マナで好きなカードを2枚サーチできます。

画像11


キープ基準

1)2ターン目までにテヴェシュをキャストできる
2ターン目テヴェシュをキャストできるハンドが、基本となるキープ基準。

2ターン目に5マナは大変に見えるかもしれませんが、大量のマナ加速と1マナの教示者のおかげで、ハードルはかなり緩いです。

また、テヴェシュのドロー能力でリソースはすぐに回復できるので、初動が遅い手札は積極的にマリガンしましょう。

ただし、弱者選別・業火への突入でログラクフを生贄にしないとテヴェシュに繋がらない場合は、現在のマリガン回数と相談する必要があります。

本キープ基準はログラクフをテヴェシュで食べることでリソース補充していくプランになるので、トリプルマリガン等これ以上マリガンするとゲームにならない場合を除き、テヴェシュ以外でログラクフを生贄にすることは極力避けましょう。


2)2ターン目までにむかつき・深淵への覗き込み・ボーラスの城塞・ヴィリスのいずれかをキャストまたはリアニできる
速さは正義。
2ターン目あたりまでは相手もマナ基盤の構築を優先してマナがなかったり、手札が整っていなかったりで、ノーケアぶっぱが結構通るので、臆せず突っ込みましょう。


3)マナ加速+Wheel of Fortuneがそろっている
1ターン目のマナ加速+Wheel of Fortuneはマナに費やした手札の補充と、他プレイヤーのキープを崩壊させられるため、高確率で有利になれます。

捨てるカードを惜しがってターンを回すと、他のプレイヤーも展開を進めWheel of Fortuneが加速度的に弱くなっていくので、もったいないと思わずにさっさと打ちましょう。


覚えておくと役に立つかもしれないこと

割り切ってプレイする
カウンター等の受ける動きや攻める際のバックアップに使えるカードが少なく、盤面を抑えられるクリーチャーもないので、ターンの経過が自分に有利に働くことはほとんどありません。

レモラやリス研が置かれていてもそのプレイヤーがフルタップの場合などは割り切って攻めた方が良い結果につながりやすいです。

画像12


テヴェシュのサクリファイスは効果の一部
テヴェシュの+1能力は、起動コストは忠誠度カウンターのみで、生贄に捧げるのは効果の一部のため、+1対応で船殻破りや概念泥棒が出された場合、生贄にしないことを選択できます。


テヴェシュの+1の挙動は2枚引いてから追加で1枚引く
処理が2枚引くと1枚引くに分かれているため、托鉢する者がいる状況下でログラクフを生贄にした場合、自分は2枚ドローすることが可能。


ログラクフは墓地に送ることもある
死の国からの脱出のコストを見越したり、発掘や再活性が手札で浮いている時は生贄にしたログラクフを墓地に送ることも検討する。


研磨基地は自身が出た時もアンタップする
研磨基地のアンタップ誘発は、研磨基地自身が着地したときにも誘発する。
生贄にできるアーティファクトさえあれば1回分多く起動できるため、死の国からの脱出 or ヨーグモスの意志ルートに行く場合に選択肢が広がる。


嫌なカード・プレイ

▼カード編
《耳の痛い静寂(ELD)》
本デッキの勝ち手段全てに刺さり、エンチャントなので触りにくい。
1ターン目に出てくるため速度で押し切ることも難しく、一番出てきて欲しくないカード。

《法の定め(MRD)》《秘儀の研究室(USG)》
本デッキの勝ち手段全てに刺さり、エンチャントなので触りにくい。
3マナなので、手番や手札によっては着地前に勝てるため、耳の痛い静寂よりはきつくない印象。

また、秘儀の研究室は赤霊破・紅蓮破が当たるので法の定めより楽。

《沈黙(M10)》
赤黒だと対応できるカードがティボルトの計略しかなく、ほぼ確実に1ターン稼がれてしまうので通常のカウンターよりも厳しいが、ケアしようもないので持たれてないことを祈って突っ込もう。

《Mystic Remora》《リスティックの研究(PCY)》
赤霊破・紅蓮破が当たるため、耳の痛い静寂よりは厳しくない。
また、remoraは維持コストがあり、リス研はビルギでケア出来るため、展開によっては完全に無視できるケースもある。

《ドラニスの判事(IKO)》《船殻破り(CMR)》《迷宮の霊魂(BNG)》《溜め込み屋のアウフ(MH1)》
どれも出てきて嫌なクリーチャーだが、クリーチャーというだけでエンチャントより触りやすいので、出されて嫌なものの中では比較的厳しくない寄り。


▼プレイ編
テヴェシュへのカウンター
初動のテヴェシュが弾かれるとリソース補充が難しくなり、数ターン足踏みすることになるため、確実に以降のゲーム展開が厳しくなります。

ただ、1-2ターン目のテヴェシュに対して、EDHでよく使われる1マナ以下のカウンターで打ち消せるものは、意志の力・否定の力・精神壊しの罠くらいであるため、ログテヴェ側としては特にケアはしません。


ログラクフへのインスタント除去
テヴェシュの+1能力は効果中に生贄にした場合にドローするものなので、能力起動に合わせてログラクフに除去を打たれると3枚ドローができません。

強力なヘイトクリーチャーが増えている中、すぐ死んでいく0/1に除去は打ちたくないですが、単体除去1枚で3ドローを止められるのは覚えておくとよいでしょう。

ログテヴェ側としても、除去を構えているのが見えており、卓の状況的にログラクフに飛んでくる可能性が高い場合は、+2能力から入りましょう。


ビルギは見たら焼け
ビルギがいるとアクション回数が冗談のように増えます。

色マナの制限はあれど、デッキ内の1マナ以下のマナファクトは軒並みマナが増え、マナファクト以外のカードもフリースペルになり、それらをテヴェシュなどで補充した潤沢な手札から連打してくるため、ビルギには除去かカウンターを当てましょう。


入ってないカードの雑感

《穢れた血、ラザケシュ(HOU)》
入れる場合は《血の取引者、ヴィリス(M20)》と交換。
最大値はラザケシュ、平均値ならヴィリスというのが両方使用してみた感想で、個人的には単体で能力が完結しているヴィリスの方が好み。

《不気味な修練者(WAR)》
ラザケシュで2枚サーチに代わるため、ラザケシュを入れる場合に一緒に入れておくと便利。

《Burnt Offering》
ラザケシュ出荷用。
ラザケシュが入っていない場合は不要。

《立身+出世(HOU)》
《発掘(ULG)》との交換枠。
むかつきの被ダメージが上がる・ビルギを釣れないのはマイナスだが、溶接工・技師を釣って即起動ができる点はプラス。

《ティボルトの計略(KHM)》
ボーラスの城塞で止まる点が気になるが、これがないと沈黙等がキツいので出たり入ったりを繰り返している。

《仕組まれた爆薬(UMA)》
一回採用してみたが、動きがチグハグだったので解雇したカード。
主に《耳の痛い静寂(ELD)》対策に再度検討の余地アリ。

《ミジックスの熟達(C15)》
納墓が強くなる・仕掛けて弾かれたむかつきや覗き込みを再利用できるのでアリ。

《血染めの月(DRK)》
他に優秀な土地が増え、沼を十分量確保できなくなったため解雇。
4C-5Cが多い環境の場合、これで相手の色マナを縛ることで仕掛けやすくなるので戻すかも。

《帝国の徴募兵(PTK)》《ゴブリンの女看守(USG)》
これらが絡むとどうしても動きがもっさりしてしまうため解雇。

《災難の輪(CMR)》
効果が不安定で強いタイミングが非常に少なかったため解雇。

《征服者のフレイル(C16)》
・2+2マナの計4マナは重い
・装備スタックの除去で止められてしまう
・装備したクリーチャーを生贄用のリソースとして扱えない

と運用に難アリのため不採用。
除去が薄くカウンターが濃いデッキが多い環境では採用を検討。


モダンホライゾン2のカード雑感

モダンホライゾンで本デッキに入りそうなカードを何枚かピックアップし、10点満点で記載しました。
回してみた感覚値ベースなので、翌日には手のひらクルフィックスしているかもしれません。

《一攫千金(MH2)》:6点
赤マナをフィルターできるのは優秀だが、クリーチャーではないため使用感はブラッドペットやスカークの炭鉱者より少し下と感じている。

デッキの潤滑油としてはそこそこで、99~102枚目のカードのイメージ。

《液鋼の首飾り(MH2)》:5点
良くも悪くも2マナのマナファクト。
削剥や溶接工と合わせるとエンチャントに触りやすくなるので、耳の痛い静寂や法の定めなど、触りたいエンチャントが多い環境では採用を検討。

《ダウスィーの虚空歩き(MH2)》:7点
色マナの黒黒が結構重く、キャストタイミングは概ね2ターン目以降になりがち。

また、召喚酔いのラグも重く、現在のリストでは2ターン目はテヴェシュのキャストを優先したいので、現実的には3ターン目キャスト、4ターン目以降に起動となりやすいため、デッキとの嚙み合わせが若干悪い。

能力自体は非常に強力なので、速度勝負する統率者が少ない環境など、3~4ターン目以降のゲームを見据える事が多い場合は採用を検討というのが、入れて回しての印象。

《敏捷なこそ泥、ラガバン(MH2)》:5点
不安定なラノエル。
クリーチャーであること、宝物としてマナを持ち越せる事は偉いのですが、後引きが弱く盤面によってはラノエルにすらならないため、現在は不採用。

《ウルザの物語(MH2)》:6点
現在のリストでは以下の点から、他の土地と交換してまで採用するほどか疑問があるため、出たり入ったりしている。

・2ターン目以降に引いてきた時が弱い
・1ターン目に置いてもキルターンの短縮にあまり貢献しない
・他の無色土地も優秀なため枠が競合する
・活性の力などで巻き込まれる可能性がある

テヴェシュで0/1を並べる→頭蓋骨絞めを持ってきて手札を一気に補充するといったオプションをとれるのと、生成できるトークンのサイズ自体は優秀なので、4ターン目以降のゲームを意識する場合に採用を検討するカードという印象。


最後に

ログラクフ+テヴェシュでの、むかつきベースの構築を個人的に満足いくところまで練りこめたので、思考整理を兼ねて解説記事を書きました。
どなたかの参考になれば幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?