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最近の8-castについて

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こんにちは、無印です。
https://x.com/NoMark_mtg

5/25に開催された日本レガシー選手権・春にて運よく8-castで10位に入れました。
また、もうすぐモダンホライゾン3が発売になり環境も大きく変わると思うので久しぶりにレガシーでなんか書こうかなと思いたち、現環境における8-castについて思考整理を兼ねて簡単にまとめました。


デッキの型について

8-cast系列として一般に認識されているデッキの型は以下の3つに分類される。

パッチワーク型

《継ぎ接ぎ自動機械/Patchwork Automaton》を4枚積んだ型。
リストとしては従来型から青いカードを減らして、その枠に継ぎ接ぎ自動機械を入れていることが多い。

利点は継ぎ接ぎ自動機械の護法が《オークの弓使い》や《力線の束縛》などの除去に強いことで、初手にある場合は2ターン目から4/4で殴り始めるなど、盤面での対応を相手に要求して先手先手で攻めて行ける点。

欠点は2つあり、1つ目は後から引いてくる継ぎ接ぎ自動機械の弱さ。
2ターン目までに出る分にはゲームで活躍してくれるサイズまで育つが、3ターン目以降では1/1~2/2止まりのことも多く、盤面に与える影響が少ないため後引きの弱さが目立つ。

もう1点は青いカードの少なさで、継ぎ接ぎ自動機械を4枚入れるとデッキ内の青いカードが《意志の力》含めて16-18枚程度まで減ること。
ピッチコストが確保できず、手札の意志の力が撃てなくて負ける場面が発生しやすくなる。

MTGGOLDFISHでの分類がパッチワークストンピィになっている通り、プレイ感が従来型よりもアグロに寄っている。
総じてデッキ全体のスピード感が上がったのとオークへの耐性を得たが、初手と先手後手の依存度が従来型よりも高くなっている。

身代わり合成機型

サンダージャンクションからの新戦力《身代わり合成機/Simulacrum Synthesizer》を4枚積んだ型。
身代わり合成機を誘発させるため、オーク環境で見なくなっていた《思考の監視者》が《物読み》の代わりに4枚入っていたりする。

利点は身代わり合成機の盤面構築力で、一度回りだすとウルザロボが大量にわいてくるためクリーチャーや単体除去で盤面を取り返されることがほぼなくなる。
そのためじっくりとしたミッドレンジのゲームをする上では最も強い構成になる。

欠点は身代わり合成機を出すターンのアクションの弱さと手札の回転率の悪さの2点。
身代わり合成機単体では3マナで占術2をするだけなので、序盤では空白のターンを作ってしまう。

また、物読み→思考の監視者への変更やガラクタの減少等により序盤のドロー枚数が減っているため手札の回転が悪くなり、カウンターへのアクセス率が落ちるため、若干コンボへの耐性が下がっていると考えている。

従来型

継ぎ接ぎ自動機械や身代わり合成機といった尖ったカードを採用しないクラシックな型。

利点は手札の回転率とブルーカウントのバランスが良いことで、他の2タイプと比べて序盤に意志の力+ピッチコストを用意しやすい。
また、尖っているカードを採用していない代わりに何もしないターンができにくいため、サイドボーディング・キープ・プレイである程度プランに幅を出せる点が挙げられる。

逆に突破力や押し付け力は劣っているほか、手札の回転率が長所のためオークが入っている相手にロングゲームになると物読みとガラクタで手札を回せずに負けるパターンが発生するため、3タイプの中でオークへの耐性は最も低い。

今の構成

従来型を調整した形だが、デッキ名の由来である「cast」は4枚にまで減らしている。
オークの存在によりもともと減少傾向だった《思考の監視者》だが、UBスキャニの出現に伴い、手札で停滞しがちなカードの評価が落ちたため0枚に。
《河童の砲手》も手札に留まる時間が長くハンデスが当たりやすいため軽くて取り回しが良く、オークに耐性のある《謎めいた外套》に変更した。

新戦力

《肉大工、ゲラルフ/Geralf, the Fleshwright》

サンダージャンクションで加入した新戦力で、今の所テキストを確認される率ほぼ100%。
自ターンの2回目以降の呪文すべてに反応して都度ゾンビを出す《僧院の導師》のような能力と、同一ターンに出た2体目以降のゾンビを永続的に強化する能力を持つ。

枠としては《練達飛行機械職人、サイ》や《金属の徒党の種子鮫》の枠に採用している形だが、今の環境・構成では以下の理由より前者の2種よりも明確に強い。

・トークンがアーティファクトではないので《溶融》や《静寂》などが効かないため、サイド後も攻め手として信用できる

・上振れ下振れはあるが、出てくるトークンのサイズが大きいためサイや鮫と異なり1枚でゲームに勝ちうるスペックを持っている

・デルバー系が数を減らしているため、飛行ブロッカーが必要になるタイミングが少なくなった

・河童や思考の監視者が抜けているため、アーティファクトトークンを出すメリットが少ない

また、中盤以降についても
・エムリーの能力で墓地から唱える
・物読みやガラクタのドロー
・中盤にプレイする必要のないオパールのモックスや水連の花びらを手札に抱える
・謎めいた外套の再キャスト

などの要素から断続的に1-2体はトークンを出すことができ、地上戦はかなり固くなる。

そのため、赤単プリズンやカスケードクラッシュあたりにも強くなっており、特に《虚空の杯》周りの取り回しや攻防が変わってくるので興味がある人はぜひ一度試してみてほしい。

ゲームプラン、サイドボードプラン

vsUBスキャニメイター

メインもサイド後も《ウルザの物語》が非常に強いマッチアップだが、特にメイン戦ではハンデスされないクロック兼墓地対策として重要な1枚。

メインではUB側のサーガに対応するカードが《不毛の大地》しかないため、チャリスX=1で不毛を探しに行くためのドローソース(ブレスト思案)と《再活性》による速いリアニプランを止めるだけで有利に戦える。

in
1《トーモッドの墓所》、1《墓掘りの檻》、2《否定の力》

out
1《ミシュラのガラクタ》、1《ウルザのガラクタ》、2《肉大工、ゲラルフ》

サイド後は入れ替えこそ多くないが、カードの扱い方が変わることを意識する必要がある。

特にチャリスの取り扱いがキモで、サイド後はX=1ではなくX=2での設置をすること。
X=1は2マナランド2枚、チャリス3枚のような極端な初手以外では先手1ターン目に置ける場合でも我慢した方が良い。

サイド後の主な負けパターンとして、サーガに対してクリティカルなものを通された後にオークやダウスィーでこちらのリソースカードに蓋をされることがある。

UBスキャニに良く採用されているこちらに対する致命的なカードが《火薬樽》《無のロッド》《害獣駆除》など2マナに固まっており、ミッドレンジゲームの際に触りにくいオークとダウスィーも2マナ、こちらのパーマネントに触れる借り手のバウンスも2マナなので、X=2で置くとUB側が機能不全を起こす。

逆にX=1で設置してもサーガトークンのついでにどかされる+そもそもUB側がX=1で詰むようなキープをしてこないため悪手になることが多い。

1マナで通すとまずいカードは再活性だけなので、ここはカウンター7枚+墓地対策3枚で見る形で対応する。

また、X=1で置かない場合はこちらのエムリー+《上天の呪文爆弾》が機能するのでUB側のサイドから入ってくることがある《濁浪の執政》にも強くなる。


vs赤単プリズン

メイン・サイド共に基本的はこちらが受ける側で、サーガで切り返すゲームになりがち。
ゴブリンと比較して攻めの速度感が遅く攻め手も少ないため割とサーガが間に合う。

数少ない例外がゲラルフで、2ターン目に2体以上トークンをバラまいてこちらが攻める側としてゲームを展開できることがある。

メイン・サイド共通だが、相手のスタックスに対して何を通して何をカウンターするかを手札状況から決めることが重要。

サーガを軸にする場合は《血染めの月》は絶対に消すが、サーガに影響がない《三なる宝球》やサーガトークンで止まる地上のクロックには積極的にカウンターを吐かない。

ゲラルフで盤面作るプランではキャスト数に制限をかけてくる三なる宝球は絶対にカウンターするが、ゲラルフが出さえすれば月やチャリスX=0、ゾンビで止まる地上クロックは止める必要がなくなる。

注意すべきクロックは《刺し背の恐怖》と《舷側砲の砲撃手》。
特に《刺し背の恐怖》は飛行・トランプルとコンバットでは止められない上にクロックが速いため放置するとすぐに負ける。

in
2《否定の力》、2《水流破》、2《四肢切断》、1《厚かましい借り手》

out
4《虚空の杯》、2《謎めいた外套/Cryptic Coat》、1《魂標ランタン》

サイドもこちらが受ける展開になりがちなのはメイン戦と同様のため、何もしないチャリスやブロッカーとしての信頼度が低い外套を抜き、カウンターと除去を全部入れる形になる。


vsWBデスタク

デスタクは初動が遅いため基本はこちらが攻める側になる。
メイン戦はデスタク側にドローソースが無く不毛を探せないため、サーガで押し切るパターンが多い。

エムリーはカラカスのせいでリソース源としてあまり信用できないが、カラカスを毎ターン起動させることで実質《リシャーダの港》として扱うため投げ続ける場合がある。

in
2《否定の力》、2《四肢切断》、1《厚かましい借り手》、1《河童の砲手》、1《真髄の針》、1《カラカス》

out
4《虚空の杯》、1《魂標ランタン》、1《ウルザのガラクタ》、1《肉大工、ゲラルフ》、1《裏切り者の都》

サイド後は不毛と害獣駆除が優先的にキープされるため消耗戦になりやすい。
基本は地上の殴り合いになるが、デッキ構成の関係で時間がたつほど不利になるので、攻撃をねじ込める外套や影槍、対処されにくく速やかにゲームをたためる河童が重要になる。

チャリスX=2で置きたいところだが《ちらつき鬼火》や《精霊界との接触》などでX=0にされる裏目があるため全部サイドアウトし、代わりにあまり入れたくはないが否定の力をサイドインする。
また、カラカスを立てられると弱いのでゲラルフは減らすようにしている。

おわりに

途中から力尽きたので最近あまりレガシーをやっていないため、適当なデッキ紹介と直近で割と当たるなという3アーキタイプのゲームプランについて書き散らかしました。
どなたかの参考になれば幸いです。

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