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ついに最終面接の結果が!内定と倒産の転落人生【転落人生-倒産編6/8】

ここまでのおさらいと今回のお話

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最終面接も終わり、課題も無事提出。

「果報は寝て待て」というが、無職中年男性としては、合否が気になって、そんなゆったりとした気分にはなれない。

私は仕方なく、次なる応募のためにハローワークへ向かった。

ここは今日も求職者で賑わっている。世間はまだまだ不景気のようだ。

そんな人たちに紛れて必死になって仕事を探していたが、結局、希望の条件にマッチする求人は見つからなかった。

『今日も収穫なしか。また明日も探さないとな。。。』

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今回は、最終面接の結果と、まさかのその後です。

無職中年男性にかかってきた一本の電話

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最終面接を受けた会社からはまだ連絡がない。

もしかして、私よりも先にハローワークのほうに合否の連絡が行っているかもしれない。

そこで、ハローワークの担当者に問い合わせてみたものの『まだ連絡はありません』

合否の連絡に悶々とする日はもう少し続きそうだ。

ところで、この求人はいわゆるお宝求人だ。
しかし、全国の求職者が血眼になって仕事を探しており、この求人を見つけたのは私以外にもたくさんいることだろう。

念のため、応募者数を聞いてみると、まさかの200人超え。

求人票に記載されていた採用人数は若干名とあるだけで、正確な人数は不明だったが、会社の規模を考えれば多くても2人くらいだろう。

そうなると倍率は100倍にのぼる。これはもう絶望的な数字。
今回もきっとダメだという気持ちが湧き上がる。

でも、ここまで来たのだ。
絶対に諦めきれない。

そんなことを考えながら、先の見えない再就職活動に溜息をついてハローワークをトボトボと出ようとしていたところ、電話がかかってきた。

だれからだろう?と携帯電話をポケットから取り出して着信を見た。

それは最終面接を受けた会社からの電話だった。

無職男にかかってきた一本の電話。それは・・・

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合否の結果連絡を知らせる電話だった。

そして結論から言うと、まさかの内定だった!

自分でも信じられない。

驚きのあまり、「ありがとうございます」という声が上ずってしまい、相手が少し笑っているのがわかった。

ここに至るまで実に半年以上かかった。応募総数は80を超える。

その間は倉庫の夜勤などで生計を立てていたが、絶望しかなかった。

また、東京を離れたくはなかったが、実家に戻ることもやむなしと考えていた。

そんな状況からやっと抜け出すことができ、内定をつかみ取ることができたのだ。

本当に本当にうれしかった。

内定の電話をもらってからもまだしばらくは信じられずにいたが、すぐに実家に電話。

その時の両親の喜び具合は相当なものだった。それほど私のことを心配してくれていたのだろう。

これは後日談として聞いたことだが、このまま就活がダメなら、父は私を実家に呼ぼ戻そうとしていたらしい。

偶然にもその矢先に内定が決まったということだった。

こうしたタイミングで内定が取れたのも、何かの縁かもしれない。

そうして私はこの会社で働くことになった。

今になって振り返ると、この会社で働いていたときが私の人生の中で最も充実していた。

誰もが知っている大手の会社と色々な交渉を行い、東京でバリバリ働いているという自負もあった。

それなりに結果を出して周囲からも認められていたし、私生活では趣味やボランティア活動にも精を出し、公私ともに充実していた。

もちろん仕事では大変なこともあったが、同僚との人間関係も良好で、何かあるたびに一緒に飲みに行った。平均以上の給与ももらえていた。

そして働き始めて1年。

給与も大幅にアップした。それを実家に伝えると、内定の時と同じように喜んでくれた。

無職の私はそれまで狭いワンルームに住んでいたが、経済的に少し余裕も出てきたので、少し広めのマンションに引っ越した。

まさに順風満帆!

人生はジェットコースターのように

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ただ、唯一の気がかり結婚のことだ。

気がかりといっても私自身はそれほど心配していなかったが、両親がしきりに結婚を勧めてきた。

『もういい歳だし、収入も安定しているので、そろそろ身を固めてほしい』と考えたのだろう。

そこで私もいわゆる婚活に励んだ。

あまりうまくはいかなかったが、それを楽しんでいた。
婚活パーティーに行くと色々な女性を知り合うことができ、それが楽しかった。

その一方、一般的なお見合いもしてみたが、どうにもクセの強い相手が多く、私には向かなかった。

結局、友人の紹介で今の妻と知り合い、ささやかだが満足のいく結婚式を挙げる。

そのとき、これまで散々両親に心配をかけてきた罪滅ぼしのため、貸し切りタクシーで一日東京観光などを企画し、できる限りの親孝行もした。

お金が貯まったら、両家の家族で海外旅行に招待することも考えていた。

この頃は明るい未来を信じて疑わなかったが、その数ヶ月後、社内に激震が走る。

それは...倒 産

それまでも時々、冗談交じりに同僚とそんな話をしてはいたものの、あり得ないものとタカをくくっていた。

しかし、それがまさか現実のものとなろうとは!

なぜ、もうすぐ倒産してしまうことが分かったかというと、早期退職者の募集が行われたからだ。

余程の大手でない限り、早期退職の募集は倒産の前兆だ。

それに加え、会社の資金がショートしかけていると、ミーティングの場でハッキリと告げられた。

よくある話だが、この早期退職に応募すれば、退職金を割り増しして支払ってくれるらしい。

『まさかこんなことになるとは...』

目の前が真っ暗になった。

今振り返ってもいい会社だったと思う。
定年までずっとここで働いていたかった。

しかし現実は厳しい。
人生はうまくいかない。

【絶望的な転落人生-倒産編7/8】へ続く


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