色んなスープの味があるラーメン屋に感じるこだわりの無さ感

塩、味噌、豚骨、醤油など色んな種類のスープのラーメンを頼めるお店は損をしていると思う。
ここではそういうお店を批判しているわけではない。
多種類のスープがあり、その全てにこだわっており、美味しいラーメン屋さんを知っているし、実際にそういうラーメン屋さんに通っている。

ただ、どうしても初めて行くラーメン屋さんでスープの種類がたくさんあるとこだわりのなさみたいなのを感じてしまう。
この不思議な偏見のようなモノの謎はなぜ生まれるのだろうか。

理由の1つに、ラーメン屋さんというものに対するイメージがあると思う。ラーメン屋さんといえばこだわりが強く、注文もラーメン1種類のみという形態をとっているというイメージが人々に刷り込まれているように感じる。そして、チェーン店のような少しお手頃な店になるにつれ、いろんな味のラーメンを頼めるというイメージである。このイメージにより多種類のスープが頼める店にお手頃感を感じてしまうのではないだろうか。

2つ目はこだわりというものに対する考え方。
こだわりというモノが長い年月、時間と深く関係しているという認識。
例えば、30年間ラーメン屋をしてきた大将が2人いて、1人は豚骨ラーメンだけを出す、もう1人は塩と味噌と醤油ラーメンを出すとする。
すると、1人目は30年豚骨ラーメンのことだけを考えてきたのに対し、2人目は塩ラーメンに10年、味噌ラーメンに10年、醤油ラーメンに10年かけてきたと思ってしまう(実際そうではないのかもしれない)。するとどうしても豚骨ラーメンの店の方が長い年月をかけているように見える分味がおいしいのではないかという思考にたどり着く。
実際のところは10年の大将が30年の大将と同じくらい濃い密度で打ち込んできた可能性だってあると思う。それに、そもそもこだわりの行き着く先が食べる人の好みに合うかというのでまた話は変わってくるような気がする。
だがぱっと見では、「多種類であるとこだわりがない」ような偏見を持ってもおかしくないような気がする。

ただこうなると、そもそもこだわりは必要なのかという話になってくる。
もっとお手頃にラーメンを食べたい!そんな層の人にはいろんな種類のラーメンを出す方がいいのではないか。
しかし私が思うにラーメンを食べ歩く人間はこだわりの強さに影響を受ける人が多いと思う。暑い日や寒い日でも並んでまでラーメンを食べる。それほどの情熱を持つ人間がこだわりが強くないわけがない。それにラーメン屋の数がとにかく数が多く、違う種類のラーメンを食べたくなればまた別のこだわりの強い店に行くのだ。

やはり、スープの種類は少ない方がよさそうだ。
ラーメン屋さんのメニューは少なければ少ない方がいい。
もういっそ食券機も左上だけしか押せないくらいの方が心地いい。


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